CRM Letter

SFA / CRMの導入にあたってどこまで業務フローに合わせるべきか?追加の開発はどうすべきか

作成者: Sanshiro Nakano|2024/04/08 0:46:54

SFA/CRMを導入する際に、最初に行うのが「SFA / CRMの基本設計」ですが、導入にあたっては、この部分に苦労される方が多いように感じます。

具体的には

  • 現在の業務フロー合うシステムがなく、なかなか導入するべきシステムが決まらない
  • 営業現場からの要望を集約するの時間がかかる
  • 導入予定のシステムでは、集めた要望を満たすことができず、追加開発の時間や費用がかかってしまう

といったケースです。

当サイトでも以前「CRMの導入はシンプルにすべき3つの理由」という記事で取り上げましたが、SFA / CRMの導入で最も失敗する理由としてあげられるのが、現場の要望を聞きすぎて、SFA / CRMが複雑になり、コストも掛かってしまった挙げ句、結局複雑なシステムになってしまって、営業現場が使いこなせいないという現象です。

CRMの導入はシンプルにすべき3つの理由

2019-07-05

SFA / CRMシステムの導入にあたっての設計はシンプルにすべきですが、そこで重要なのは

基本設計自体を既存システムに合わせる

という考えた方です。ここで言う、基本設計とは何を表現しているのか…具体的に事例で見ていきましょう。

 

人材派遣会社のSFA / CRMの導入にあたって、営業日報をどうするのかが課題となった

今回、具体例として挙げるのが、人材派遣会社となります。

この人材派遣会社10名程度で組織されている営業チームをもっており、営業生産性を向上させるためにSFA / CRMの導入を検討していました。

それまでその営業チームでは、各メンバーの顧客情報の管理は営業マン任せで、誰がどの企業へどんな営業をしているのかがわからず、重要な営業情報も蓄積がされていませんでした。

そういった中で、SFA / CRMの導入を目指していたのですが、その中で課題になったのが紙で作成されている営業日報でした。その会社では営業マンが営業日報を毎日上長に提出しており、その日に何があったのか、課題は何かを報告していたのです。

この営業日報という制度は、その営業チームにとってはとても重要で、営業活動を行う上で欠かせないものでした。上長はこの営業日報をもとに各営業マンの行動を把握しており、案件の状況や売上予測などもこの営業日報だよりでした。

そのときに導入をしようとしていたSFA / CRMには、営業マンの活動を集計したり顧客の情報を蓄積する機能は十分にあったものの、営業日報というフォーマットは無く、これまでと全く同じように情報を集約する機能がありませんでした(基本的にSFA / CRMには営業日報というような画一的なフォーマットがないことが多い)。

この人材派遣会社は、そのSFA / CRMに従来と同じ形での「営業日報」を導入したいと考え、追加でこの営業日報制度を実現できるよう、開発をお願いしたいと弊社に相談があったのです。

 

SFA / CRMの導入にあたっては「業務フローに合わせる」ではなく「システムに合わせる」

こういった場合に具体的にどのように対処するのかについては、概ね下記のどちらかの選択肢になります。

  1. 現行業務フローに合わせてSFA / CRMを開発する(SFA / CRMで営業日報を作成できるようにする)
  2. 既存の機能の範囲内で運用を行う

この場合、多くの企業が「現行業務フローに合わせてシステムを開発する(システムで営業日報を作成できるようにする)」を選択しようとするのですが、本当に現行の業務フローにあわせなければならないのかについて、しっかりと考える必要があります(この場合、SFA / CRM上で営業日報を作成できないければならないのか)。結論から言うと、今回事例として挙げた人材派遣会社は、2の「既存の機能の範囲内で運用を行う」を選択して全く開発を行わずに現場へのSFA / CRM導入に踏み切りました。

では、どうして「既存の機能の範囲内で運用を行う」という選択をすることができたのでしょうか。

その理由は、この人材派遣会社で使っていた営業日報の真の目的に起因します。

「営業日報」の目的は「各営業マンがどういった活動をしているのか、どういった案件を本日獲得したのか」といった情報を、営業責任者が営業マンごとに集約し、次の打ち手を営業組織として考えるための材料とすることです。逆に言えば、これらの情報が必要な責任者にキチンと集約され、次の打ち手が分かれば十分だと言えます。これは、営業日報がなくても別の方法で目的を達成することも可能です。

この人材派遣会社の場合、SFA / CRMに備わっている営業活動・商談活動の集計機能を活用することで、営業日報を廃止することが出来ました。

廃止した当初は「営業日報」が無くなったことによって、一部の営業マンから反発が生まれましたが、SFA / CRMの運用が軌道に乗ると、他の情報で十分代替できることが分かってきました。実際にその後、その人材派遣会社の営業チームは問題なく営業活動を行えており、大きく営業成果を伸ばすことに成功しています。

 

 

SFA / CRMに業務フローを合わせるのか、業務フローに合わせてSFA / CRMの開発を行うのかを判断する基準は何か?

では、どういう場合に、SFA / CRMに業務フローを合わせるのか、業務フローに合わせてSFA / CRMの開発を行うのかを判断すればよいのでしょうか?

もちろん、これは全ての場合に当てはまるわけではなく、ケースバイケースで判断する必要があります。しかし、私たちは以下のような判断基準で考えています。

その業務フローは”代替の効かないもの”もしくは”無いと致命的なもの”か

他で代替ができる」「あったら便利」といったものであれば、SFA / CRMのシステム構成を優先すべきです。

多くの場合、この基準で考えると「開発するほどのものではない」ことが多く、何らか回避策がある場合がほとんどです。

SFA / CRMの導入を検討する際に「こういった機能が実現できないか」といった要望が上がるかと思います。その要望をすぐに叶えるのが難しい場合は「それは本当に必要な致命的に需要な業務フローなのか」をしっかりと確認をして、判断をすることが非常に重要です。

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