【事例付き】展示会で獲得したリードの管理方法
展示会のリード管理を、BtoB製造業の実例で具体的に見ていきます。名刺交換の場で直販・パートナー候補・その他に分け、話せた段階と掛け合わせてABCに落とす区分表。3日間で1,260枚、製品デモ21件という目標の立て方。会場での名刺スキャンの担当決めと、御礼メールの雛形まで公開します。
展示会のリード管理でつまずくのは、区分・目標・データ化の3つを出展前に決めていないときです。 この3つが決まっていれば、名刺交換のその場で仕分けができ、翌日には御礼メールを送れます。
この記事では、一般論ではなくBtoB製造業の実際の運用を見ていきます。名刺交換の場で使う区分表、3日間で1,260枚という目標の立て方、会場でのスキャン運用、そして御礼メールの雛形まで具体的に扱います。
先に結論を言うと、この事例で最も効いたのは「区分表を1枚の表にしたこと」です。 判断の基準が表になっていれば、誰がブースに立っていても同じ仕分けができます。
展示会で獲得したリードを管理するポイント
展示会は自社の製品やサービスを紹介する貴重な機会であり、多くのリードを獲得できます。しかし、獲得するだけでなく、その後の管理をどう行うかが重要です。押さえるべきポイントは3つあります。
あらかじめどのようなリードを獲得したいか決めておく
展示会で獲得するリードは、必ずしも数が多ければよいというわけではありません。目的に応じたリードを獲得することが重要なため、事前にどのようなリードを獲得したいかを決めておく必要があります。
例えば、どういった業界や業種なのか、地域はどの範囲なのか(国内・海外)、どういった役職者がよいのか、企業規模(売上)はどのくらいがよいのか、といった属性をあらかじめ決めて、参加メンバーに共有しておきましょう。
こうした属性だけでなく、1日あたりどのくらいの名刺を獲得したいのか、会話ができた人をどの段階まで持っていくのかなど、具体的な行動まで落とし込めるとより確実です。
展示会ではヒアリングやアンケートで情報収集を行い、終了後に仕分けを行う
より有効なリードを獲得するためには、ヒアリングやアンケートが効果的です。あらかじめアンケートを用意しておきノベルティと交換する、自社ブースで行う小規模セミナーの終わりに配布して回収する、など名刺情報以外の顧客情報を獲得する工夫を行います。
自社の商品やサービスに対するニーズや興味を確認することで、展示会後の仕分けをより効果的に行え、優先順位を決められるようになります。
CRMなどのツールを用いてリードを管理する
仕分けまでが終わったら、情報を紙媒体のままにせずデータ化し、CRMなどにインポートします。これによりリードの情報を一元管理できます。
展示会で獲得したリードは、過去の見込み客と重複している可能性がありますし、同じ展示会の中で複数のメンバーが同じ相手と名刺交換している場合もあります。名刺のまま管理するとそういった情報が共有されず、複数の営業担当から同じ人にアプローチするなど、混乱が生じます。
また、過去に商談を行ったことがある見込み客の場合、そのときの状況を踏まえてコミュニケーションを取る必要があるため、その把握のためにもCRMでの一元管理が必要です。
BtoBの製造業のリード管理事例
ここからは、BtoBの製造業の例を挙げて具体的に見ていきます。
※個別の企業名を挙げることができませんので、その点はご了承ください
事例企業の概要
事例企業はBtoB向けに製品を販売している企業で、実際の製品をお客様に納入しています。納入できる地域は日本国内であれば特に限定しておらず、全国どこでも可能です。
納入先は主に工場を想定していますが、決裁者は必ずしも工場にいる担当者というわけではなく、本社からの指示において納入されるケースもあれば、本社と工場が検討して納入するケースもあります。
展示会には年に2回から4回ほど出展しており、ある程度大きなブースを構えています。この企業は、展示会以外にもパートナーを活用した案件発掘、アウトバウンドコール、ウェブ広告、自社ウェビナーなど、さまざまな形でリードを獲得していますが、有形商材であることもあり、実際に製品を見てもらえる展示会を重要な商談機会として捉えています。
リード区分を明確にする
展示会会場で名刺交換を行った際、すぐに仕分けができるよう、以下のリード区分を用意しました。
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直販見込み客
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パートナー候補
