こんにちは。トライエッジの代表をしております中野です。BtoBビジネスにおいて、成果を上げるためにマーケティング戦略を行うことは、非常に重要です。一方で、BtoBマーケティングと言っても、考え方や施策は多岐にわたり、効果的に扱うためにはきちんとした知識が必要となります。
今回のコラムでは、BtoBマーケティングとはなにか、基本知識と戦略の立て方、と題して、こういったBtoBマーケティングに関わる方への基本的な知識をまとめてみようと思います。
執筆者
株式会社トライエッジ代表 中野三四郎
この記事の目次
1 BtoBマーケティングとはBtoB(ビジネス・トゥ・ビジネス)マーケティングは、企業同士が主体となる市場を対象としたマーケティング戦略です。
製造業やサービスプロバイダーなどがお互いに取引し、長期的な信頼関係の構築が重視されます。購買決定は多くのステークホルダーが関与し、専門的な情報提供やプロモーションが特徴です。
一方で、BtoC(ビジネス・トゥ・コンシューマ)マーケティングは、企業が最終的な消費者を直接対象とする戦略です。
個人や家庭が製品やサービスを直接購入するため、感情や個人の好みが購買行動に影響を与えます。大量生産と大衆向けの広告が特徴的であり、購買プロセスは一般的に短期かつ大量の小規模取引から成り立っていることが多いです。
よく、BtoB・BtoCを単なるマーケティングとしてまとめて語られることがありますが、このように前提条件やプロセスなどが大きく異なることがありますので、必ず分けて考えましょう。
BtoBマーケティングにおける基本戦略は、「市場分析」と「ターゲット顧客の特定」から始まることが一般的です。
まず市場分析では、競合状況や業界の動向を評価し、自社の強みや機会を理解することが必要です。考え方のフレームワークでは3C分析や4P分析などを活用します。
一方で、ターゲット顧客の特定は、どの企業が製品やサービスに最も適しているかを明確にすることを指します。STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)分析などを活用します。
マーケティングの基本は「誰のなんの課題を解決するのかを明確にする」ことから始まります。
当たり前の概念ではありますが、ここがしっかりしてこそ効果的かつ効率的なメッセージやプロモーション施策を作ることができます。
また、BtoBマーケティングを考える上で、「リードマネジメント」の概念も重要です。
リードとは「潜在的な顧客」を指しますが、これらを効果的に収集し管理していくことは成約につながる可能性を高めます。まだ成約をしていないこれらの顧客情報がきちんと管理されていなければ、高い成果を上げることはできません。
そして、リードに対しては、継続的に営業活動をしていくことが重要です。BtoBビジネスにおいては、商品やサービスの購買行動が長期間になることも珍しくなく、ニーズが発生したときにそのタイミングを掴むためには、継続的にコミュニケーションを取らなければなりません。
BtoBビジネスにおいては「デジタルマーケティングをいかに活用していくか」も大きなテーマとなってきます。
まずデジタルマーケティングの中核となる「ウェブサイト」は自社PRをする上で中心となるコンテンツですので、使いやすく魅力的なものにしなければなりません。
BtoBビジネスではウェブから商品を直接購入するようなことはあまりありませんが、問い合わせをする際や情報収集を行う場合は、ウェブサイトにどういった情報が掲載されているかを確認するのがほとんどです。
ウェブサイトが魅力的なものになっていないと、そもそもの問い合わせなどに繋がりません。
また、SNS(ソーシャルメディア)もBtoBでは重要度が増しています。
潜在顧客との関係構築やブランド認知向上、専門的なコンテンツ共有などに活用できます。
加えてメールマーケティングも重要です。BtoCではLINEなどのSNSがコミュニケーションの中心的ツールとなっていますが、BtoBにおいては、メールがいまだに一般的なツールとなっています。
これらのデジタルツールは、費用対効果を即座に確認できるのが特徴です。課題を素早く発見し、対策を講じることができますので、活用をしていきましょう。
コンテンツマーケティングは、企業が質の高い情報や価値提供を目的にオンラインで発信する戦略です。コンテンツとは、一般的にはウェブサイト上で展開するブログ記事やニュース、ビジネスに役立つオンライン上でのダウンロード資料や動画コンテンツなどがこれに該当します。
これらのコンテンツにより、顧客が自社のサービスに興味を持ち、自ら企業に接触する(インバウンド)可能性が高まります。
一方で、リードジェネレーションは、これらの興味を捉え、ビジネスに関心を示す潜在顧客(リード)を生み出す過程を指します。質の高いコンテンツを増やしていけば、インターネット上で自社のサービスを潜在顧客に見つけてもらいやすくなり、結果的に潜在顧客が増えていくということになります。
リードジェネレーションという意味でも、良いコンテンツを増やしていくコンテンツマーケティングは重要だと言えるでしょう。
マーケティングはAI、データ分析、自動化などの技術により、近年大きく進化しています。
例えば、AIは顧客の嗜好を予測し、パーソナライズされたコンテンツを提供する際に役立ちますし、データ分析は大量の情報から課題を引き出すことができます。
また、自動化(オートメーション)はリードナーチャリングやメールキャンペーンなどの施策について、作業効率を高めてくれます。
新しい技術は最初はとっつきにくい印象を持ちますが、早く慣れて使いこなすことが大切です。BtoBマーケティングを行っていく上では、こうした新しい技術に積極的に触れていき、自社に取り入れる努力をしていきましょう。
マーケティングの組織を構築していくために必要なのは「効果測定」と「リーダーシップ」です。
◯効果測定
効果測定は、マーケティング活動や戦略が設定した目標に対してどれだけ達成されたかを評価するプロセスです。これにより、投資対効果が明らかになり、施策の最適化が可能となります。
効果測定を正確にすることで、無駄な予算を削減し、成功要因を洗練させることで、組織の収益性や成果を向上させることができます。
また、マーケティングの進化や変化に対応し、迅速かつ柔軟な戦略の調整を可能にします。効果測定は戦略的な判断の基盤であり、組織の長期的な成功に不可欠だと言えるでしょう。
◯リーダーシップ
BtoBマーケティングチームを構築するもう一つの鍵は、リーダーシップです。
マーケティング戦略を担うリーダーは、強いビジョンを持ち、チームメンバーを鼓舞し、目標に向けた戦略を明確に伝える必要があります。
コミュニケーション力、柔軟性、変革力も欠かせず、チーム全体を統率し、成果を追求する姿勢が重要です。また、データを元にした意思決定、新しいテクノロジーの導入への先見性も求められます。
このように、BtoBマーケティングを担うリーダーは、チームをまとめ、新しい技術を積極的に取り入れながら、力強く推進していく必要があるのです。
以上、いかがでしたでしょうか。BtoBマーケティングを具体的に進めていく上で次に行わなければならないのは、行動計画の策定です。
こちらについては以下の資料にて解説しているので、よかったら御覧ください。
執筆者 株式会社トライエッジ代表 中野三四郎
人材派遣会社に新卒入社後、一貫してマーケティング部門に従事。営業戦略の立案、SFA/CRMの企画開発・運用、顧客分析などを行う。その後、M&Aコンサルファームやメーカーの営業企画などを経て、株式会社トライエッジを設立。【著書】「営業は仕組みで9割決まる」