フォーム営業という手法が数年前から行われ始め、自動で数百件に営業ができる、反響があったところだけに対応すればOK、というような謳い文句とともに多くの企業がこうしたフォーム営業を利用するようになりました。一方で、フォーム営業を受けた側としては興味のない商品やサービスであることがほとんどであることも事実です。マーケティング担当としては、営業目的の問い合わせなのか、自社サービスを必要としている見込み客なのかを内容を確認して見極めなければならず、余計な工数を発生させている場合もあります。今回はこうしたフォーム営業等の営業目的の問い合わせをHubSpotフォームで分類するための方法について紹介していきます。
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一般的になってしまったフォーム営業という手法
ここ数年、フォーム営業という手法が多く見受けられるようになりました。フォーム営業とは、ウェブサイトやSNSなどに設置されたフォームに対して、商品やサービスの説明や資料請求、問い合わせなどの営業活動を行う手法です。フォーム営業を行う企業にとっては、より少ない工数で多くの企業に自社の商品やサービスを案内できる、またその費用も1件数百円からといったような低コストで行えるということもあり、多くの企業がフォーム営業を活用して自社の商品やサービスをプロモーションするようになりました。
一方で、こうしたフォーム営業を受ける企業にとっては、せっかく資料請求や問い合わせなどがフォーム経由で獲得できたと思って内容を見たところ、他社のプロモーションだった…ということで必要のない人にとっては、迷惑行為とも言えるでしょう。現在はオフィスのセキュリティの関係上、ほぼ行われなくなったいわゆる”飛び込み営業”がそれに近しいのではないでしょうか。
企業のマーケティング担当にとって、
「問い合わせ(リード)を獲得できたと思ったらフォーム営業だった」
という自体は、数値の計測上も非常に厄介でもあります。問い合わせフォームからやってきたものが、
- 自社のサービスを必要とする見込み客からの問い合わせなのか
- 単なる他社サービスの売り込みなのか
を判別しなければならないからです。マーケティング担当の目標として、自社の売上に結びつく有効なリードを何件獲得できたのかを追わなければならないからです。問い合わせが100件あったが、うち90件がフォーム営業でした、ということでは、マーケティング担当として成果を出せているとは言い難いでしょう。
こうした問い合わせの内容を判別する負担を軽減させるための方法について次の章で説明していきたいと思います。
HubSpotフォームにて営業目的の問い合わせかどうかを判別できるようにする方法
実は、弊社でも問い合わせフォームに対してフォーム営業がたびたび送られてきます。広告代理店や人材会社、SEO対策会社など多種多様な企業からフォーム営業が来るため、そうしたものと本当に対応すべき見込み客との違いをどのように分類できるか頭を悩ませていました。
そこで弊社としてとった対策は以下の3つです。
1.HubSpotフォームで特定のドメインからのフォーム送信を禁止した
HubSpotには特定のドメインからのフォーム送信をブロックする、という機能があります。この機能の詳細については以下の記事を参考にしてください。
この機能を活用すれば、特定の企業からのフォーム営業を防ぐことができます。繰り返し何度も送ってくるような企業のドメインを登録しておけば、HubSpotのフォームを通しての問い合わせ送信ができなくなりますので、フォーム送信を防ぐことができます。
ただし、これはあくまでも相手方のドメインがわかっていることが前提となります。どの企業から来るかわからない場合はこの方法は有効ではありません。
2.フォームの入力項目を多くする
2つ目の方法は、フォームの入力項目を増やすことです。フォーム営業は手動もしくは自動で行われておりますが、入力すべき項目が多くなると、入力の手間が増え、後回しになるということが起こりえます。また、それと同時に「問い合わせ内容」というような自由記述欄を設けてある場合は、この欄に入力できる文字数に制限をかけるとフォーム営業の数も減ります。
これは、フォーム営業をしようとする企業が、自由記述欄に自社のサービスなどの特長を記載することが多く、この記述欄の文字数が制限されているとその内容を詳細に入れられず、送信をあきらめるということが起こります。概ね100文字から300文字ほどに抑えておくと良いでしょう(本来の見込み客であってもそれほど多く自由記述欄に記載してくることも稀かと思います)。
一方で、フォームの項目を多くするというのは、本来の「自社のサービスに興味を持ってくれている見込み客からの問い合わせを増やす」という目的からするとネガティブにはたらくということも否めません。一般的に問い合わせフォームの入力項目数は少ないほどコンバージョン率が高くなると言われていますので、入力項目を増やすことで本来の問い合わせがなくなってしまっては本末転倒です。このあたりはバランスを見ながら調整をする必要があるでしょう。
3.問い合わせ種別という項目を作った
3つめは問い合わせ種別という項目を作ることです。これは、営業目的の問い合わせを減らすというアプローチから、どう営業目的の問い合わせを分類するか、という視点での施策となります。営業目的のフォーム送信をなくすことができればそれがベストですが、どれが営業目的でどれが見込み客からの問い合わせなのかが明確であること、が本来の目的であるので、それを明確にするために「問い合わせ種別」という項目を作りました。
弊社の場合だと以下の画像のように
- HubSpot / Zoho CRMに関するお問い合わせ
- 採用に関するお問い合わせ
- その他のお問い合わせ
としています。
こうすることで、見込み客からの問い合わせについては「HubSpot / Zoho CRMに関するお問い合わせ」、人材会社からの営業は「採用に関するお問い合わせ」、フォーム営業などについては「その他のお問い合わせ」にてフォーム送信が行われます。設定当初は”本当に正しく入れてくるのか…”という部分で半信半疑だったのですが、95%以上はこの種別で、カテゴリー分けができるようになりました。
また、こう分類することによって、
- HubSpot / Zoho CRMに関するお問い合わせ:営業担当とマーケティング担当に通知
- 採用に関するお問い合わせ:採用担当に通知
- その他のお問い合わせ:マーケティング担当に(念の為)通知
というように通知先を分類させることもできましたし、マーケティング担当としての実績値の計測時も「HubSpot / Zoho CRMに関するお問い合わせ」だけを集計すればよくなったので、数値の計測も楽になりました。
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