営業企画が営業組織を動かし、ゴール達成まで導くためには、関係する部門との協力関係をいかに築きあげるかが鍵となります。
そのためのコミュニケーションとは一体どのようなものか、そしてそのコミュニケーション力を高めていくためにはどうしたらいいのかを解説していきます。
(前回の記事 【第4回】テクノロジーの前線―ITを駆使する営業企画のDX推進力―)
この記事の目次
ビジネスでのコミュニケーションは、利害関係が異なるメンバーを動かすためにも、正しく行う必要があります。
コミュニケーションを行う上で基本的に押さえておくべきは、5W1Hです。
Why・・・なぜ行うのか
What・・・何を行うのか
Where・・・どこで行うのか
When・・・いつ行うのか
Who・・・誰が行うのか
How・・・どうやって実行するのか
という点です。
営業企画が施策を立案して、営業組織に実行を促す場合にも、この5W1Hが正しく設定され、営業現場に伝わらなければ意味がありません。
ここで最も大事なのはWhyです。「なぜ」という部分になりますが、この施策は「一体なぜ行うのか」という部分については、しっかりと説明をしていく必要があります。
営業戦略上自社にどういった課題があり、それをなぜ今改善しなければならないのか。ここがあいまいでは、指示をされたほうが納得して行動をすることはできません。
逆に言えば、ここが曖昧な場合は施策そのものが必要なのかを確認する必要があります。
また、コミュニケーションは「個」と「組織」に分けて考えると良いと思います。個は営業企画という立場を前提にした、各部門への個人としてコミュニケーション。組織は営業会議などを通じたメッセージを組織全体に浸透させるためのコミュニケーションです。
営業組織として、重要なコミュニケーションの場は「営業会議」でしょう。
営業会議をどう進めたらいいのか、という点については様々な書籍なども出ていますので、意見は色々とあるところですが、大まかにまとめておくと下記のルールが有るように思います。
会議は不定期では意味がありません。週に一回、もしくは隔週に一回の割合で開催するのがおすすめです。営業会議はよほどの予定がない限り欠席は認めず、基本は参加を必須にするようにしましょう。
議論や課題設定は、すべて数字に基づかなければ意味がありません。「先月よりも少し良い」とか「顧客は以前より満足している」といったような発言は、根拠に基づいていない曖昧な感想であり、営業会議ではあまり使わないほうが良いでしょう。
営業企画としては、こういった会話ができるように営業会議において議論するための必要な数値をしっかりと営業チームに提示しておくことが必要です。
営業会議を開催する前に、営業現場では何が課題になっているのかを営業企画はある程度目星をつけておくことが重要です。実績値などに基づいて、現状を改善するための施策などの候補をいくつか洗い出しておき、営業責任者とは営業会議前にある程度すり合わせておく必要があります。
会議では必ずToDoを決めることが必要です。そして次回会議では前回決めたToDoがきちんと行われたかどうかを確認することも重要となってきます。
ToDoは「いつまでに誰が何をするのか」を明確にしましょう。
1. 前回のToDoの確認 2. 数字進捗(売上目標・行動目標に対する現在地と進捗状況の確認) 3. 課題の明確化とそれに対する解決策の議論 4. 次回までのToDoの設定 5. 各種連絡事項 |
会議には、司会者・議事録担当・タイムキーパーがいるとよいでしょう。
時間配分としては3を一番手厚くしたほうが良いと思います。
いかがでしたでしょうか。
こういったコミュニケーションは、口で言うのは簡単ですが、実践するとなるとなかなか難しいものです。
一方でコミュニケーションは組織にとっての血液のようなもので、必要不可欠と言えます。営業企画としては、組織のコミュニケーションを適切に取ることで営業組織を活性化させることが可能です。
今回取り上げた内容を参考にして、適切にコミュニケーションをとっていただければ幸いです。
営業組織が目標達成を果たすために、営業企画は様々な役割を果たしていくことになります。
本シリーズでは営業企画の具体的な役割を事例などを活用しながら解説していきます。
<営業組織の舞台裏(全5回)> |
今回が最終回でしたが、皆様の参考になりましたでしょうか。弊社ではこのシリーズの考え方に基づいて、営業・マーケティングのご支援をしております。
記事の内容に共感していただいた方、営業企画について課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。