展示会後のステップメール:3分類と5通のシナリオ・テンプレート
展示会で集めた名刺の全員に同じメールを送っても、反応はほとんど返りません。ブースでの会話をもとに3つに分類し、分類ごとに別のシナリオを流すのが基本です。1通目を出すまでの時間、分類別の構成、そのまま使える件名と本文の骨子、送信後に見る数字までを整理します。通数より速さが結果に効きます。
展示会で集めた名刺の全員に同じメールを送ると、反応はほとんど返りません。 名刺の中には、具体的な課題を持って来た人と、通りがかりで説明を聞いた人が混ざっているためです。
やるべきことは2つです。ブースでの会話をもとに名刺を3つに分類すること、そして1通目を48時間以内に出すことです。 凝ったシナリオを組むより、この2つのほうが結果に効きます。
この記事では、分類の方法、分類別のシナリオ構成、そして実際に使える件名と本文の骨子を整理します。
なぜ展示会後のメールは反応がないのか
理由は3つあります。
1. 送るのが遅い
来場者は1日に何十ものブースを回ります。1週間後に届いたメールを見て、どの会社だったかを思い出せる人はほとんどいません。名刺のデータ化を会期後にまとめて行う体制だと、この時点で不利になります。
2. 全員に同じ内容を送っている
導入時期が決まっている人と、情報収集だけの人に、同じ会社紹介を送っている状態です。前者には物足りず、後者には重すぎます。どちらにも刺さりません。
3. 送る中身が自社の話ばかり
「弊社のサービスは」から始まるメールは読まれません。相手が知りたいのは自社の課題が解決するかどうかであり、会社概要ではありません。
名刺を3つに分類する
分類はブースで行います。 メールを設計する段階ではなく、名刺を受け取った時点です。会話の内容を名刺に一言メモしておくだけで足ります。
| 分類 | 見分け方 | 次の目標 |
|---|---|---|
| A:課題が具体的 | 導入時期や予算に言及があった/具体的な困りごとを話した | 商談の打診 |
| B:関心はあるが未定 | 話は聞いたが時期は未定/比較検討中と言った | 継続接触と情報提供 |
| C:情報収集 | 資料だけ受け取った/同業・学生など | 定期配信へ合流 |
比率の目安は、A が1割前後、B が3〜4割、残りが C です。Aだけを追ってBを放置するのが最も多い失敗です。 BはA より数が多く、数ヶ月後に動くことがあります。
分類別のシナリオ構成
分類ごとに、通数も内容も変えます。
A:課題が具体的(2通+電話)
| 通 | タイミング | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 24時間以内 | 会話のお礼と、話した課題に対する具体的な補足。日程調整の打診 |
| 2 | 3日後 | 返信がない場合のみ。近い課題の事例を1本だけ添えて再度打診 |
以降はメールではなく電話に切り替えます。Aに長いステップメールは不要です。
B:関心はあるが未定(5通)
| 通 | タイミング | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 48時間以内 | 来場のお礼と、ブースで説明した内容の要約 |
| 2 | 1週間後 | 課題の整理に使える資料(チェックリストなど) |
| 3 | 2週間後 | 同じ規模・業種の事例 |
| 4 | 1ヶ月後 | よくある疑問への回答(費用、期間、社内調整など) |
| 5 | 1.5ヶ月後 | 相談の窓口を案内。以降は定期配信へ |
C:情報収集(1通+定期配信)
お礼と資料の案内を1通送り、以降は通常のメールマガジンに合流させます。個別のシナリオは組みません。
テンプレート
そのまま使える骨子です。かぎ括弧の部分を差し替えて使ってください。
A・1通目(24時間以内)
件名:[展示会名]でお話しした[課題のキーワード]の件
[会社名][お名前]様
[展示会名]のブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。[自社名]の[氏名]です。
[相手が話した課題]についてお話を伺いました。その場でお伝えしきれなかった点を1つだけ補足します。
[課題に対する具体的な補足を3〜4行。一般論ではなく、相手の状況に対する答えを書く]
より詳しくご説明できればと思いますので、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。[候補日を2〜3個、または日程調整URL]
ご都合が合わない場合は、ご希望の時間帯をお知らせください。
件名に会話の内容を入れるのが要点です。 「ご来場のお礼」だけの件名は、他社のメールに埋もれます。
