今回は製造業の方に向けた、MAツールを導入する前に知っておくべき知識や選定方法、活用方法、MAツール導入事例までをご紹介していきます。
製造業の場合、最初の問い合わせから導入までの検討期間が長いことが多く、一昔前まではマーケティングに注力することなく、ニーズが顕在化している層を営業が開拓をしてくるのが一般的でした。
しかし、近年の市場の変化により、製造業でもMAツールの導入効果に注目が集まっています。
製造業だからこそMAツールが必要な理由とは何か、この記事を読めばMA導入について、全体を理解することができ、自社で導入すべきかを判断することができるようになります。
この記事の目次
1. 製造業におけるMAツールの重要性1.1 マーケティングオートメーションとは?
1.2 MAによって解決できることは?導入のメリット
1.3 なぜ製造業でMAが重要なのか
2. MAツールの選定方法
2.1 MAツールの主要機能と比較ポイント
2.2 製造業で選ぶ際のポイント
3. MAツール導入の成功事例と導入失敗を避けるためのポイント
3.1 活用事例
3.2 MAツール導入時の一般的な落とし穴と対処法
4. MAツール導入後の効果的な活用方法
4.1 展示会でのリード管理
4.2 スコアリングによる顧客の優先度付け
4.3 インサイドセールスでの活用
5 まとめ
1. 製造業におけるMAツールの重要性
マーケティングオートメーションとは?
MAとは、Marketing-Automation(マーケティングオートメーション)の略で、直訳すると「マーケティング業務の自動化」を意味します。
MAは、Webマーケティングにおけるリードナーチャリング(見込み客=リード の購買意欲を高め、受注・商談へと繋げるための一連の活動)を自動化し、マーケティング業務を効率化するためのツールです。新規顧客の獲得に向けて、定型的に発生する作業を見込み客の行動や興味関心、タイミングに合わせて実行します。
MAによって解決できることは?導入のメリット
続いてマーケティングオートメーションを導入すると、どのようなメリットが生まれるか見ていきましょう。
大きなメリットとしては次の3つが挙げられます。
①マーケティング・営業業務の自動化・効率化
②見込み顧客が成約するまでの確率アップ
③顧客情報を一元管理&リスト化
1. マーケティング・営業業務の自動化・効率化
顧客の状況に合わせて、適切な情報を自動で提供することが可能となるため、マーケティング業務の工数削減効果は大きく、人件費の削減にもつながります。
また、営業活動業務のテンプレート化・自動化を行うことで、営業業務の効率化も可能になります。
2. 見込み顧客が成約するまでの確率アップ
MAでは見込み顧客個々の反応や行動についての細かい記録が可能です。それらの情報をもとにして、状況に合わせて、適切なタイミングで情報を提供することが可能なので、顧客の購買意欲を自動で高めていくことができます。リードを放置するリスクも減らせるはずです。
3. 顧客情報を一元管理&リスト化
マーケティングでは、WebサイトやSNSの運用、メール配信など複数の施策を並行して実施することが一般的になっています。各施策における個々の顧客・見込み客の反応や対応状況をMAツールで管理できるのもMAの大きな魅力です。
また、自動的に結果を分析・可視化するレポート機能から、より成約に結びつきそうな顧客をリスト化することもできます。
なぜ製造業でMAが重要なのか
冒頭でも触れたとおり、製造業は導入費用が高く、かつ導入までの検討期間が中長期に渡るケースが多いです。また、営業部門とマーケティング部門など関係者が複数いて、それぞれで抱えてる問題が異なる場合が多いです。
そのため、MAを活用して、顧客のWeb行動を把握したり、顧客との関係性を強化するために適切なタイミングで適切な相手へのアプローチを逃さないことが必須となります。
2. MAツールの選定方法
MAツールの主要機能と比較ポイント
MAツールの主な機能は大きく分けて
- 見込み客を獲得するための機能
- 見込み客を育成するための機能
- 見込み客を管理・分類するための機能
- データ分析をするための機能
の4つになります。
これらはそれぞれ
- フォーム作成機能、ウェブサイト、LP作成機能
- メール作成・配信機能
- 見込み顧客(リード)管理機能、スコアリング機能
- Webアクセス解析機能、レポート作成機能
などが該当します。
製造業で選ぶ際のポイント
比較のポイントとしては、以下のようなポイントに気をつけるとよいでしょう。
部門間連携
