MA(Marketing Automation:マーケテイングオートメーション)は顧客に最適化されたコンテンツ提供に優れ、SFA(Sales Force Automation:セールスフォースオートメーション:営業支援システム)は営業プロセスの最適化に役立つツールです。これらのツールをうまく活用することで、新規リードの獲得から営業によるフォローアップまでの流れを、一貫した顧客体験としてスムーズな対応を提供できるようになり、効果的に営業プロセスを進めていくことができます。これらのシステムを導入することは当然お金がかかるわけですが、そこで議論されるのが「そのお金がかかる(投資)をきちんと回収できるのか」という意見です。お金を使ってシステムを導入するのだから、それに見合ったリターンがないと意味がありません。そこで本記事では、MAとSFAがどのようにROI(Return On Investment:投資収益率)改善に寄与するのか、そもそもお金をかけてもいいのか、について詳しく解説していきます。社内でシステムの導入を検討しようと思っている方は、参考にしてください。
この記事の目次
2.1 MAの機能によるROIへの貢献2.2 顧客エンゲージメントの向上とROIへの影響
2.3 データ活用の重要性
3.1 SFAの基本機能とROIへの貢献
3.2 営業プロセスの効率化とROIへの影響
3.3 顧客関係管理と収益性の向上
4.1 段階的な導入のアプローチ
4.2 MAとSFAの組み合わせによる相乗効果
4.3 まずは「自社にどういうツールが合うのか」から考えよう
マーケティングの効率化とROI向上の鍵であるMAとSFA
BtoB企業のマーケティング効率化とROI(Return On Investment)の向上の鍵として、MA(Marketing Automation)とSFA(Sales Force Automation)の活用がますます注目されています。
MAはメルマガやWeb広告の成果・Webサイト訪問状況といった顧客動向の管理や、これらの施策の実行プロセスを自動化することができます。顧客の動きが把握できて、顧客へのアプローチが自動化できれば、より効果的に顧客の興味関心を高めることができる、ということになります。
一方でSFAは営業活動効率の向上と、顧客との関係構築に焦点を当てたツールです。
顧客情報を中心に一元管理することで、過去の履歴や顧客の好みに基づくパーソナライズされたアプローチが可能となり、効果的なコミュニケーションと信頼構築が促進されます。
このようにMAとSFAの連携することにより、業務効率が向上し、新たに多くの顧客を獲得できるようになります。
結果として企業の収益が上がっていく、という流れです。
MAによるマーケティング成果の向上
MAの機能によるROIへの貢献
マーケティングオートメーション(MA)は上記で述べた通り、メールキャンペーン自動化、リードスコアリング、ターゲティングなどの主要機能を通じてマーケティングの基盤を提供するシステムです。
顧客の行動や温度感をトリガーとしてメール配信などを自動化できるため、精度の高い顧客育成(ナーチャリング)を行えるようになります。
MAの導入することはROI改善になるのでしょうか。
まず、1つ目の視点としては、作業の自動化によってミスを軽減することができる点です。人が作業を行うとどうしてもミスが発生しますし、時間もかかります。特定に顧客にお礼メールを送る、といった行為を自動化すれば、送信漏れがなくなりますし、同じ顧客に複数メールを送ってしまうようなミスも発生しません。
このようにMAはマーケティング活動を効率化し、リソースの最適利用と労力の削減に繋がります。
また、MAは施策の成果を可視化することができます。何件のメールを送って、それがどの程度顧客に開封されているのか、といった今後の施策を考える上では基本的な情報を直ぐに確認することができるのです。
これらの効果測定ができれば、成功要因・失敗要因がすぐに把握できますし、戦略の修正・最適化に役立つ情報の蓄積が容易になります。
こうしてMAを活用する子により、ナーチャリングの精度向上とマーケティング施策の効果的な評価が結びつきつくことで投資収益率であるROIが向上するという流れです。
MAを活用することにより、データを十分に活用できるマーケティングを実現することが、ROIを向上させていく上で重要です。
顧客エンゲージメントの向上とROIへの影響
MAを考える上で重要な視点としては、「顧客の興味・関心に基づいて個人に最適化された(パーソナライズ)された情報を送ることができる点です。
全顧客に一斉に送信されるメールよりも、自社の属性(業種や地域など)や課題に近い情報を、個別メールで送る方が、受け手にとっても有効な情報になるでしょう。
こういったパーソナライズされたマーケティング手法は、当然のことながらより顧客の興味を惹き付け、購買意欲を醸成する鍵となります。
MAはこういったパーソナライズされたアプローチができるツールです。
顧客の行動分析・ターゲティングに基づくコミュニケーションを行うことにより、顧客との関係性(エンゲージメント)を向上させ、適切なタイミングで提供されるパーソナライズされたコンテンツは、顧客との関係を強化することに役立ちます。
当然のことながら、こうしたエンゲージメントの向上は、顧客と長期的な関係を築くことになりますし、顧客との関係が長くなればそれと比例して顧客との収益も増えていきます。
