Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を既に導入または検討しているものの、その機能を十分に活用、理解できていないと感じているかもしれません。
本記事では、まず初めにMarketing Cloud Account Engagementの基本概要に触れ、BtoBマーケティングにおけるPardotの最適な活用方法のポイントを解説します。
この記事の目次
1 Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の基本機能と利点1.1 マーケティングマネージャーが直面する課題
2 Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の基本概要と重要な機能
3 マーケティングオートメーション機能の効果的な活用
4 セールスとマーケティングのシームレスな連携
5 効果的な施策の実行と管理
5.1 マーケティングキャンペーンの企画と実行方法
6 レポーティングと分析機能を活用したデータドリブンなアプローチ
7 効率的な見込み客管理とカスタマージャーニーの最適化
8 コストと効率性のバランス
8.1 価格やプランについて
9 自動化機能と日々の業務の効率化(Salesforceやその他ツールとの連携)
10 BtoBマーケティングにおけるMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の最適な活用方法
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の基本機能と利点
マーケティングマネージャーが直面する課題
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を活用する際、マーケティングマネージャーが直面する課題はいくつかあります。
システム統合とデータ品質の確保
複数のシステムを使用している場合、異なるシステムを効果的に連携させる必要があります。システムの複雑性に対処し、データ品質を維持するための対策がマネージャーには求められます。
新機能の理解と迅速な対応
マネージャーは常に最新の情報を把握し、新機能に迅速かつ適切な対応を行うスキルが求められ、ROIの最適化にも焦点を当てる必要があります。
データ分析と戦略の調整
キャンペーンの成果を評価し、予算を効果的に管理するためには、データ分析と的確な戦略の調整が不可欠です。そのためには数字に基づいた意思決定を行うスキルが求められます。
セキュリティの確保
顧客データの保護とプライバシーの遵守は絶対条件です。信頼性のあるセキュリティ対策を構築・維持し、法令や基準に従うことが不可欠です。
これらの課題にマネージャーが柔軟かつ的確に対処し、ツールを効果的に活用することが成功の鍵となります。
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の基本概要と重要な機能
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)は、Salesforceが提供するマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
効果的なマーケティングキャンペーンの設計・実行から見込み客の管理・育成をすることができます。
具体的な主な機能について解説します。
リード管理 | 見込み顧客情報を中心に統合し、効果的なリード管理を実現します。 |
メールマーケティング | ターゲットリストに対してパーソナライズされたメールキャンペーンを実施し、顧客との関係を強化します。 |
ランディングページ作成 | インタラクティブで効果的なランディングページを簡単に作成し、コンバージョンを促進します。 |
スコアリング | 顧客行動に基づくスコアリング機能で、優良な見込み客を特定し商談・受注へと繋げます。 |
自動化 | マーケティングプロセスを自動化して、一貫性のあるキャンペーン展開と見込み客の追跡を実現します。これにより、マーケティングマネージャーの作業量を削減して効率化を実現します。 |
アナリティクス | キャンペーンの効果を測定し、リアルタイムのデータ分析により戦略の最適化を促進します。 |
CRMとの統合 | Salesforceとのシームレスな統合により、セールスとマーケティングの協力を強化し、全体的なビジネス成果を最大化します。 |
マーケティングオートメーション機能の効果的な活用
マーケティングオートメーションは効果的な活用が重要です。
以下では、具体的な活用例について解説します。
見込み客セグメンテーション
ターゲット層を明確にし、顧客を細分化することで、より的確で効果的なアプローチが可能です。
自動フォローアップ
見込み客が特定のアクションを起こすと、自動的にフォローアップアクションがトリガーされる仕組みを構築し、見込み客の育成を効果的に実施します。
モニタリングと改善サイクル
継続的なキャンペーンモニタリングとデータ分析を通じ、定期的な改善サイクルを確立します。戦略や手法の調整を行いながら、パフォーマンス向上を実現します。
セールスとマーケティングのシームレスな連携
ビジネスの成功には、セールスとマーケティングが円滑に連携することが不可欠です。