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その他(学生、競合、大学等)
また、直販見込み客の中でも、どこまで話ができたのかが分かるようにしました。具体的には次の3段階です。
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製品デモ獲得
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面談獲得
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情報収集段階
この2つを掛け合わせて表にまとめると、以下のとおりとなります。
| リード区分 | 製品デモ獲得 | 面談獲得 | 情報収集段階 |
|---|---|---|---|
| 直販見込み客 | A | A | C |
| パートナー候補 | B | B | C |
| その他(学生、競合、大学等) | – | – | C |
上記の表にしたがって、ABCそれぞれで対応者と対応方法を分けました。
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A:自社の営業担当者が対応し、製品デモの対応、面談の対応を行う
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B:代理店(パートナー候補)向けの営業担当者が対応し、製品デモの対応、面談の対応を行う
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C:HubSpotで展示会への御礼メールを一斉送信し、面談獲得のためのフォームを案内する。この中で反応のあった見込み客に対して、インサイドセールスチームが面談獲得を目指す
この表の利点は、名刺交換の直後に判断できることです。 ブースに立つ全員が同じ表を持っていれば、誰が対応しても同じ区分に落ちます。
目標を明確にする
展示会の開催日数は2日から4日程度になることが多いですが、各日に何枚の名刺を獲得するのか、製品デモを何件獲得するのかを目標として設定しました。
来場者数の規模、ブースの位置、天候などによっても設定する目標数は変わりますが、過去の実績から仮説を立てて、まずは目標とする数値を置きます。初日が終了した段階で集計を行い、2日目以降の目標を再設定するとよいでしょう。
事例企業の場合は、展示会の会期が3日間、参加社員が10名だったので、次のように設定しました。
1日7時間×1時間6枚×10人×3日間 = 420枚×3日間 = 1,260枚
また製品デモの獲得目標は、1時間に1件を目安に、
1日7件×3日間 = 21件
と設定しました。
名刺をどのようにデータ化するのか決めておく
展示会で獲得した名刺情報に対するアクションは、早いほうが結果が出ます。したがって、名刺情報をどのようにデータ化するのか、誰がどのようにデータ化するのかを事前に決めておくことをおすすめします。
事例企業では、名刺管理のSansanを導入していたため、スキャナーを展示会会場に持ち込み、あらかじめ上記の区分表に対応したボックスを用意し、マーケティング担当が空き時間を利用してスキャンを行っていました。
展示会会場ではどうしても忙しくなり、個別にスキャンを行うと誰がどこまでスキャンしたか分からなくなるため、担当者を決めておきました。
また、名刺管理ツールのデータ化に上限がないかも事前に調査しておく必要があります。ツールによっては1日あたりの処理枚数に制限があることがあり、追加の費用を払えばその上限を回避できる場合もあります。事例企業でも追加費用を支払うことで、データ化が遅れるのを防ぎました。上限や追加費用の条件は変更されることがあるため、利用前に各サービスの公式サイトで確認してください。
事前に展示会御礼メールを作成しておく
展示会来場に対する御礼メールは、展示会終了後に作成するのではなく、作成できる部分については事前に作成しておきましょう。 展示会の前後は準備や片づけで多忙になるため、ゼロから作る作業は後回しになりがちです。
会場の様子など、展示会中もしくは展示会後にしか書けない部分は空けておき、それ以外は事前に用意して、名刺データができ次第すぐに送れる状態にしておきます。以下、事例企業が使ったタイトルと本文の骨子です。アレンジしてご利用ください。
ブース見学御礼│第xx回xxxxx展│xxxxxのご相談お待ちしております!