データ活用の重要性
上記でも述べましたが、MAによって蓄積したマーケティング活動のデータを分析することで、マーケティング戦略がより精緻化される点については、ROIを考える上でも重要です。マーケティングと施策の結果を振り返り、次の施策を考える上では、データを活用しなければなりません。
この「データを活用する」というので重要なのは、「継続的に行う」ことと「単純なものから行う」ことです。データ分析というと難しく考えがちですが、基本的な数値を確実に継続して行うことが重要です。また、一気に複数の示唆を得ること得ようと思わず、
逆に言えば、データは蓄積しているだけでは意味がありません。これらを活用し、施策の軌道修正を測っていくことが必要不可欠なのです。
SFAの役割とビジネスへの影響
SFAの基本機能とROIへの貢献
SFAは顧客管理、商談管理、営業活動管理などの機能があります。
顧客情報を一元化し、商談の進捗(セールスファネル)を可視化することで、リード獲得から受注までの営業プロセスが最適化され、迅速かつ効率的な営業活動が行えるようになります。
また、営業活動上発生するタスクの通知を自動化できるため、ヌケモレを防げますし、営業担当者はより本質的な顧客のための提案業務に集中することを可能にします。
では、SFA導入がROIにどのように貢献していくのかを見ていきましょう。
営業プロセスの効率化とROIへの影響
まず考えられるのが、タスクの自動化です。
SFAを使って営業活動上繰り返し発生するタスクを自動化することで、営業プロセスを効率的に進められるようになり、エラーも減らすことができます。
また、SFAを活用すれば、どの顧客が重要で注力すべきなのかを明確にすることができます。
たとえば興味関心度合いが高い顧客を数値化する「リードスコアリング」という機能を活用すれば、数値が高いリードから優先的に営業活動をすることができます。
こういったスコアリングを活用すると、埋もれてしまっていたかもしれない質の高い(興味関心が高い)リードが、組織全体で優先的に取り扱われるようになりますし、当然のことながら成約率向上が見込めるようになります。
こうやって、SFAの機能を営業組織全体で活用することで、企業はより少ない営業マンで効果的な営業活動を展開できるようになり、最終的にROIを最大化することができるのです。
顧客関係管理と収益性の向上
SFAの機能の一つである「顧客関係管理」は、顧客データの一元化を通じて効果的な営業戦略の策定を可能にします。
そもそも顧客データを収集する基盤となるシステムがないと、顧客情報の管理は各種帳票に点在したり、場合によっては個人で所有する名刺上でのメモなどに依存してしまうケースも発生してしまうでしょう。
SFAを導入して顧客データを一元管理することで、過去の対応履歴や顧客の状況に合わせたパーソナライズされた顧客対応を可能にし、成約率を向上させることができ、ROIにもプラスの効果を見込むことができるでしょう。
ROIの向上に向けたMA・SFAの導入と活用
段階的な導入のアプローチ
初めてMA・SFAを導入する際は、まずはいずれかのツールから導入することをおすすめします。
導入の初期段階において、目標設定は非常に重要となります。MA・SFAを導入して達成したい目標を明確に定めましょう。自社のどんな課題を解決したいのかを予め洗い出しておくことが必要です。
そして導入当初から複雑な機能を盛り込もうとするのでなく、導入初期段階ではリリースに最低限必要な機能に絞って基盤を確実に構築し、それ以外の要望はリリース後に徐々に追加していくことがおすすめです。
複雑に作り込んでしまうと、導入に時間がかかるだけでなく、実際の運用担当者から「使いにくい」「時間がかかる」といったクレームが出る可能性が高くなりますし、せっかく構築したMA・SFAが現場の実態と合わず誰にも使われない、といった状況になりかねません。
段階的に導入することによりこういったリスクを軽減できます。
MAとSFAの組み合わせによる相乗効果
MAとSFAはどちらかだけでも導入は可能ですが、組み合わせることによって顧客データの統合が実現され、相乗効果を期待できます。
MAが中心のマーケティングではSFAでえられた情報を基にターゲティングを行うことができ、よりパーソナライズされたコンテンツを提供することができます。
一方でSFAは営業を行う上でMAで得られた顧客属性や興味関心の領域などの情報を踏まえた上での提案活動ができますから、より成約率が高まるからです。
まずは「自社にどういうツールが合うのか」から考えよう
国内・海外各社から提供されるMA・SFAツールは、基本的な提供内容は似通っているものの、細かい部分の使い勝手や価格帯は様々です。
ツールを使って達成したい目標や、自社のマーケティング・営業の活動内容や規模などを事前に棚卸ししておくと、各ツールの特徴と照らし合わせて、自社にあったツールかどうかの判断を行う手助けとなります。
株式会社トライエッジでは、HubSpotやZohoを用いたSFA/CRM/MAの導入/運用支援を行っています。
システム導入が目標となる通常のサービスとは異なり、導入後の運用からお客様の成果につながるまでを支援する伴走型サポートです。
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