展示会は自社製品を直接見ていただける貴重な機会ですが、その方たちを将来の顧客にできるかは展示会後のアフターフォローにかかっています。しかし、フォローの方法にもいくつか種類があるため、どのようにフォローすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、アフターフォローの重要性と、そのなかでもメールによるフォローが展示会では有効な理由を解説します。
この記事の目次
1 展示会のアフターフォローの重要性展示会で自社に興味を持ってくれる方はいても、展示会後に見込み客自身からアクションがあるケースは稀です。そのため、展示会で獲得した見込み客を商談化するためには、アフターフォローという形で企業側からアクションを起こす必要があります。
展示会に来た方は、複数の企業のブースを訪れ名刺交換をしています。もしアフターフォローをせずに放置をしてしまうと、せっかく興味を持ってくれた見込み客が競合に流れてしまうでしょう。また展示会の参加者の大半は情報収集段階のため、「中長期フォロー」が必要であり、成果を上げるには継続的なアプローチをする努力をしなければなりません。
アフターフォローの手法は、主に「電話」と「メール」の2種類です。それぞれについてメリット・デメリットを解説します。
電話のメリットは、訴求力が高いことです。現在の検討状況や抱えている課題について直接ヒアリングをすることで、今後どういったフォローや情報提供が必要なのかが明確になります。また、関心が高い顧客にはデモや商談を提案し、その場で次の商談日程を調整することができるので、タイムラグも発生しません。
一方、電話のデメリットは、アフターフォローの難易度が高いことです。展示会は来場者が多く、資料だけお渡しして詳しい話ができていない見込み客が大半です。そのため、電話をかけた相手も展示会で名刺交換をしたことを忘れているケースもあり、接触できてもなかなか話が進まないということがよくあります。またたくさんの見込み客がいる場合、すべて電話でアプローチをしようとすると、多くの人員が必要になりますし、人員が不足している場合には電話がかけきれずフォローが後手に回ってしまうリスクもあります。
電話でのフォローが向いているケースは、自社製品に強い興味を示してくれている見込み客を迅速に商談化させたい場合です。そのためには、展示会で名刺交換をする際に見込み客の興味関心度を把握し、適切な優先順位付けをその場で行うことです。また、電話をしてすぐに商談にならない場合に備えて、無料デモやセミナー、メールで送れる資料などを事前に準備しておくと、今後の関係性維持につながるのでおすすめです。
メールのメリットは、多くの見込み客に一斉にアプローチができることです。メールの文面を事前に作成しておくことで迅速にフォローができ、フォロー内容も属人的にならずクオリティが一定に保たれるという利点もあります。
さらに製品カタログやウェブサイトのリンクなどを付けられるので、より詳しい情報を見込み客に提供することができます。電話と違って相手の時間を拘束せず、繰り返しアプローチをすることで長期的な関係構築が可能です。情報が不要な見込み客にはメールの配信解除をしてもらうことで、企業イメージを損なうことなく、相手に配慮したフォローを行うことができます。
一方、メールのデメリットは、結果が出るまでに時間がかかることです。電話であれば見込み客の疑問や抱えている課題に対してその場でフォローをすることができ、商談の打診も可能です。メールの場合はコミュニケーションが一方通行になりがちなため、相手に行動を促すのが難しく、継続的な情報提供を根気よく続けていく必要があります。
以上を踏まえると、自社製品をすぐに必要としていない見込み客に対して、より詳しい情報を提供し、関心を高めてもらうような中長期的なフォローにメールは向いています。また、電話でのフォローに人員をさけない場合に、まずはメールを一斉に送ってタイムラグが生じないようにするといった活用もおすすめです。
展示会のアフターフォローには、メールを活用することが非常に有効です。その理由は、展示会で得られる見込み客の層とメールでのアプローチの相性が良いことが挙げられます。
先に述べたように展示会で得られる見込み客のほとんどは、中長期的なフォローが必要な情報収集層です。具体的な検討を始めていない見込み客に電話をしても嫌がられてしまい、最悪の場合「今後連絡をしてこないでほしい」と関係を絶たれる可能性もあります。一方で、メールならまだあまり興味を持っていない見込み客に対してアプローチをしても迷惑になりにくく、継続的な情報提供をすることで関係性を維持できます。そうすることで、見込み客が課題を感じた時に自社の製品のことを思い出してもらいやすくなります。
また展示会のフォローにセグメントメールやステップメールを用意しておくと、その後の商談化率を踏まえて、次の展示会までに送信する内容を改善することができます。展示会はコストもかかり出展できる回数も限られているため、より多くの商談を生み出すためのPDCAサイクルを回すことは非常に重要です。一定の成果が上がるようになれば同様のフォローアップメールを横展開することもできます。
昨今はオンライン展示会が増えた影響で、企業がアプローチする見込み客の数も増えています。そのため、電話で1件ずつをフォローするのは限界があります。
その点、メールは一斉送信やテンプレートが使えるため、多くの見込み客に効率的にアプローチすることができます。また、オンライン展示会の場合、どういったコンテンツを視聴しているかや事前の登録情報からセグメントを分けてフォローすることも容易になります。見込み客にとって関心が高そうな情報をメールで配信することで、より効果的なアフターフォローを実行することができます。
オンライン展示会で獲得した見込み客のフォローについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
展示会のアフターフォローはスピードが肝心です。展示会で名刺交換してからすぐに連絡をすることで、見込み客の記憶が鮮明なうちにアプローチすることができます。また競合より先にアポを取ることにもつながります。
メールなら事前にある程度文面を用意しておけますし、名刺情報をCRMに格納してメールの一斉配信やワークフロー機能を活用したステップメールを設定すれば、手間をかけることなくフォローアップを行うことが可能です。
CRMツールを使ってメールを配信すると、開封やリンクのクリックといった行動履歴をデータとして蓄積することができます。そのデータをもとに顧客の興味・関心を分析し、アフターフォローを最適化していきます。
さらにCRMのワークフロー機能を活用すれば、見込み客がWebサイトを訪問したタイミングでフォローアップメールを送るといった仕組みも作れます。行動履歴をデータとして蓄積することで、温度感が高まった見込み客にタイミングを見逃さずアプローチすることが可能になります。
データ管理のポイントはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
展示会で得た見込み客を中長期的にフォローしていくには、情報の蓄積と適切な管理が欠かせません。こうした情報の管理・分析にはMA(マーケティングオートメーション)機能が付いたCRMが有効です。どこで得た見込み客なのか、今までにどんなメールを送っていてどんなメールを開封しているのか、どのようなトピックに興味があるのかなどの情報を分析し、アプローチするタイミングや訴求内容を工夫することで、見込み客を商談化につなげていきましょう。
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