HubSpot CRMを使って顧客情報や商談を複数人で管理していると、似通ったデータが複数存在し正のデータがわからなくなってしまうことがあります。この記事では、特に重複データが作られやすい「企業情報」の統合方法について紹介していきます。
この記事の目次
1 HubSpotで重複した企業情報を統合する前に確認しておきたいことHubSpot上にある企業情報の統合方法について説明する前に、覚えておきたい用語や全体について紹介します。
HubSpotをはじめとしたCRMなどのツール上でデータを統合することを「マージ」(Merge)と言います。HubSpot上でもマージという用語が使われていますので、覚えておきましょう。「マージ」は企業情報だけでなく、担当者の情報であるコンタクトや取引(=Deal)でも利用することができます。
今回は、会社情報を例にとって具体的な方法を説明していきますが、基本的な手順はコンタクトや取引でも同様です。
データの統合は一度に2つのデータに対してしか行うことができません。したがって、重複したデータが3つ以上ある場合は、2つずつ統合を行い、1つのデータにまとめる必要があります。
たとえば、
の3社を統合したい場合、株式会社Aと株式会社Bを株式会社Aとして統合し、株式会社Aと株式会社Cを統合する、ないしは、株式会社Bと株式会社Cを株式会社Bとして統合し、株式会社Aと株式会社Bを統合する、といったようにステップを踏んでひとつに統合する必要があります。
HubSpotでデータを統合した際、引き継がれる情報と引き継がれない情報があらかじめ決まっています。この仕組みを理解した上で、どちらをもとのデータにするのかを決めて統合作業を行う必要があります。
※ここでは、統合したあとに残る企業を統合先企業(プライマリー企業)、統合したあとになくなる企業を統合企業(セカンダリー企業)と呼びます。
企業データを統合した際は、原則として最新のデータが残る仕様になっています。たとえば、郵便番号などは統合先企業(プライマリー企業)、統合企業(セカンダリー企業)の両方のデータのうち、作成もしくは更新日時の新しいデータが引き継がれます。
しかし、以下のデータに関しては、どちらが優先されるかが決まっています。
ドメイン | 統合先企業(プライマリー企業)のものが優先されます |
ライフサイクルステージ | ファネルの最も先に進んだステージが維持されます。たとえば、片方の会社が「リード」で、もう一方が「顧客」の場合、統合後の企業ではライフサイクルステージが「顧客」となります |
作成日 | 古い会社の値が維持されます |
アナリティクスのプロパティー | 両方の企業の合計ページビュー数と訪問数が表示されます |
アナリティクス – オリジナルソースタイプ |
オリジナルソースのプロパティーの最も古い値が残ります |
また、統合先企業(プライマリー企業)で空欄、統合企業(セカンダリー企業)で空欄ではないプロパティは、統合企業(セカンダリー企業)の値が上書きされます。
一度データが統合されてしまうと、統合された企業(セカンダリー企業)の情報を再び分割することはできません。したがって、統合する際には、細心の注意を払う必要があります。
統合作業を行う際には、一度バックアップとしてデータをエクスポートしておくと安心です。ただし、その場合でも、自動的に付与される情報などをもとに戻すことはできませんので、しっかり仕様を理解しておきましょう。
企業情報には、担当者の情報であるコンタクトや、案件の情報を表す取引が紐付いている場合が多くあります。そういった情報は統合した際、どのようになるのでしょうか?
統合企業(セカンダリー企業)に関連付けられているコンタクトや取引は、統合によって統合先企業(プライマリー企業)に関連付けられます。したがって、関連付けられているコンタクトや取引の数は、もともと関連付けられていたコンタクトや取引の数+統合企業(セカンダリー企業)に関連付けられているコンタクトや取引の数、ということになります。
では、ここからは実際に企業情報を統合する手順について説明していきます。今回は、企業情報を統合しますが、統合する企業はわかりやすく
という企業名で作っていきたいと思います。
企業・取引・コンタクトの構成は以下のようになっています。
これを統合すると、統合先企業(プライマリー企業)が残り、統合企業(セカンダリー企業)関連づいている取引やコンタクトや統合先企業(プライマリー企業)に関連付けられるはずです。
まずは、最終的に残したい企業(=ここでは統合先企業)の詳細ページを開きます。
左上にある[アクション]から[マージ]を選択します。
すると以下のようなポップアップがでます。この左側が統合企業(セカンダリー企業)で右側が統合先企業(プライマリー企業)となります。
検索の箇所より、統合企業を選択します。ここでは、統合企業(セカンダリー企業)を統合させたいので、「統合企業(セカンダリー企業」を検索して、選択します。
右側が統合先企業(プライマリー企業)、左側が統合企業(セカンダリー企業)であることを確認したら、左下の[マージ]を押します。押した瞬間にマージ作業が発生します。
これで統合作業が完了です。統合先企業(プライマリー企業)が残り、統合企業(セカンダリー企業)は消滅しました。統合企業(セカンダリー企業)に関連付けられていたコンタクトや取引は統合先企業(プライマリー企業)に関連付けられました。
HubSpotには、今回ご紹介した以外にもさまざまな使い方や活用方法があります。CRMの基本的な機能は無料で使用でき、自社の営業やマーケティング、カスタマーサービスの業務スタイルに合わせて、必要な要素を選んで設計できる点が魅力です。
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