(展示ブースの様子などのサムネイル)
本文:
◯◯様
お世話になっております。 株式会社xxxxの◯◯です。
この度、xxxxxで開催された第ss回 xxxxx展にて、弊社ブースにお越しいただき、誠にありがとうございました。
弊社がxxxxx展にて展示したxxxxxxは(製品の特長などを記載)。 すでに株式会社xxxx様や株式会社xxxx様でも弊社製品が導入されており、お客様からもxxxxxといったようなお声を頂戴しております(導入事例とお客様の声)。
xxxxの課題解決のための情報がまずは欲しい・少し話を聞いてみたい等ございましたら、次のフォームよりお気軽にご連絡ください。 お待ちしております! 弊社製品のご案内についても、こちらで承っております。
個別相談を希望する
【このようなご相談、大歓迎です】 (箇条書きでお客様の課題を羅列) ・ ・ ・ ・
今後も、弊社製品等の最新の情報をご紹介していきたいと考えております。 どうぞよろしくお願い致します。
個別相談フォームを作成する
展示会の御礼メールには、必ずCTA(Call To Action)を入れましょう。展示会中にはあまり詳しい話ができなかった、ひと通り展示会を見た上でいま一度話がしたい、といった見込み客がいるため、そういった方々が問い合わせできる個別相談フォームを用意します。
よくある失敗
1. 区分表を作らず、記憶で仕分けようとする
会期が終わるころには、誰がどんな相手だったかは思い出せません。名刺交換のその場で判断できる表を用意してください。
2. 目標を総枚数だけで置く
「3日で1,000枚」とだけ決めると、初日の遅れに気づけません。1日あたり、1人あたりまで割ってから当日を迎えてください。
3. スキャンを全員の空き時間任せにする
誰がどこまで処理したかが分からなくなり、重複と抜けが同時に起きます。担当を1人決めるだけで解決します。
4. 名刺管理ツールの上限を確認していない
展示会の翌日にデータ化が止まり、初動が丸1日遅れます。上限と追加費用の条件は、出展前に確認してください。
5. 御礼メールを展示会後に書き始める
片づけと社内報告が重なり、送るのが1週間後になります。空欄を残した状態で事前に作っておくのが確実です。
まとめ
展示会のリード管理は、区分・目標・データ化の3点を出展前に決めておけば回ります。事例企業では、相手の種類と話せた段階を掛け合わせた区分表を1枚用意し、ABCごとに対応者を割り当てました。
目標は1人あたりの獲得ペースから積み上げ、3日間で1,260枚・製品デモ21件と置き、初日終了時に再設定しています。名刺のスキャンは担当を固定し、御礼メールは空欄を残した状態で事前に作成しました。
CRM / MAツールを導入すれば、展示会の集客から展示会後のフォローまでリード管理を一貫して行えるため、リード獲得数の最大化と工数の削減が可能になります。
出展前に点検する項目は展示会のアフターフォローを成功につなげる10のチェックリスト、当日のヒアリング設計は商談化のカギは顧客データの管理、KPIと費用対効果の計算は展示会のKPI設定、メールの通数とシナリオは展示会後のステップメールで扱っています。反応した相手への架電体制はインサイドセールスとはをご覧ください。
当社はHubSpotやZohoを用いたSFA / CRM / MAの導入・運用支援を行っています。支援内容はCRM導入・運用支援、ご相談はお問い合わせより承ります。
FAQよくあるご質問
Q. 展示会のリード区分は、どういう表にすればよいですか?
縦に相手の種類、横に話せた段階を置いた表にします。事例企業では縦が直販見込み客・パートナー候補・その他(学生、競合、大学等)、横が製品デモ獲得・面談獲得・情報収集段階で、交差するマスにA・B・Cを入れました。名刺交換の場で、どのマスかを判断できる粒度にするのがポイントです。
Q. 獲得目標はどう計算しますか?
1人あたりの獲得ペース×人数×日数で置きます。事例企業は会期3日間・参加社員10名で、1日7時間×1時間6枚×10人×3日間=1,260枚と設定しました。製品デモは1時間に1件を目安に1日7件×3日間=21件です。初日終了時に集計し、2日目以降の目標を再設定します。
Q. 名刺のデータ化は誰がやりますか?
担当者を1人決めてください。事例企業では名刺管理のSansanのスキャナーを会場に持ち込み、区分ごとのボックスを用意して、マーケティング担当が空き時間にスキャンしました。全員で手が空いたときにやる運用にすると、誰がどこまでスキャンしたか分からなくなります。
Q. 名刺管理ツールの上限は確認が必要ですか?
必要です。ツールによっては1日あたりのデータ化枚数に制限があり、展示会のように一度に大量の名刺が発生する場面では上限に当たります。追加費用で上限を回避できる場合もあるため、条件は各サービスの公式サイトで事前に確認してください。
Q. 御礼メールはいつ作りますか?
展示会の前です。会期の前後は準備と片づけで多忙になり、ゼロから作る時間が取れません。会場の様子など当日しか書けない部分だけを空欄にしておき、それ以外は事前に用意しておけば、名刺データができ次第すぐ送れます。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月15日更新。