従業員の日々の動きを把握するために、日報を導入している企業は多数あります。仕事でパソコンを使うことが一般的となり、手書きなど完全にアナログな形での日報提出を義務付けている企業は減ってきましたが、個人のローカルな環境で報告内容を作成し、メール等で上長・チームメンバーなどごく限られた人にのみ情報共有をしているという企業も少なくないのではないでしょうか。今回はCRMを導入するメリットの一つとなる、日報入力や提出を効率化する方法についてご紹介します。
この記事の目次
1 日報作成は企業にとっても重要!日報を作成する意味や目的は、従業員、特に新入社員や遠隔で仕事をしている営業担当、リモートワーカーの行動を把握することが一番大きな理由として考えられますが、それだけではありません。
各々が毎日記録した日報は、企業にとっても重要な情報の宝庫となります。
たとえば、従業員が得たノウハウや顧客情報などを、日報を通じて社内に共有することができます。
また、周囲が日報を日々チェックすることで、のちにトラブルにつながりそうな兆候をいち早く察知し、対応することができます。
日頃の悩みや解決方法を発信するコミュニケーションツールにもなりうるでしょう。
日報によって過去の情報を貯めておくことで、部下や自分自身の行動を振り返り、分析して今後の仕事のしかたや部下の育成に生かすことも可能になります。
しかし、日報の入力や提出、管理をする上で、課題も多いのではないでしょうか。日報を書く「担当サイド」と、日報をチェックする「管理サイド」に分けて考えてみましょう。
日報の入力や提出は、作成する担当サイドからすると「面倒くさい」――そんな印象があるかと思います。
日報の作成自体は、パソコンを使えば手書きよりもかなり時間短縮されるようになりました。エクセルやメールに直打ちで作成する場合も、日報専用のテンプレートを用意してそこに書き込むようにすれば、そこまで手間のかかることではありません。
しかし、提出にはまだ課題がありそうです。たとえば、日報を個人のローカル環境で作成し、ファイルを保存し、題名を付け、そのファイルをメールに添付して上司に送信する、というのが提出にかかる一連の作業だとすると、毎日5分ほどかかってしまうと考えられます。1回5分で済むとは言え、毎日となると1ヶ月に100分以上その作業に費やすことになってしまいます。
日報を管理する側からしても、課題点は多く考えられます。これも、担当サイドの課題と同じように、個人のローカル環境で日報を作成してメールなどで提出させているケースについて考えてみましょう。
まず、日報の提出がワンストップで行えないことによる提出率の低下が考えられます。これにより、管理側にも、提出していない社員に対して確認をしなければならない、共有されるべきデータが集められない、などのデメリットが発生してしまいます。
また、ローカル環境で作ったファイルを送信してもらう形式だと、過去のデータをさかのぼって閲覧したり集計したりするには、時間を取られ苦労してしまいます。「あのファイルどこに保存したっけ」「〇月〇日ごろの〇〇さんの日報だった気がする…」と曖昧な記憶をたどってデータを探すのに膨大な時間を費やしてしまった経験がある人もいるかもしれません。
さらに、メールやfacebookなどのグループで日報の投稿を義務付けている場合、誤送信などによる情報漏洩のリスクも危惧されます。の入力や提出にCRMを導入することにより得られる効果とは
従来のローカル環境をメインとした作成・提出だと、課題点が多い日報システム。日報にCRMを導入することで、どう効率化されるのでしょうか。こちらも担当サイドと管理サイドに分けて考えてみます。
CRMを日報に導入することで、パソコンの使用で楽になった入力をさらに簡略化することができます。特に、項目やレイアウトのカスタマイズが柔軟にできるCRMを使用すると、日報の入力に特化したフォーマットやカレンダーとの連携などが可能になるので、日々の入力業務負担が少なくなります。
また、こうしたサービスのほとんどがスマホ対応のアプリを提供しているため、こちらをインストールすることで、パソコンとスマートフォンの両方から時間や場所を選ばず、すきま時間を利用して入力することが可能です。
従来の日報作成で一番の課題として考えられていた「提出」も、CRMを使えば、必要項目への入力後に「保存」ボタンを1クリックで完了することがほとんどです。毎日5分かかっていた作業がたった数秒で済むようになれば、月間や年間単位で見たとき大幅な作業時間の短縮となります。
日報管理にも、CRMを導入することで得られるメリットが多数あります。
まず、CRMを使うことで日報の入力や提出にかかる作業が簡略化されるため、日報の提出率アップを期待することができます。また、提出された日報を社内で共有することが容易になるため、日報を介した情報共有の活発化が見込めます。
さらに、日報に記録された情報を集計したり、過去のデータを検索したりといったこともCRMを導入することで簡単にできるようになります。
これまでのメール等を使った提出方法だと不安があった情報漏洩も、社内共有に使われるCRMを使うことで、グッとリスクを軽減することができます。
具体例として、Zoho CRMを使って日報の作成と提出をした場合についても、簡単にご紹介していきます。
Zoho CRMでは、指定したCRM内の項目を条件指定して集計することができる「レポート」機能があります。これを日報報告に必要な項目のみを集計するように設定しておきます。さらにZohoではこのレポートを指定した送り先に自動で送信するように設定できます。毎日同じ時間に送信する設定をしておけば、従来の課題だった「提出」の手間を省くことができ、提出率のアップも望めます。これまでバラバラに提出されていたデータをレポートとして一覧で見ることができる点も便利です。
また、Zoho CRM上で日報を作成すると、顧客のデータと日報のデータを連動して管理することができます。そのため、日報のデータをより効果的に営業に生かすことができ、データの検索も容易になります。
さらに、Zoho CRMは、Googleカレンダーなど他のカレンダーアプリとも連動することができます。たとえば、Googleカレンダーに入力されているスケジュールに、Zoho CRMから訪問内容を入力することなども可能です。もちろんスマートフォンからも入力が可能なので、「エクセルで日報を作るためにわざわざパソコンを開かなければならない」といった手間からも解放されます。
日報は、企業によっては毎日当たり前に行われるルーティンワークになってしまっていて、特に改善が図られてこなかった点かもしれません。
しかし、日報作成や提出にCRMをうまく導入・運用することによって、毎日発生するこのルーティンの作業を大幅に短縮することができます。
また、日報に蓄積された情報やノウハウを共有したり、集計したりして有効的に活用することが可能になります。
企業の規模や予算に合わせてCRMを導入して、普段何気なく作成やチェックを行っている日報をより使いやすく意味のあるものにしてみませんか。
弊社ではこうしたCRM / SFAの導入による日報や営業報告の効率化に関しても、貴社の課題の整理から設計、そしてどのように定着させていくべきかについてのコンサルティングを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。