HubSpotの特定の項目が変更されたらSlackに通知する方法
HubSpotで金額などの項目が変更されたらSlackに通知するには、取引ベースの空白のワークフローを作り、過去1日間に更新があったという条件でトリガーを組みます。単純に更新されたらという条件はHubSpotの仕様上設定できません。同じ項目が何度変わっても通知を受け取るための再登録の設定まで解説します。
HubSpotで金額などの項目が変更されたらSlackに通知するには、[取引ベース]の[空白のワークフロー]を作り、取引登録トリガーで対象プロパティを指定して、アクションに[Slack通知を送信]を設定します。 所要時間は15分ほどです。
最大の注意点はトリガーの組み方です。 「単純に更新されたら」というトリガーはHubSpotの仕様上そのままでは設定できないため、[過去1日間に更新があったら]という条件で設定します。
もう1つ忘れやすいのが[再登録]です。 登録トリガーの[再登録]タブでチェックを入れないと、同じ項目が2回目に更新されたときに通知が飛びません。
以下では、どの項目を通知対象にすべきかの考え方と、金額の変更を例にした設定手順を画面つきで説明します。
どの項目の変更を通知対象にすべきですか?
営業チームがHubSpotで顧客情報や案件情報を取り扱う上で重要な項目としては以下のようなものが挙げられます。これらのうち、変わったときに上司や関係者の判断が必要になるものを通知対象にします。
(1)顧客情報
顧客情報は当然、営業チームとして収集するべき重要な情報の塊です。顧客の業種や従業員数、売上や利益はもちろん、どういった部署があるのか、どういった製品を取り扱っている会社なのかといった情報も営業を行うにあたってのヒントとなります。
(2)取引ステージ
取引ステージとはHubSpot内での案件の進捗状況を表すステータスのことを指します。案件がいまどういった状態なのかを表すこの取引ステージは営業チームにとって重要な情報と言えるでしょう。案件が初回のアポイントメントを実施した段階なのか、見積もりを既に提出した状況なのか、既に顧客から口頭で商品やサービスの購入の承認を得ており、契約締結の最中なのかによって、売上予測に大きく影響を及ぼします。
なお、取引ステージの到達をきっかけに通知したい場合は、パイプラインの自動化から作るほうが手数が少なくなります。手順は取引ステージが進んだらSlackに通知する方法にまとめています。
(3)予算
顧客は自社が提案する商品やサービス(もしくは機能)に対してどのくらいの予算をつけているのか、もしくは提案の相手や部署はどのくらいの予算を持っているのか、予算は年度単位で決まっているものなのか、四半期単位で決まっているものなのか、現在予算は余っているのか、足りないのかといった情報があると提案の幅が大きく変わってきます。
(4)競合に関する情報
顧客に提案をしているのは自社だけとは限りません。むしろ自社だけのことのほうが少ないかもしれません。自社と同じような商品やサービスを扱っている競合他社に対して顧客は問い合わせをして、既に提案を受けているかもしれませんし、提案を受ける予定かもしれません。そうした競合他社の情報というのは提案を行うにあたっては非常に重要な情報になります。
競合他社として提案を受けているのは何社なのか、自社は何番目の提案なのか、他社はどういった提案内容なのか、他社はいくらの見積もりを出しているのか、そういった情報があると、提案の仕方や見積もりの出し方などが大きく変わってきます。
(5)決裁に関する情報
自社の商品やサービスを販売する上で、顧客がどういった決裁フローや決裁権限を持っているのか、というのは重要な情報となります。例えば、自分が提案している相手が決裁権を有していない場合、その人を介して自分の提案が伝わることになりますので、自然と購入までの期間は長くなるでしょう。
また、決裁権を持っていたとしてもいくらまでの決裁をもっているのかによっても購入までの期間が長くなることもあります。
また、多くの企業は決裁を行うにあたって稟議が必要になることが多いですが、その稟議はどういったサイクルで承認されるようなフローになっているか、また誰が最終的に決裁をするのか、稟議を承認する会議があるのかなどによっても提案の仕方が大きく変わります。
金額が更新されたらSlackに通知する手順は?
ここからは、取引における[金額]のアップデートがあった場合に、通知をSlackに送る方法を見ていきます。項目が更新されたことを通知として受け取れると、上司はそれに対してのアドバイスを迅速に行うことができますし、軌道修正も行えます。

通知を設定するために[ワークフロー]の機能を利用します。今回は[取引]にある金額というプロパティ(項目)が更新されたら通知を受け取りたいので、取引をベースにしたワークフローを設定していきます。ワークフローは[空白のワークフロー]にて作成します。

ワークフローの設定画面に移ったら、まずは[取引登録トリガー]を設定します。取引登録トリガーでは、
どの項目がどうなったらワークフローを動かすのか
ということを設定します。今回は、取引にある[金額]という項目が更新されたら通知を受け取りたいので、そのように設定したいのですが、単純に更新されたら…というトリガーを設定することがHubSpotの仕様上できないので、過去1日間に更新があったら、という条件で設定を行います。

