HubSpotのオブジェクトとは、連絡先・企業・取引といった「情報のまとまり(箱)」のことで、プロパティはその箱に入る一つひとつの項目のことです。
HubSpotを使いこなすには、まずこのデータ構造を理解することが欠かせません。オブジェクトとプロパティの関係を押さえないまま設定を進めると、必要な情報が記録できなかったり、項目が重複したりして、後からの手戻りが大きくなります。
たとえば「連絡先」オブジェクトにはメールアドレスや電話番号といったプロパティがあり、「取引」オブジェクトには金額や取引ステージといったプロパティがあります。どのオブジェクトに何のプロパティを持たせるかを設計することが、HubSpot構築の第一歩です。
本記事では、HubSpotの3つの主要オブジェクト(連絡先・企業・取引)とその他のオブジェクト、そしてオブジェクトとプロパティの違いを、構造的にわかりやすく解説します。
この記事の目次
1 HubSpotのデータ構成とは?オブジェクトの理解HubSpotでは、主に以下の3つのデータを中心に構成されています。その3つが、
です。この連絡先や企業、取引といったデータが入っているそれぞれをHubSpotではオブジェクトと呼びます。(他のシステムではタブと呼んだりもします)それぞれどういった情報が含まれているのかについて見ていきましょう
ひとつ目は連絡先です。連絡先=コンタクトとも呼ばれます。その名の通り、個人に関する情報が含まれているオブジェクトです。SFA / CRMの世界ではすべては人の情報から始まります。交流会で名刺を交換した人、展示会で名刺を交換した人、自社のウェブサイトから問い合わせをした人、これらはすべて個人の連絡先です。自社とそれぞれの人(=連絡先)のデータを起点にデータが構成されていくというのが、SFA / CRMの特徴とも言えるでしょう。
連絡先には、その人のEメールアドレス、電話番号、名前、住所、企業名などの個人情報をはじめ、ウェブサイトでの行動履歴やコンバージョン情報なども記録されています。こうしたさまざまな情報を元に連絡先をセグメントすることで、より自社のサービスを必要とする人を見極めることができるようになります。
ふたつ目は企業です。企業とはその名の通り、法人の情報です。HubSpotで特徴的なのが、連絡先のドメイン情報を元に独自のデータベースと照合し、企業情報を自動的に作ることができるという点です。他のSFA / CRMの場合、法人の情報は独自に作らなければならないことが多いのですが、HubSpotの場合は、独自のデータベースを持っており、その情報と照合して法人の情報を自動的に補記してくれます。
もちろん、自動的に企業を作らない設定にもできます。具体的にどのように設定するのか見ていきましょう。
右上の[設定]から[オブジェクト]を選択、その中にある[会社]へ進み[セットアップ]のタブを押します。するとその中の自動化という項目の中に[会社を作成してコンタクトに紐付ける]というチェックボックスがあるので、このチェックが入っていると、自動的に企業が作成されます。自動的に企業が作成されないようにするためには、このチェックボックスを外しましょう
また、企業名だけでなく、その企業に関する付帯情報も自動付与することができます。ここでいう付帯情報とは
などです。ただし、こうした情報はあくまでHubSpot社が独自で収集している内容であるため、精度の高さには少し疑問があるかもしれません。また、情報はあくまで英語圏がメインなため、日本の企業の捕捉率は英語圏と比較して低いでしょう。
企業の情報をHubSpotのデータベースと照合して自動的に付与させるには、HubSpot Insightsという機能を使います。設定は先程の企業を自動的に作る際と同様に、右上の[設定]から[オブジェクト]を選択、その中にある[会社]へ進み[セットアップ]のタブを押します。するとその中の自動化という項目の中に[HubSpot Insightsデータベースを使用して各社のプロパティを入力]というチェックボックスがあるので、そのチェックボックスをオンにします。
3つ目が取引です。取引は他のSFA / CRMだと商談や案件という名前で呼ばれている場合もあります。取引のオブジェクトは、案件をより効果的に進めるための取引ステージの管理や、売上管理などをすることができます。取引には以下のような情報が含まれます。
取引のオブジェクトは主にセールス部門が使うことになりますが、取引オブジェクトにおいて、案件の進捗管理、数値化を行うことで、セールスのプロセスの改善に寄与することができます。
