SFA / CRMの基礎。今回は第五回目です。
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前回の第四回では、「デシル分析」を解説いたしました。
デシル分析では、顧客の過去の購買データをもとに取引金額の高い順に10等分し、それぞれのカテゴリの購入比率や売上高構成比を算出することで、注力すべきグループを明確に、マーケティング施策に活かすことができると紹介しました。
デシル分析は顧客を大まかに分類するという意味では、計算自体も複雑ではありませんから、手軽に行うことができる手法だと言えます。
一方で、この分析では「顧客の購入頻度」や「最後に顧客が購入をしてからどのくらい時間が経過しているのか」といった、「顧客の購買行動」の要素が入っていません。実際に顧客の購買状況をより細かく把握しようとするならば、こういった情報もあわせて考慮に入れる必要があります。
そこで使われるのがRFM分析と呼ばれる分析手法です。この手法では、顧客の購入金額以外の要素である「購入頻度」や「最新購入日」といった要素が分析対象となるので、より細かな顧客の動向を把握することができます。
要素が増えることによって「デシル分析」と比べてやや複雑になりますが、顧客動向を知るために世界的に使われている有効な指標ですので、是非覚えておきたいところです。
RFM分析とは、下記3つの要素を分析する手法のことです。RFMは、その3つの要素の英語表記の頭文字を合わせたものとなります。
RFM分析では、この3つの指数を用いて分析を行っていきます。
実際に見ていきましょう。
RFM分析手法は複数ありますが、今回はシンプルな方法をご紹介します。
まずはじめにやることは、RFMそれぞれの基準を決定することです。たとえばR(最新購入日)について基準を3段階で決める場合、下記のように行います。
ランク1 購入1ヶ月未満
ランク2 購入1ヶ月以上3ヶ月未満
ランク3 購入3ヶ月以上
これらのランクは、ある程度均等に散らばるように設定することがポイントです。一部のランクだけが極端に少ない場合などは、基準を変更する必要があります。
ランク1が重要な顧客となりますし、ランク3は最も重要度が低いことになります。
同じようにFとMについてもランクを設定します。下記の表は一例です。
各ランクは得点を設定することが必要です。
今回は3つのランクに分けていますので、ランク1が3点、ランク2が2点、ランク3が1点です。
分析に使う顧客データを準備します。この際、RFMに関する情報をデータに付与しておきましょう。
実際に並べてみると下記のようになります。
手順1で各ランクに得点をつけましたが、それを手順2で準備したデータに当てはめていきます。こうしていくことによって、顧客ごとに得点が振られていくことになります。
R/F/Mについて得点を割り振ったら、最後に合計得点を計算します。
顧客に得点が割り振られたら、得点ごとに顧客をカテゴリー化します。今回の例で言えば一番高い得点の顧客が9点で、一番低い顧客が3点ということにります。
最も高い9点の顧客は、最近も購入してくれており、購入回数・購入金額も多い最も重要な常連顧客ということになります。こうした顧客には、引き続き利用してもらえるように手厚い顧客サポートを実施したり、そういった顧客限定のサービスなどを展開することが有効でしょう。
一方で最も低い3点の顧客は、しばらく購入をしてくれておらず、購入回数・金額ともに低い顧客になりますから、もっとも結びつきが弱いと判断できます。何らかの手段で掘り起こすという考え方もありますが、自社のマーケティング予算が限られる場合には、後回しにするというのも選択肢のひとつとなります。
顧客の分類は、1点ごとに分ける必要はなく、たとえば9〜7点を重要顧客として6点以下を通常顧客にする、などといった分け方も有効です。
今回ご紹介したRFM分析は、ご理解いただけましたでしょうか。RFM分析の手法は他にも複数存在しており、さらに精緻な分析をすることも可能です。
RFM分析を活用して重要顧客を明確にし、既存取引中の顧客との関係性を向上していきましょう。
RFM分析といったデータ解析作業には、上記のような知識を兼ね備えた人材を配置し、解析作業に時間を掛ける必要があります。
一方で、我々が取り扱っているZoho CRMでは、RFM分析が機能として備わっており、営業活動を通じて蓄積されたデータを基に、分析を行うことができます。Zoho CRMを活用すれば、データ分析に費やす時間やコストを大幅に削減が可能です。
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