設定されると[取引登録トリガー]が以下のような表示になるかと思います。

次に、このトリガーが発動した場合、どういったアクションを取るのか、というのを設定します。ここでは、Slackに通知を行いたいので[Slack通知を送信]を選択します。

次にSlackでの通知先とその際のメッセージを設定します。メッセージについては、該当の取引が持つプロパティを選択してくることも可能です。今回は、取引名・取引担当者・金額を設定しました。

2回目以降の更新も通知させるにはどうしますか?
1点注意事項ですが、[登録トリガー]にて[再登録]のタブにて再登録にチェックを入れましょう。これは、同じ項目が2回以上更新された場合、このワークフローを動かしますか?ということの設定になりますが、今回の金額が更新された場合は何度でもその通知を受け取りたいので、ここにチェックを入れます。

通知はいつから流れ始めますか?
設定が完了したら、最後にワークフローを動かし始める時期を決めます。赤枠で囲ったほうは、このワークフローを動かし始めて以降に金額が変更になったものを通知の対象とする、という意味で、下の選択肢は過去にさかのぼって通知を行う、というものになります。

ここまで設定が終われば、無事に通知が流れ始めます。実際には以下のような形でSlackに通知が流れてくるようになります。[View in HubSpot]のボタンを押すと、実際の取引の画面に移動します。

つまずきやすい点
1. 「更新されたら」という条件はそのままでは作れません。 HubSpotの仕様上、プロパティが更新された瞬間を条件にすることができないため、[過去1日間に更新があったら]という形で指定します。通知が即時ではなくタイムラグを伴う点も、運用ルールを決めるときに織り込んでおいてください。
2. [再登録]にチェックを入れないと、通知は1回で止まります。 登録トリガーの[再登録]タブは初期状態では有効になっていません。金額のように何度も変わる項目を扱う場合、ここを忘れると「最初の1回だけ通知が来て、あとは来ない」という状態になります。
3. 開始時期で過去分を選ぶと、通知が一気に流れます。 ワークフローの開始時に、過去にさかのぼって通知するかどうかを選びます。既存の取引が多い環境で過去分を選ぶと、Slackチャンネルが通知で埋まります。通常はワークフロー開始以降の変更だけを対象にしてください。
4. ワークフローが使えないプランがあります。 ワークフローはHubSpotのProfessional Plan以上で利用できる機能です。Starter Planの場合は別の手段を取ることになるため、取引ステージの移動を検知する方法でプラン別の選択肢を確認してください。
まとめ
HubSpotで特定の項目の変更をSlackに通知するには、[取引ベース]の[空白のワークフロー]を作り、取引登録トリガーで対象プロパティを[過去1日間に更新があったら]という条件で指定し、アクションに[Slack通知を送信]を設定します。
設定漏れが起きやすいのは[再登録]のチェックと、ワークフローの開始時期の選択です。この2つを確認してから公開してください。
通知先をチーム単位のメールにしたい場合は更新をメーリングリストに通知する方法、ステージ到達を条件にしたい場合は取引ステージが進んだらSlackに通知する方法を参照してください。
営業とマーケティングのデータ連携の考え方はCRMとMAの連携で整理しています。当社の支援内容はCRM導入支援、HubSpotの概要はHubSpotをご覧ください。ご相談はお問い合わせより承ります。
FAQよくあるご質問
Q. HubSpotで項目の変更をSlackに通知するには何が必要ですか?
HubSpotとSlackの接続に加えて、対象オブジェクトのワークフローが必要です。取引の金額を通知したい場合は[取引ベース]の[空白のワークフロー]を作り、取引登録トリガーで対象プロパティを指定し、アクションで[Slack通知を送信]を選びます。設定は15分ほどで終わります。
Q. 更新されたらというトリガーはどう設定しますか?
単純に更新されたら、というトリガーはHubSpotの仕様上そのままでは設定できません。そのため[過去1日間に更新があったら]という条件で設定します。取引登録トリガーの画面で対象のプロパティ(例:金額)を選び、更新期間の条件として指定してください。
Q. 同じ項目が2回以上更新されたときも通知させるには?
[登録トリガー]の[再登録]タブを開き、再登録にチェックを入れます。これは同じ項目が2回以上更新された場合にワークフローを再度動かすかどうかの設定です。金額の変更を何度でも受け取りたい場合は必ずチェックを入れてください。
Q. 通知はいつからの変更が対象になりますか?
ワークフローの最後に、動かし始める時期を選びます。ワークフローを開始して以降に変更されたものだけを通知の対象にする選択肢と、過去にさかのぼって通知する選択肢の2つがあります。運用開始時に過去分をさかのぼると大量の通知が流れるため、通常は前者を選びます。
Q. Slackの通知メッセージには何を入れられますか?
該当の取引が持つプロパティを選んで差し込めます。金額の変更通知であれば、取引名・取引担当者・金額の3つを入れておけば何がどう変わったかが判断できます。届いた通知の[View in HubSpot]ボタンを押すと、その取引のレコード画面に移動できます。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/濱津 舞(AEO/CRM・MA 導入・運用)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。