B・1通目(48時間以内)
件名:[展示会名]でご説明した[テーマ]の資料をお送りします
[会社名][お名前]様
[展示会名]のブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。[自社名]の[氏名]です。
ブースでは[説明したテーマ]についてご説明しました。要点を3つにまとめます。
・[要点1] ・[要点2] ・[要点3]
詳しい資料はこちらからご覧いただけます。[資料URL]
ご不明な点があれば、このメールにそのままご返信ください。
B・3通目(2週間後・事例)
件名:[業種]の企業が[課題]をどう解決したか
[お名前]様
先日はご来場ありがとうございました。[自社名]の[氏名]です。
[相手と近い規模・業種]の企業で、[課題]に取り組んだ事例をご紹介します。
[導入前の状況を2行] [何をしたかを2行] [結果を2行。数字があれば数字で]
詳細はこちらにまとめています。[事例URL]
事例は「近い規模・業種」を選ぶことが条件です。 大企業の事例を中小企業に送っても、自社に置き換えて読めません。
送るときに気をつけること
1件でも配信停止があれば、その時点で以降のシナリオを止めます。 メール配信ツールとCRMを分けている場合、停止情報が片方にしか反映されず、別の配信で再送してしまう事故が起きます。設計の詳細はCRMとメール配信の連携で扱っています。
また、同じ会社から複数名が来場していることがあります。 全員に同じシナリオを流すと、社内で「同じメールが何通も来ている」という状態になります。企業単位で重複を確認してから配信してください。
効果をどう測るか
開封率とクリック率は途中の指標です。最終的に見るのは、そのメール経由で何件の商談が生まれたかです。
そのためには、名刺をCRMへ取り込む時点で**「どの展示会で獲得したか」を記録しておく必要があります。** この記録がないと、あとから商談との紐づけができず、展示会そのものの費用対効果も測れません。
展示会全体のKPIの置き方は展示会のKPI設定で詳しく扱っています。配信の自動化にどのツールを使うかについてはCRMとMAの違いを参考にしてください。
まとめ
展示会後のステップメールで効くのは、凝ったシナリオではなく、分類と速度です。ブースでの会話をもとに3つに分け、Aには24時間以内に個別の打診を、Bには48時間以内に要約を送ります。
通数は3〜5通で十分です。最初から10通を組むと、コンテンツが尽きて途中で止まります。
トライエッジでは、展示会で獲得したリードのCRMへの取り込みから、フォロー設計、効果測定までを支援しています。詳しくはCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. 展示会後のステップメールは何通送ればよいですか?
3〜5通が目安です。最初から10通のシナリオを組むと、途中で用意するコンテンツが尽きて配信が止まります。まず3通の直線的なシナリオで始め、反応を見てから増やすほうが続きます。通数より、1通目を早く出すことのほうが結果に効きます。
Q. 1通目はいつ送るべきですか?
展示会終了から48時間以内です。相手は複数のブースを回っており、時間が経つほど自社との会話を思い出せなくなります。会期中に毎日その日の来場者へ送る運用ができれば、さらに反応は上がります。名刺のデータ化を会期後にまとめて行う体制だと、この時点ですでに不利になります。
Q. 全員に同じ内容を送ってはいけないのですか?
反応がほとんど返らなくなります。展示会の名刺には、具体的な課題を持って来た人と、通りがかりで説明を聞いた人が混ざっています。前者に一般的な会社紹介を送ると物足りず、後者に個別提案を送ると重すぎます。ブースでの会話をもとに分類し、分類ごとに別のシナリオを流すのが基本です。
Q. ステップメールの効果はどう測ればよいですか?
開封率とクリック率だけでは足りません。最終的に見るべきは、そのメール経由で何件の商談が生まれたかです。そのためには、名刺データをCRMへ取り込む時点で「どの展示会で獲得したか」を記録しておく必要があります。この記録がないと、あとから商談との紐づけができません。
Q. 配信停止された場合はどうすればよいですか?
その時点で以降の配信を止め、その情報を顧客データベース側にも反映してください。停止したはずの相手に別の配信で再送してしまう事故は、システムを分けている場合によく起きます。特定電子メール法に関わる部分なので、運用の注意ではなく仕組みで防ぐ必要があります。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。