展示会で集めたリード(見込み顧客)に対するフォローアップは、ビジネスを成長させるために不可欠な要素です。しかし、実際には営業各個人がバラバラにフォローをしていたり、フォローの必要性は感じていてもどう手を付けたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、「展示会のアフターフォローで重要なポイント」「成功につながる10のチェックリスト」を紹介します。
ここで紹介するヒントを活用して、展示会の顧客との関係を強固に発展させていきましょう。
この記事の目次
1 展示会後のアフターフォローで重要なポイント展示会のアフターフォローでは以下の3つのポイントが重要です。
展示会に来場された方のうち、ほとんどはすぐ商談にはつながらない、ニーズの弱いリードです。実際、
といったデータもあります。そのため、中長期的なフォローを続け、時間をかけて商談へと繋げていくことが必要です。
ですが、この中長期的なフォローには難しさもあります。どのような内容にするか、いつフォローを実施するかなど検討すべきことが多く、その管理が負担になるという場合がほとんどです。
そのため、リード情報の一元管理やメールの自動送信など、業務の負担を軽減するためのCRM/MAツール導入が有効です。
リード管理の環境を整備し、情報の保管・更新を行うことで、顧客のニーズや購買意欲などを把握でき、より効果的なアプローチも可能になります。
展示会のアフターフォローは、当日もしくは翌日から始めるのが理想的です。顧客が自社を覚えているうちにフォローを始めることで、より良い関係を築きやすくなります。
しかし、早急にアフターフォローを実施するには、事前の準備が必須です。
など、展示会後に慌てなくてもいいように準備しておきましょう。
アフターフォローはメールがおすすめです。メールを使えば、大量のリードに少ない手間で迅速にアプローチが可能です。電話だと1日にかけられる数にも限りがあり、全てのリードをフォローしようとすると何日もかかってしまいます。
メールであれば、定期的に配信をすることで今は温度感が低いリードとも中長期的に接点を持ち続けやすいというメリットがあります。
一方で、温度感が高いリードに対しては、直接やりとりをして課題や要望をヒアリングできる電話が効果的です。リードの確度に合わせて、適切な手段を選んでいきましょう。
展示会のアフターフォローを成功させるためにチェックすべき項目を10個ご紹介します。展示会開始前の準備の段階で全て満たしているかを確認し、アフターフォローを成功させましょう。
まずチェックしたいのは、適切なKPIを設定できているかどうかです。
KPIは、目標(KGI)への達成に向けて定める目標値です。
例えば、目標(KGI)が「展示会で1件受注する」だとしましょう。KPIには、それに到るまでの具体的な行動を設定します。先ほどの目標の場合、
といった内容がKPIとなります。
こうしてKPIを明らかにしておくことで、
名刺交換時に温度感の高い顧客には、その場でアポを設定する
獲得した名刺を属性ごとに分け、それぞれに適切な内容のアフターフォローメールを送る
といった、必要なアクションを具体的に設定できるようになります。
続いてチェックしたいのが、アンケート設計ができているかどうかです。展示会の際に各ブースで説明員が各々対応するだけでなく、ヒアリング時に使うアンケートの質を高めることで、展示会中のリード獲得数向上も見込めます。
アンケートでは、聞きたいことを何でも尋ねれば良いわけではありません。アフターフォローに活用できるよう、リードのセグメンテーション(分類)に関する項目を盛り込み、相手が回答しやすい設問数にすることが大切です。。
具体的にはニーズや購買意欲の強さを知るための質問は必須で入れておきましょう。
また、自社のプライバシーポリシーに基づく個人情報の利用目的も載せておくと良いでしょう。近年は情報セキュリティに敏感な企業やビジネスパーソンが増えています。そのため、プライバシー管理が充分に行われていることを明らかにし、相手に安心してもらうことも大切です。
1度の展示会で獲得する名刺は数百~千枚以上におよぶこともあります。そのため、名刺情報をデータ化する環境が社内にあるかどうかは確認しておきたいポイントです。
など、名刺情報をデータ化して管理できるツールを検討しても良いかもしれません。人員が確保できるのであれば、優先度の高い名刺情報だけ手動でデータ化するといったことも有効です。
リードの性質に合ったアフターフォローを実施するためにも、事前にセグメント基準を設定しておきましょう。この基準を判断するためにもニーズの強さはアンケートの項目として必要になります。