BtoBの製造業の場合、マーケティング部が獲得・育成したリードを、営業部が引き継いでアプローチする仕組みが主流になってきています。
この部門間の情報連携ができなければ、MA導入による効果は発揮されません。
どういった条件のリードであれば営業が受け取れるのかを明確に定義し、渡したリードに対して誰が・いつ・どう対応するのかを明確にルール化しましょう。商談化がすぐにできなさそうなリードはマーケティングに戻すといった仕組みも必要です。
業界(自社)の特性にあった機能
例えば、展示会やイベントに参加することが多ければ、フォローアップを自動化できる機能があるか確認しましょう。またメール配信が多ければ、配信の自動化やセグメントがしやすい機能があるかを確認し、MAを導入して実現したいことを明確にして選ぶようにしましょう。
サポート体制
MAツールの導入から運用においてサポートをしっかり受けられるかどうかは、非常に重要な選定ポイントともいえます。
マーケティングに注力できていない企業の場合、マーケティング担当者が他の業務と兼務している場合もあります。そのため人数が少なかったり、専門知識をもつ人材がいなかったりしても運用できるよう、サポート体制の手厚いベンダーを選ぶことが大切になります。
3. MAツール導入の成功事例と導入失敗を避けるためのポイント
活用事例
1. 問い合わせから受注までの期間が長い製品を取り扱っている企業の場合
顧客ごとに受注までどのような接点があったか履歴を蓄積し、情報管理の抜け漏れをなくすことができます。さらに、サイトのどのページを見たかといった顧客の関心度合いや、参加したイベントの履歴を残すことで、受注した顧客にとって有効なコンテンツが何かを検証することができます。
また、期間をあけてのアプローチのタイミングや、営業へのリマインドも自動化することができ、タイミングを逃すことなく顧客をフォローするといった活用も有効です。
2. 展示会の参加がセミナーの開催が多い企業の場合
展示会フォローとして、参加者へお礼メール、ステップメールを自動で配信することができます。さらにはメールにサービスサイトや問い合わせフォームなどのURLを組み込んでおけば、誰がクリックしたか、どのページを閲覧したかをリスト化して、より見込みが高い顧客を抽出することができ、受注率アップに繋がります。
MAツール導入時の一般的な落とし穴と対処法
MAツール導入時に陥りがちな落とし穴としては、導入設計が不十分、リソース不足というものが挙げられます。
MAツール導入前には自社顧客のペルソナ策定や、購買に至るまでのバイヤージャーニーの策定など、事前の設計が必要なものが数多くあります。
これらを準備するだけでも、多くのリソースが必要になります。
対策として、自社にあったMAツールを導入するために、現在のマーケティング活動・営業活動を明確にすること、導入するツールに求める機能などを明確にすること、そしてどれくらいのリソースが確保できるかは確認しておくとよいでしょう。
また、サポート体制を確認しておくことも重要です。誰が、どのくらい、どういう方法でサポートしてくれるのか確認しておきましょう。
4. MAツール導入後の効果的な活用方法
展示会でのリード管理
活用事例でも記載しましたが、展示会で取得したリードへのアプローチだけでなく、展示会で獲得したリードに区別するタグを設定することで、どの展示会からの商談化・受注数が何件あったのかをレポート化することができます。それによりどの展示会が費用対効果があったかなど、分析することができます。
スコアリングによる顧客の優先度付け
狙いたい業種であれば50点、WEBサイトへの訪問履歴があれば10点、セミナーに参加したら20点など、スコアリング設定をすることで、大量にあるリードに加点がされていき、自社顧客となりうるリードの優先度付けができます。
インサイドセールスでの活用
インサイドセールスチームで、リードへのアプローチからアポ獲得を行い、営業チームへリードを渡す際にも、誰とどのようなやり取りがあったか、またアポ獲得から受注数など、一元管理をすることができます。
まとめ
MAツールが、製造業にとってなぜ必要なのか、どのような導入効果があるか、活用方法についてお伝えいたしました。
MAツールでできることは多岐にわたります。
自社にあった形で導入ができれば、工数削減や業務効率化、その先の成果につながるはずです。
ぜひこの機会にMA導入を検討されるのもいいかもしれません。
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