オンライン展示会のリスト管理:リアル展示会と分けて持つ3項目
オンライン展示会で得たリストは、リアル展示会の名刺とは別の項目で管理します。必要なのは地域、行動履歴、そして両方に参加した人の重複判定の3つです。事前登録でデータがそろっている分だけ取り込みは速い一方、対象外の地域や重複が混ざりやすくなります。管理項目の決め方と取り込みの手順を整理します。
オンライン展示会で得たリストは、リアル展示会の名刺とは別の項目で管理します。 会場に来た人と、画面越しに参加した人では、手元に残る情報が違うためです。
管理するのは3項目です。地域、行動履歴、そしてリアル展示会との重複。 この3つを取り込みの時点で記録しておかないと、あとから振り分けることができません。
名刺のデータ化が不要な分、取り込みは速く始められます。その速さを活かせるかどうかは、事前に振り分けの条件を決めているかで決まります。
オンライン展示会とは何か
ウェブ上で行う形式の展示会です。 参加者はパソコンやスマートフォンからアクセスするため、開催場所に関係なく参加できます。
形式は主に3つに分かれます。
- ウェブサイト上での展示会 — 参加者がサイトにアクセスして展示内容を見る形式
- ビデオ会議ツールを使った展示会 — 出展者と直接話しながら製品を見てもらう形式
- 仮想空間を使った展示会 — 会場を再現した空間の中を移動して展示を見る形式
参加者にとっての利点は、移動の費用と時間がかからないこと、業務の合間に参加できること、自分のペースで内容を確認できることです。一方で、製品に触れたり、実際の大きさや重さを体感したりはできません。
出展する側から見た3つの特徴
1. 取り込みが速い
リアル展示会の名刺と違い、はじめからデータの形で手元に入ります。 名刺をスキャンして文字を起こす工程がないため、会期中でもCRMに取り込んで配信を始められます。
フォローの1通目を早く出せるかどうかは、この工程の有無で大きく変わります。
2. 件数が増える
移動の負担がなく、天候の影響も受けないため、参加のハードルが下がります。 リアル展示会と比べて、より多くのリードを獲得できる可能性があります。
3. 1人あたりの情報量が多い
事前登録の際に質問項目を設けられるため、リアル展示会よりも多くの情報を取得できます。 業種、企業規模、役割、検討状況などを、来場前の時点で持っている状態になります。
この情報があると、自社の製品に合う相手とそうでない相手を、フォローの前に区分できます。
管理する3項目
件数も情報量も増えるため、どう管理するかを先に決めておく必要があります。
1. 地域
会場に足を運ぶ必要がないため、営業の対象外となる地域からの参加が混ざります。 海外からの参加もあり得ます。
自社の製品やサービスが対応する地域を先に定義し、対象内か対象外かを判定できる状態にしてください。 たとえば大型の製品で販売後の輸送費が発生する場合、遠方の見込み客より近隣の見込み客が優先される、という判断が成り立ちます。
2. 行動履歴
どのコンテンツを閲覧し、どの資料をダウンロードしたかが取得できることがあります。
この情報があると、「◯◯のコンテンツを見た人にはこのシナリオを配信する」という出し分けができます。関心のあるテーマが分かった状態でフォローを始められるため、初回のメールから内容を合わせられます。
3. リアル展示会との重複
オンライン展示会は、リアル展示会と同時開催されていることが少なくありません。 その場合、両方に参加している人が出てきます。
リアル側ですでに商談やデモまで進んでいる相手に、オンライン用の初回案内を送るのは避けなければなりません。 判定はメールアドレスを基準に行い、重複した相手はリアル側の対応状況を優先してください。営業担当が直接連絡している相手は、一括配信の対象から外します。
取り込みの手順
会期前に、次の4つを決めておいてください。
- 取り込み先(どのCRMのどの項目に入れるか)
- どの展示会で獲得したかを記録する値(展示会名と開催年月を含む形)
- 対象外と判定する条件(地域、業種、同業他社など)
- 重複した場合にどちらを優先するか