具体的には
Aセグメント:すぐ商談化する可能性が高い見込み客
Bセグメント:今後、商談化する可能性が高い見込み客
Cセグメント:今後、商談化する可能性が低い見込み客
Dセグメント:営業対象外(学生など)
など、ニーズや購買意欲で分類することが一般的です。
なお、セグメント基準や獲得したリードの管理方法については、以下の記事でも詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
アフターフォローは、リードの購買検討フェーズ(購買意欲の強さ)に合わせてアプローチを変えた方が効果的です。
そのため、事前に購買意欲の段階ごとにフォロー内容を用意しておきましょう。
「複数用意するのは面倒」「同じメール文章で良いのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、まだ購入意欲が高くないリードに対して積極的な行動を促す内容を送ると、逆効果になりかねません。
さきほどのセグメントに合わせて、フォロー手段(メールなのか電話なのか)とアプローチする内容(商談を促すのかホワイトペーパーなどの情報提供を行うのか)をまずは設定してみましょう。
リード獲得→リードをセグメント→セグメントごとにアフターフォロー
といった流れが重要となります。
展示会後のアフターフォローはそれ自体が目的ではありません。リードを商談につなげ、成約までつながってはじめて意味を持ちます。
リードのセグメントに合わせて、商談までどういったアクションを促すのかを決めておきましょう。
例えば
Aセグメント:すぐ商談化する可能性が高い見込み客
→製品資料とともに商談を打診。商談へのハードルを下げるために無料デモも打診。
Bセグメント:今後、商談化する可能性が高い見込み客
→リードの役に立つテーマのセミナーへの招待や導入事例を送付。
といったように、フォローを商談につなげ、成約させる導線についても細かく検討しておきましょう。
リードを商談化するには、アフターフォローで魅力的な特典を提示し、リードにメリットを感じてもらうことが大切です。特典によって、商談化になる確率が大きく上がるケースも。
など、リードが興味を持ってくれるような役に立つコンテンツを用意しましょう。
大量の新規リードを円滑にフォローするためには、あらかじめ担当者を決めておくことが肝心です。とくに近年は、オンライン展示会の普及で一度に獲得できる顧客数が増加傾向にあります。充分に人員を配置していないと、せっかく獲得したリードに対して適切なフォローが出来なかった、という結果になってしまうかもしれません。
また、円滑なフォローには業務体制などの見直しだけでなく、ツール導入による業務の効率化も有効です。
アフターフォローで商談につなげるには、継続的にアプローチを実施する体制が必要です。展示会のように大量のリードを一度に獲得する場合には、顧客情報を一元管理できる「CRMツール」の導入もおすすめです。フォローの進捗やコンタクトの履歴などを把握・更新し、効率的かつ適切なアプローチに役立てられるでしょう。
展示会は出展準備が大変なため、準備を担当している部署に情報が集中してしまい、その後フォローをする営業メンバーへの事前共有が十分にできていないということも起こりがちです。
ただアンケートを渡してこれをヒアリングしてほしいといった業務指示だけでなく、なぜ展示会に出るのか、KPIはなんなのか、アンケートはどういう意図で作成していてこのあとどういったフォロー施策があるのかといったことを共有しましょう。
リードの情報がスムーズに受け渡されることで、フォローが重複してしまうといったトラブルを避け、商談の成功率も向上するはずです。
アフターフォローは展示会後すみやかに開始する必要があります。そのためには、事前にしっかりと準備をしておくことが肝心です。
今回ご紹介したチェック項目を活用して網羅的な準備を行い、リード獲得からフォロー、商談・成約まで、一貫して最適なアプローチを実施してみてください。展示会の効果が最大化されるはずです。
なお、株式会社トライエッジでは、HubSpotやZohoを用いたSFA/CRM/MAの導入/運用支援を行っています。システム導入が目標となる通常のサービスとは異なり、導入後の運用からお客様の成果が出るまでを支援する伴走型のサポートです。
顧客管理に便利な各種ツールにご興味のあるご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。