こんにちは!トライエッジのAkiです。
近年、営業やマーケティングの世界で「インテントセールス」という言葉が注目を集めているのをご存知でしょうか?
本日はその本質や活用方法について、弊社代表の中野と齊藤に伺っていきます!

青山学院大学 国際マネジメント研究科 卒
著書:「営業は仕組みで9割決まる-「仕組み」で常勝営業チームをつくる方法 Udemyで3千名の受講生にマーケティングの入門講座を提供

インテントセールスとは何か? 従来の営業との違い
Aki: 本日はよろしくお願いします! まずはインテントセールスの基本的な定義から伺ってもよろしいでしょうか?
中野: 「インテント(Intent)」は「意図」や「目的」という意味合いが強いですね。インテントセールスを一言で言うと、「購買意欲がある程度高まった人だけを狙い撃ちにする」営業手法なんです。
Aki: 購買意欲が高まった人だけを、ですか?従来の営業手法と比較するとどのような違いがあるのでしょうか?
中野:従来の「アウトバウンドセールス」は、顧客が興味を持っているかどうかにかかわらず、こちらから一方的に「こんにちは!」と営業をかけるイメージです。一方、「インバウンドセールス」は、お客さんが資料請求や問い合わせなど、明確に興味を示して「手上げ」の状態になってからアプローチします。
インテントセールスは、そのどちらとも少し違うんです。顧客が「ちょっと興味を持っているかもしれない」「何かを探している兆候がある」といった段階で、こちらからアグレッシブにアプローチしていきます。
齊藤: まさに、顧客が「どのような意図を持っているのか」を昔に比べて格段に多様な情報から読み取れるようになったことが、インテントセールスという概念が生まれた大きなきっかけですね。
インテントを読み解く「セールスシグナル」
Aki: 顧客の意図を読み取るという意味でいうと、私は普段MA(マーケティングオートメーション)ツールを使ってますが、お客さんがメールを開いたり、Webサイトに複数来てくれている状況が分かるので、「うちに興味があるのかな?」ってある程度推測できて便利だなーと思ってます。
中野: まさに、そこに対してこちらから「こんにちは!」と声をかけに行くのがインテントセールスなんです。概念としては新しいわけではなく、MAを活用した「インサイドセールス」のような形で、以前から部分的には行われていました。
Aki: なるほど。では、今になってインテントセールスがこれほど注目されるようになったのは、なぜでしょうか?
齊藤:それは、顧客の行動に関する情報が格段に増えてきていることが背景にあります。X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSで、ある会社の社長が「営業マンが採用できなくて困っている」と発言していたら、それはまさに「兆候」です。私たちはそれを「セールスシグナル」と呼んでいます。そのシグナルを見つけたら、こちらから「何かご紹介させてください」と営業をかけにいけるわけです。
SNS以外にも、顧客の「兆候」は多様なコンテンツの消費状況やWebサイト行動履歴、メール開封状況、検索キーワードといった技術的な進歩によって可視化されています。これにより、顧客理解の精度が大幅に向上しました。
Aki: 単純に「ページに来たからとりあえず電話しよう」という状況から、顧客の状況をより深く理解してからアプローチができるようになったんですね!
新規顧客だけでなく、既存顧客にも広がるインテントセールスの可能性
Aki: インテントセールスというと、新規顧客の獲得にフォーカスされがちですが、既存顧客へのアプローチにも応用できるんですか?
中野: もちろん!既存顧客においても、自社サービスの使い方に関するFAQページを頻繁に見ていたり、特定の機能のヘルプページを何度も訪れていたりする顧客がいれば、「きっと何か困っているんだろうな」と推測できます。
齊藤: そうですね。もし顧客が特定のコンテンツばかり見ていたり、資料ダウンロードに偏りが見られたりすれば、その顧客がどのようなことに課題を感じているのかが見えてきます。それに対して、「実は弊社でこういうことも提供できますよ」とこちらから提案すれば、「まさに今探してたんだよね!」と顧客のニーズを的確に拾うことができるはずです。
中野: 極端な例ですが、解約に関するページを何度も見ている顧客がいれば、「この人は解約を考えているのかな」と察知できますよね。そういったインテントをどのようにビジネスのどの箇所に活かしていくかは、様々なやり方があるので、優先順位に基づいて実行していく必要があります。
インテントセールス成功の鍵:データ活用とWebサイト構造
Aki: インテントセールスを効果的に実践するためには、どのような準備が必要ですか?
齊藤: まずは、自社サイトに来てくれた顧客の「インテント」がある程度わかるような、サイト構造になっていないと、データ活用があまり意味をなしません。顧客が「どのような意図でそのページに来たのか」「どのくらいの時間をかけて、どんなページを見たのか」がわかるような構造でないと、せっかくデータが取れても、うまく活用できない、ということが起こりえます。
Aki: なるほど。また、検索キーワード(クエリ)などもインテントを理解する上で非常に重要ですよね。例えば、Google Search Consoleで各企業がどのようなクエリで自社サイトに来たかがわかりますが、それを企業の行動と紐付けられると、顧客の興味関心がより明確になります。
齊藤:その通りです。Google AnalyticsやSearch Consoleなどのデータを連携させることで、企業ごとの詳細な検索行動まで把握できるようになります。これにより、「この会社は、うちのどういうサービスに興味を持っているのか」ということが具体的にわかるようになります。
Aki:アクセスの多い企業の場合、膨大なデータからどのようにターゲットを絞り込めば良いのでしょうか?
齊藤:まさにそこが重要なポイントです。闇雲に全てにアプローチしても意味がありません。顧客の規模や業種はもちろん、どのページに訪れているのか、そのページをどのくらいの時間見ていたのか、何回訪問しているのか、といった細かなデータも判断材料になります。それらの情報を基に、「どのお客様に、どのようなアプローチをするのが最も効果的か」という仮説を立て、実行し、その結果を検証していくことが不可欠です。
中野: インテントセールスは、一度うまくいけばそれで終わり、というものではありません。うまくいった場合はその仮説が正しかったということになりますし、うまくいかなかった場合は「何が間違っていたのか」を分析し、次のアクションに繋げていく。この繰り返しが、インテントセールスの精度を高めていく上で非常に重要になります。
Aki:ありがとうございました。インテントセールスは単なる流行り言葉ではなく、具体的なデータ分析と仮説検証に基づいた、非常に戦略的かつ実践的な営業手法であることがよく分かりました!
まとめ:顧客の「意図」に寄り添う営業へ
いかがでしたでしょうか。
インテントセールスは、MAツールなどの最新技術を駆使し、顧客の隠れた「意図」を明確にすることで、営業の質と効率を飛躍的に向上させます。単に製品を売り込むのではなく、顧客の「今、本当に求めている情報」を届けることで、信頼関係を構築し、ビジネスを次のステージへと進化させることができるでしょう。
ちなみに、弊社が日々の営業活動で活用しその効果を実感しているのが「CONNECTUS」です。CONNECTUSを使えば、顧客のWebサイト閲覧履歴や検索キーワードといった「インテント」を簡単かつ正確に把握できます。
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