展示会やイベント、Web広告等で新規の見込み客を大量に獲得することは、営業効率や会社全体の売上を伸ばすためにとても重要な取り組みです。しかし、膨大な数の見込み客の管理を属人的な手法で行ったり、せっかく獲得した名刺をデータ化せず共有しないといった状況では、営業活動にばらつきや漏れが出てしまいます。
本記事では、そうした問題を解決するCRM(顧客管理システム)を用いた顧客管理について解説します。
この記事の目次
1.1 顧客情報の管理顧客との関係性を強化し、売上・利益を向上させる上で欠かせないCRMの機能をご紹介します。
ツールによって多少の差はありますが、ほとんどのCRMがこうした機能を備えています。
顧客・企業に関する様々な情報の管理を行います。
CRMで管理する顧客情報は、顧客の氏名や会社名、所属部署、メールアドレスといった名刺に記載されているような基本情報のみならず、顧客と接点を持ったきっかけ、進行中の商談のステータス、これまでの購買情報や問い合わせの履歴など、多種多様な情報になります。
MAツールと連携するCRMであれば、ウェブサイトの訪問、メールの開封・クリックなど、オンライン上での行動履歴も顧客情報に紐づく形で蓄積されます。
進行中の商談や、過去の購入履歴について、詳細な情報を管理します。
各担当者が保有している商談について、「いつ・誰と・どの商品サービスについて・どれくらいの金額で・どのくらい購入の見込みがありそうか」等について、顧客情報と紐づけた上で管理を行います。
現在も取引が継続されているのかや、これまでいくら購入してくれたのかといった過去の購入履歴についても残しておくことで、休眠顧客や既存顧客の掘り起こしの際に、ポテンシャルの判断に非常に有用な情報となります。
CRM上でレポートやグラフを作成することで、顧客データの分析を行い、マーケティングや営業活動に役立つ情報を得るための機能です。
CRMを用いて行うことができる分析の手法としては、直近の購入日・利用頻度・金額から購買行動を分析する「RFM分析」が代表的です。
ほかにも購入金額に基づき顧客をグループ分けする「デシル分析」や売れ筋商品を知るための「CTB分析」など、10種類ほどの手法があります。
CRMによって行える分析が異なる場合がありますので、導入の際はどのようなデータが取得でき分析できるのかを事前に確認しておきましょう。
デシル分析やRFM分析の詳細はこちらの記事を参考にしてみてください。
最近ではメール配信機能を兼ね備えたCRMや、メール配信ツールと連携するCRMも多いです。そのため顧客の属性や行動履歴を元に、顧客ごとにパーソナライズした内容のフォローアップメールや、自社のターゲットに該当する顧客を獲得した場合にステップメールなどの自動送信メールを送る、といったことが可能になります。
CRMに入力された顧客情報をマーケティング活動に活かすことで、マスに対してではなく1対1で最適化されたコミュニケーションが行えるようになり、顧客満足度の向上にも有効です。
外部サービスと連携することで、より一層効率的な顧客管理を実現できます。例えば、Gmailや各種カレンダーとの連携は、顧客とのアポイントの予定等のデータ入力の手間を省いたり、営業部門との情報共有に便利です。
名刺管理ツールと連携することで、日々の名刺や、展示会で大量獲得した名刺情報をCRMに登録する作業も自動化できます。
顧客への対応事項や、中長期フォローの顧客に対する次回のアプローチ予定をタスクとして登録することができます。
リマインド機能と組み合わせることで重要なタスクを漏れなく実行できる環境を整え、フォローアップ活動が円滑に行えるようになります。
レポート機能と組み合わせることで、重要な顧客に対してタスクの登録があるか、といった営業活動状況の可視化も可能になります。
これまで受けた問い合わせを、顧客情報と紐づけて管理することができます。
カスタマーサポートチーム等で問い合わせへの対応者が毎回異なる場合でも、これまでの対応履歴をひと目で把握できるため、顧客にとって満足度の高いサポート体験の提供を行いやすくなります。
顧客情報の管理にあたって、個人やチーム単位でExcel・スプレッドシートを取り入れていたり、あるいは手元の名刺を元に担当者単位で把握しているケースもあるかと思います。
これらをCRMを用いた顧客管理に置き換えることで、大きく3つのメリットを得られるようになります。
CRMで顧客情報を一元管理することで、顧客ごとの状況やニーズの把握が社内を横断して行えるようになります。入力された情報はリアルタイムで反映され、他のユーザーからの閲覧が可能になるからです。
例えばCRMに備わっている自動通知機能と組み合わせて、重要商談の情報更新があれば上司に通知する、といった仕組みを作ることも可能です。上司はCRMに入力された情報を元に迅速な意思決定が行えるようになり、入力者本人も周囲からのサポートのもとで適切な行動を取りやすくなります。
この様にビジネスチャンスを逃さず、組織としての営業力を向上させることができます。
担当者のみが顧客情報を抱えた状態だと、有望な顧客への適切なフォローアップが行えているかを上司がひと目で把握できず、対応漏れが原因で競合他社に先を越されてしまう、という事態が起きかねません。
その他にも担当者同士・部署間での顧客の引き継ぎをスムーズに行うことが難しくなります。これまでの経緯をふまえた適切な顧客対応が行えずクレームに繋がってしまったり、担当者の退職によって顧客情報そのものが失われてしまう、ということも考えられます。
CRM上に顧客情報を集約しておくことで、情報を残す・残さない、細かく残す・大雑把に残すといった属人的なムラをなくし、保有する顧客情報の形式・情報のレベルを全社で統一することができます。
これにより、情報の記入漏れがなくなるほか、より正確な顧客分析が可能になります。
顧客の情報共有にかかる時間も、CRMのデータを事前に確認してもらったうえで引き継ぎを行うようにすることで、削減することができるようになります。
CRMは顧客一人ひとりに対しパーソナライズされたマーケティングに有効な手段です。取得した顧客情報に基づき、個人個人の興味や嗜好に合わせたアプローチが可能になります。
またCRMでは、顧客それぞれの購買履歴や問い合わせ履歴、Webサイト上の回遊履歴など、多種多様な情報を収集・管理できます。それらを複数の手法で分析して顧客の潜在ニーズを探ったり、属性に応じて顧客をグループ分けしたうえで見込みの高そうなグループから優先的にアプローチする・グループに応じアプローチ手法を変えてみる、といったことも可能です。
以上のように、CRMを使えば、人力ではできないレベルでデータを活用できるため、マーケティング活動の効率・効果の大きな向上が期待できます。結果として事業の収益向上にもつながるでしょう。
CRMを用いた顧客管理は、高速で定量的な情報の共有を可能にしてくれます。今では多くの企業がCRMを採用しており、会社の規模や事業を拡大していく上では欠かせないツールと言えます。
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