2つ目が抜けると、数ヶ月後に生まれた商談をこの展示会と結びつけられません。 費用対効果の計算そのものができなくなります。指標の置き方と計算方法は展示会のKPI設定にまとめています。
会期後は、取り込み、重複の判定、対象外の除外、セグメント分け、配信という順番で進めます。この順番を守らないと、対象外の相手にまで配信することになります。
よくある失敗
1. 全件に同じメールを送る
事前登録で得た情報を使わず、一括で同じ内容を送ってしまうケースです。取得した情報量が多いことがオンライン展示会の利点なので、これを使わないと利点が消えます。
2. 重複の確認を飛ばす
同時開催の場合に最も起きやすい事故です。商談中の相手に初回の案内が届くと、それまでの対応の印象まで損なわれます。
3. 対象外を除外せずに件数を報告する
海外や対象外地域からの登録を含めた件数で成果を報告すると、次回の出展判断を誤ります。 対象内の件数を主の指標にしてください。
まとめ
オンライン展示会のリストで管理するのは、地域、行動履歴、リアル展示会との重複の3項目です。取り込みの時点で記録しないと、あとから振り分けられません。
名刺のデータ化が不要な分、フォローを速く始められます。ただし件数と情報量が増えるため、振り分けの条件を会期前に決めておく必要があります。
出展費用は主催者や形式によって差が大きいため、検討中の展示会の公式サイトで出展要項を確認してください。判断する際は、出展料だけでなく制作費・人員・会期後のフォロー工数まで含めて計算します。
フォローの全体設計は展示会のアフターフォロー、メールの通数と文面は展示会後のステップメール、電話とメールの使い分けは展示会のフォローは電話かメールかで扱っています。
トライエッジでは、HubSpotやZoho CRMを用いたSFA/CRM/MAの導入・運用支援を行っています。詳しくはCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. オンライン展示会で獲得したリストは何を管理すればよいですか?
3項目です。1つ目は地域(自社が対応できる範囲かどうかの判定に使う)、2つ目は行動履歴(どのコンテンツを見て、どの資料をダウンロードしたか)、3つ目はリアル展示会との重複です。この3つを取り込みの時点で記録しておかないと、あとから振り分けることができません。
Q. なぜ地域を管理する必要があるのですか?
理由は2つです。会場に足を運ぶ必要がないため営業の対象外となる地域からの参加が混ざること、そして海外からの参加もあり得ることです。自社の製品やサービスが対応する地域を先に定義し、対象内か対象外かを判定できる状態にしてください。大型の製品で販売後の輸送費が発生する場合など、距離が優先順位に直結する商材では特に必要になります。
Q. リアル展示会と同時開催の場合、リストはどう扱えばよいですか?
手順は3段階です。メールアドレスを基準に重複を判定し、重複した相手をリアル側の対応状況で振り分け、残りに一括配信します。同じ人が両方に参加していることがあり、リアル側ではすでに商談やデモまで進んでいる場合があります。この確認をせずに一括で同じフォローメールを送ると、商談中の相手に初回の案内が届きます。判定はメールアドレスを基準に行うのが確実です。
Q. オンライン展示会のリストはリアル展示会より扱いやすいのですか?
取り込みは速くなります。名刺のデータ化が不要で、事前登録の時点でデータとして手元にあるため、会期中でも取り込んで配信を始められます。一方で、件数が増え、1人あたりの情報量も増えるため、振り分けの条件を決めていないと処理しきれません。速く始められる分、事前の設計の有無が結果に出ます。
Q. オンライン展示会の出展費用はどれくらいですか?
主催者や形式によって差が大きいため、出展を検討している展示会の公式サイトで出展要項を確認してください。費用対効果を判断する際は、総額に含める項目は4つで、出展料、コンテンツの制作費、配信のための機材や人員、会期後のフォローにかかる工数です。出展料だけで比較すると実態から離れます。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年3月29日公開/2026年8月14日更新。