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HOME MEDIA 営業・インサイドセールス 2024年4月8日

営業DXとは?成功させる3つのポイントと、つまずく3つの課題

営業DXを成功させる鍵は、経営戦略の一環として位置づけること、データ収集と分析の目的を明確にすること、推進役を営業側とIT側の2人に分けて配置することの3点です。営業現場からの抵抗・スキル不足・予算の確保という3つの課題とその対処を、トライエッジ代表の中野が実務の視点から整理します。

営業DXを成功させる鍵は3点です。 経営戦略の一環として位置づけること、データを集めて分析する目的を明確にすること、そして推進役を2人に分けて配置することです。

現場の工夫だけで進めようとすると、部門をまたぐ調整で必ず止まります。 営業DXは営業部門だけでなく、情報システム部門や業務部門にも影響が及ぶためです。

つまずくのも3箇所に決まっています。営業現場からの抵抗、スキル不足、予算の確保です。この記事では、その3つへの対処もあわせて整理します。

中野三四郎

執筆者

株式会社トライエッジ代表 中野三四郎

営業DXとは何か

営業DX(Digital Transformation)とは、営業活動においてデジタル技術を統合し、効率を向上させ、顧客との関係を強化する取り組みを指します。

限られた人材で営業組織が高いパフォーマンスを出すために、営業組織のデジタル化とその活用を見据えた営業DXは必要不可欠になっています。日本の営業組織の生産性についてはマッキンゼー・アンド・カンパニー社による調査も公開されています。

営業DXは、次の3つによって実現されます。

1. デジタル技術を活用すること

従来のアナログな手法から、デジタル技術を活用したビジネスプロセスへ改善します。CRM/SFAなどの営業支援システムをはじめ、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能(AI)などが含まれます。

2. データにもとづいて顧客へアプローチすること

データドリブンとは、蓄積されたデータをもとにした意思決定や行動を指します。

自社のビジネスに関連するデータを収集・分析し、そこから得られた見立てをもとに、意思決定をより合理的かつ戦略的に行えるようにすることが重要です。

3. 顧客満足度を高めること

デジタル技術を使って、顧客に対してよりパーソナライズされたコミュニケーションやサービスを提供し、購買体験を向上させます。

営業DXは、単にITツールを導入することではありません。 デジタル技術を使って顧客データを効率的に集め、そのデータを活用することで実現されます。SFAで扱うデータの管理方法はSFAを活用すると何ができる?にまとめています。

つまずく3つの課題と対処

1. 営業現場からの抵抗

課題:営業DXは、これまでのプロセスの一部、場合によっては大半を変える必要が生じます。業務プロセスを変更すると、大小さまざまな抵抗が発生します。

対処営業DXを行うことによる利点を明確に提示してください。 プロセスを変える以上、一定の業務的負荷が発生することは避けられません。そのうえで、なぜ営業DXを「今」行う必要があるのか、完了した場合にどのような利点が営業現場にもたらされるのかを示します。

入力を増やすところから始めると必ず反発します。 報告資料の作成が楽になるといった見返りを先に見せてください。

2. スキル不足

課題:新しいデジタル技術を導入するにあたり、スキルが不足しているケースがよくあります。というより、はじめから営業現場にスキルが備わっているケースのほうが稀です。

対処:ITツールに対しては、適応できる社員とそうでない社員に分かれます。一定規模の営業組織では、適応できない社員へのフォローが欠かせません。有効なのは次の3つです。

  • 導入するITシステムの導入範囲を限定して、徐々に拡大する
  • 社員のトレーニングプログラムを設け、柔軟に質疑応答できるようにする
  • 操作マニュアルを作成し、いつでも閲覧できるようにする

全員が同じレベルになるのを待つと、いつまでも始まりません。

3. 予算の確保

課題:新しいテクノロジーの導入には一定の予算が必要です。一方で営業活動はデジタルを使わなくても一定は行えるため、予算を申請するための理由が求められます。

対処その効果を見積もって示してください。 効果は大きく分けて「売上の向上」と「業務の効率化」の2つになります。どういった効果があるかは、同様の事例を調べたり、ITベンダーにヒアリングしたりすることで把握できます。