上記以外にもHubSpotにはオブジェクトが存在します。そのうちの代表的なものがチケットです。チケットを利用するには、HubSpot Service Hubを契約する必要があります。チケットは、主にカスタマーサポート(もしくはカスタマーサクセス)が利用する機能で、顧客からの質問や問い合わせを部署内で共有するお問い合わせ管理システムです。
共通のアドレスを作り、顧客からのお問い合わせはそのメールに送るようにすることで、その共通アドレスに来た問い合わせをHubSpot内で管理することができます。チケット機能にて一元的に管理することによって、その情報を部署内で簡単に共有することができますし、そのチケットに対して、連絡先や企業、取引を紐付けることもできます。そうすることによって問い合わせが来た顧客との取引履歴や企業情報、問い合わせをしてきた人の情報を簡単に見ることができるので、よりスムーズに顧客の対応を行うことができるようになります。
さらにHubSpotにはカスタムオブジェクトというオブジェクトも存在します。これは、各サービスのエンタープライズプランを契約していることが条件にはなりますが、上記のオブジェクトには含まれない別のオブジェクトを独自に作成することができます。カスタムオブジェクトを利用することでより複雑な情報をHubSpot内で管理することができるようになります。その使い方はさまざまありますが、例をあげると以下のような使い方があります。
それぞれ、取引や連絡先に関連づけることで、より複雑な情報を管理することができるようになります。
HubSpotにおけるオブジェクトとは、上述の通り、特定の情報がまとまっている箱のことを指します。一方でプロパティは、その箱の中に入っている情報の項目ひとつひとつを指します。したがって、HubSpotのオブジェクトはたくさんのプロパティによって構成されている、ということが言えます。このプロパティは、他のSFA / CRMではフィールド、カラム、項目といった言葉で使われますが意味や位置づけは一緒です。
HubSpotを構築する際には、どういったデータ構成にするのかという視点でオブジェクトを考え、そのオブジェクトに対してどういった情報を付与し蓄積していくのか、そのプロパティを定義していくことが最初に求められます。その意味においても、オブジェクトとは何か?プロパティとは何か?という基本構造を理科しておくことが必要となります。
HubSpotには、さまざまな使い方や活用方法があります。CRMの基本的な機能は無料で使用でき、自社の営業やマーケティング、カスタマーサービスの業務スタイルに合わせて、必要な要素だけで設計できる点が魅力です。
興味をお持ちの方は、ぜひ一度HubSpotソリューションパートナーの株式会社トライエッジにご相談ください。HubSpotの導入や運用はもちろん、その一歩手前の顧客情報整理や営業・マーケティングチームの構築からのサポートが可能です。
Q. HubSpotのオブジェクトとは何ですか?
A. オブジェクトとは、特定の情報がまとまって入っている「箱」のことです。HubSpotは主に「連絡先」「企業」「取引」の3つのオブジェクトを中心に構成されており、ほかにチケットやカスタムオブジェクトもあります。他システムでは「タブ」と呼ばれることもあります。
Q. オブジェクトとプロパティの違いは何ですか?
A. オブジェクトが情報の「箱」であるのに対し、プロパティはその箱に入る一つひとつの項目を指します。たとえば連絡先オブジェクトの中の「メールアドレス」「電話番号」がプロパティです。他システムではフィールド・カラム・項目などと呼ばれますが、意味は同じです。
Q. HubSpotの主要な3つのオブジェクトは何ですか?
A. 「連絡先(個人の情報)」「企業(法人の情報)」「取引(商談・案件の情報)」の3つです。連絡先を起点に企業や取引が関連づき、営業・マーケティングのデータが構成されていきます。
Q. HubSpotは企業情報を自動で作成できますか?
A. はい。HubSpotは連絡先のドメイン情報を独自データベースと照合し、企業情報を自動作成できます(HubSpot Insights)。業種・従業員数・住所などの付帯情報も自動付与できますが、英語圏中心のデータのため日本企業の捕捉率は相対的に低い点に注意が必要です。設定で自動作成をオフにもできます。
Q. チケットやカスタムオブジェクトは何に使いますか?
A. チケットはService Hubで使える問い合わせ管理用のオブジェクトで、顧客からの質問を部署で共有できます。カスタムオブジェクトはエンタープライズプランで作成でき、サブスク管理・代理店管理・車両管理など、標準オブジェクトに収まらない独自の情報を管理できます。