”CRMを触る前にやっておくべきこと”のシリーズでは、「情報共有・一元化」というCRMのメリットを最大化するために、CRM導入前に考えておくべきポイントをご紹介してきました。今回は、その中でも、営業報告の内容や帳票の整理・再編についてお伝えしていきます。CRMを実際に導入する前だからこそ、改めて従来の営業報告や帳票を見直して、CRM導入後の生産性を確実に高めていきましょう。
この記事の目次
1 CRMをより使いやすくするために営業報告や帳票で必要とされている項目を洗い出し、CRMで抽出しやすいものに再編しておくと、CRM導入後に営業報告や帳票の記入が格段に楽になります。それでは、順を追って説明していきます。
まずは、現在社内で運用されている営業報告がどのような状況なのか、またどのような課題があるのかを把握します。
一営業部員から経営層に至るまで、各階層でどのような報告が行われているか、把握はできているでしょうか?報告のボリューム感や頻度はもちろん、誰が誰に報告を行っていて、どのように経営層まで共有されていくのか、レポートラインについても実情を把握する必要があります。
その後、日次、週次、月次それぞれの帳票の実物をチェックして、その内容を把握します。
どのような形状のものを使っているのか、記入はパソコン、手書きで行っているのか、営業報告以外で記載している情報にはどのようなものがあるのか、など、大枠から細かい部分までチェックしていきます。
合わせて、その帳票をどの会議で誰が目にするかについても知っておきましょう。
現状の把握とともに各関係者の間にかかる工数で削減できる部分はないかを考え、できる限り不要な作業を省ける運用を考える必要があります。
このとき、事前に必ず様々な立場関係者の意見を聞くようにしましょう。数字や内容でどういった部分を重視しているかをヒアリングし、バランスを考えた上で、何を削っていくかを考えていきます。
また、それぞれの立場を考慮してみることも大切です。たとえば、部長は「部下の報告が遅い」と思っていたとしても、部下からすると報告したはずのことが上に伝わっていなかったり、そもそも報告の方法が複雑で情報の編集作業に時間がかかってしまっていたりと、立場が違えば抱えている課題も異なります。改善施策が現場のみ、またはマネジメント層のみとどちらかの目線に偏ったものにならないように、必ずそれぞれの意見を聞き、帳票の項目や内容の優先順位を決めていきましょう。
そのあと、帳票も合わせて再編できないかを考えていきます。
だいたいのアイディアが決まったら、実際にCRMからエクスポートされるデータを考慮した上で、帳票の内容や項目を設計してみましょう。
せっかくCRMを導入しても、CRMで抽出できるデータと帳票に入力するデータにずれがあると、帳票作成の工数を削減することができません。わざわざ帳票入力のためにデータ加工をするなどの手間が発生してしまいます。
そのため、CRMから出せる数字の限界や集計方法から外れないように、帳票の内容を調整する必要があります。
また、CRMを導入して運用ルールを定めると、現場では入力作業の負担が増えることになるため、現場の理解を得ておくことも必要です。
CRMにルール通り情報入力をしておけば、数字をいつでもエクスポートすることができ、帳票記入の時間を削減することが可能というメリットを、現場が認識して使えるようにしましょう。
CRMを導入する際は、事前にこれまでの営業報告や帳票の状況・課題を把握するようにしましょう。そして、この導入前の機会に、従来の帳票内容や運用を見直し、CRM導入後に大幅な工数の削減ができるよう準備をしておきましょう。
この準備と改善をしっかりと行っておくことで、CRMの導入により営業現場の生産性を向上させ、営業活動の本質的な部分にリソースを集中させることが可能になります。
弊社では、CRMの導入についてはもちろん、現場ヒアリングの進め方や、CRM導入時に生産性が上がる帳票の統廃合などについてもアドバイスなども行っております。ぜひお気軽にご相談ください。