最初から全社分のライセンスを取ると、使われないまま費用だけが出ます。一部の部門で数値の改善を出してから、社内の合意を取ってください。

これらの課題に対処することで、営業DXの導入は進みます。進化する状況に柔軟に対応し、絶え間ない改善と学習のサイクルを確立することが鍵となります。

成功させる3つのポイント

1. 経営戦略の一環として位置づける

営業DXは一部の部門ではなく、社内のさまざまな部署に影響がある施策です。導入にあたっては、経営チームに次の2点を明確に理解してもらう必要があります。

  • なぜ営業DXを行うのか
  • 営業DXを行うことによってどんな成果を上げるのか

また、始めるにあたっては、経営チームからその内容を全社に告知してもらう必要があります。

2. データ収集・分析の目的を明確にする

営業DXの中核は、収集したデータの分析と活用です。そのため、次の2点を明確に定義する必要があります。

  • データを活用してどんな課題を解決するのか
  • 課題を解決するためにはどんなデータが必要なのか

この定義を怠ったまま進めると、このデータは何のために集めるのか、集めたデータをどう活用すればよいのかが不明確となり、営業DXそのものの意義が問われかねません。

そのうえで、どんなデータをどのような手段で、どういった精度で集めるのかという具体的な施策を検討します。

3. 推進役を2人に分けて配置する

営業DXは従来の営業組織を変革するプロセスです。推進にあたっては、それに適した人材を推進チームに配置する必要があります。

一般的に、次のような人材が適しています。

  • 営業現場の実務経験があり、営業現場とスムーズにコミュニケーションを取ることができる
  • ITツールについて理解があり、導入後の活用イメージを明確にすることができる
  • ITに関する知識があり、ITベンダーとの折衝を行える

ここで重要なのは、これらすべてを1人でまかなうのは大変困難だということです。 営業現場寄りの人材と情報システム寄りの人材は異なることが多く、両方のスキルを1人で持つのは難しいと言わざるを得ません。

そこでおすすめなのは、推進担当を次の2つに分けることです。

①営業部門との調整役 ②ITベンダーとの調整役

実際の部門イメージとしては、①が営業・マーケティング部門、②が情報システム系部門になります。この2人がそろえば、必要なスキルはおおむね満たせます。

この役割を組織としてどう置くかはセールスオペレーションとは、参謀組織としての位置づけは営業企画部とはで扱っています。

まとめ

営業DXは「やるかやらないか」ではなく、「いつから取り組むのか」という視点で考える課題だと考えています。

成功の鍵は3点です。経営戦略の一環として位置づけること、データを集めて分析する目的を明確にすること、推進役を営業側とIT側の2人に分けて配置することです。

つまずくのは、営業現場からの抵抗、スキル不足、予算の確保の3箇所です。いずれも、範囲を小さく始めて効果を数字で示すという同じ対処が効きます。

営業DXには一定の時間がかかりますが、顧客データと営業データが蓄積され、それらを活用できる営業組織になれば、それは自社固有の武器になります。

トライエッジではHubSpotやZohoを用いたSFA/CRM/MAの導入と運用を支援しています。導入手順はCRM導入の流れ、支援内容はCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。

中野三四郎

執筆者

株式会社トライエッジ代表 中野三四郎

人材派遣会社に新卒入社後、一貫してマーケティング部門に従事。営業戦略の立案、SFA/CRMの企画開発・運用、顧客分析などを行う。その後、M&Aコンサルファームやメーカーの営業企画などを経て、株式会社トライエッジを設立。【著書】「営業は仕組みで9割決まる」

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FAQよくあるご質問

Q. 営業DXとは何ですか?

営業活動にデジタル技術を統合し、効率を高めて顧客との関係を強化する取り組みです。柱は3つで、CRMやSFAなどのデジタル技術を活用すること、蓄積したデータにもとづいて顧客へアプローチすること、パーソナライズした対応で顧客満足度を高めることです。ツールを入れることではなく、データを判断に使える状態にすることが本体になります。

Q. 成功させる鍵は何ですか?

3点です。1点目は経営戦略の一環として位置づけ、経営チームから全社へ告知してもらうこと。2点目はデータを集めて分析する目的、つまりどの課題をどのデータで解決するのかを先に定義すること。3点目は推進役を配置することです。現場の工夫だけで進めようとすると、部門をまたぐ調整で止まります。

Q. 推進役にはどんな人を置けばよいですか?

1人でまかなおうとしないでください。必要なのは、営業現場の実務経験があり現場と話せること、ITツールの活用イメージを描けること、ITベンダーと折衝できることの3つですが、これを1人で満たすのは困難です。営業部門との調整役とITベンダーとの調整役の2人に分け、前者を営業・マーケティング部門、後者を情報システム系部門から出す形が現実的です。

Q. 営業現場から抵抗されたときは、どうすればよいですか?

営業DXを行うことによる利点を明確に提示してください。プロセスを変える以上、一定の業務負荷が発生することは避けられません。そのうえで、なぜ今行う必要があるのか、完了した場合に営業現場に何がもたらされるのかを示します。入力を増やすところから始めると必ず反発するため、報告資料の作成が楽になるといった見返りを先に見せてください。

Q. スキル不足と予算確保はどう解決しますか?

スキル不足には3つの対策があります。導入するシステムの範囲を限定して徐々に広げる、トレーニングの場を設けて質疑応答できるようにする、操作マニュアルをいつでも閲覧できる場所に置く、の3つです。予算については効果を見積もって示します。効果は売上の向上と業務の効率化の2つに分けられ、同様の事例やITベンダーへのヒアリングから情報を得られます。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/伊能 藍子(CRM 導入・運用支援)。 2024年4月8日公開/2026年8月15日更新。

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