マーケティングが生成した見込み客情報は、セールスに迅速に提供されることで、活動の最適化を促進します。逆に、セールスが得た市場フィードバックやリアルな顧客ニーズ情報はマーケティング戦略に生かされ、より効果的なマーケティング施策の実行が可能です。
これにより、組織全体が一貫性を持ち、見込み客から顧客に至るまでの顧客満足度の向上とビジネスの成果を加速させます。
効果的な施策の実行と管理
マーケティングキャンペーンの企画と実行方法
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を活用したマーケティングキャンペーンの企画と実行には、以下のステップが重要です。
- 目標設定
キャンペーンの具体的な目標を設定することが大事です。例えば、見込み客獲得数の増加、セールスへの見込み客転換率向上などが挙げられます。 - ターゲットの定義
キャンペーンの対象となるターゲットを明確に定義します。セグメンテーション機能を利用して特定の条件に基づいてターゲットを絞り込みます。 - 個別化されたコンテンツ
特定のセグメントに向けたパーソナライズされたメールやランディングページを作成します。受け手に合わせたコンテンツがキャンペーンの効果を高めます。 - 自動化の設定
自動化機能を活用して、見込み客の進捗に応じた自動フォローアップやリマーケティングのプロセスを設定します。これにより、見込み客の育成を効果的に行えます。 - トラッキングと分析
アナリティクス機能を利用して、キャンペーンの進捗や成果をモニタリングします。データから学び、キャンペーンを最適化していくことが重要です。 - 継続的な改善
データに基づいてキャンペーンを分析し、成功した要素を抽出して次回の企画に活かすなど、継続的な改善サイクルを確立します。
レポーティングと分析機能を活用したデータドリブンなアプローチ
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を活用したレポーティングと分析機能を組み合わせることで、データドリブンなマーケティングアプローチを実現できます。
レポーティングと分析機能を駆使することで、データに裏打ちされたマーケティング戦略をより効果的に進化させることが可能です。
カスタムレポートの作成
カスタムレポート機能を使用して、キャンペーンの成果や見込み客の動向など、特定のKPIに焦点を当てたレポートを作成します。
見込み客スコアリングの分析
スコアリング機能を通じて、見込み客の行動データを分析します。どの活動が高いスコアを生むかを理解し、それに基づいて戦略を調整します。
コンバージョンのトラッキング
トラッキング機能を使用して、見込み客がどの段階でコンバージョンに至ったかを把握します。これにより、成功要因や課題を特定しやすくなります。
アクティビティレポートの活用
メールの開封率やクリック率、ランディングページの閲覧履歴など、各種アクティビティのレポートを作成し、キャンペーンの効果を可視化します。
A/Bテストの結果分析
A/Bテスト機能を利用して異なる要素の比較を行い、最適な要素を見つけ出します。これにより、効果的なマーケティングメッセージやデザインを特定します。
効率的な見込み客管理とカスタマージャーニーの最適化
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を活用した効率的な見込み客管理とカスタマージャーニーの最適化には以下のステップがあります。以下のステップを踏むことで、見込み客管理とカスタマージャーニーを最適化することが可能です。
見込み客獲得の最適化
フォームやランディングページを活用して、興味を持った見込み客のデータを収集します。フォームの最適化やA/Bテストを通じて、見込み客の獲得率を向上させます。
動的コンテンツの導入
動的コンテンツ機能を使い、見込み客が興味を示した分野に基づいて、動的に変化するコンテンツを提供します。これにより、個々の見込み客に適した情報を効果的に届けます。
マルチチャネルの統合
他のマーケティング手段やプラットフォームと組み合わせ、顧客がスムーズに進む一貫した体験を作り上げます。見込み客がどの手段を経て成約に至るのかを理解し、最良の体験を提供します。
コストと効率性のバランス
価格やプランについて
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)のプランや価格体系についても説明します。
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)には、Growth、Plus、Advancedと3種類のライセンスがあります。いずれも年間契約で、最大コンタクト数は10,000です。
ライセンス | 機能 | 金額(月額) |
Growth | ごく標準的な機能を備えたマーケティングオートメーション | 15万円 |
Plus | アナリティクス機能を搭載したマーケティングオートメーション | 30万円 |
Advanced | イノベーションを実現する高度なマーケティングオートメーショ | 48万円 |
※2023年12月時点
自動化機能と日々の業務の効率化(Salesforceやその他ツールとの連携)
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の自動化機能を活用することで、日々の業務を効率的に進めることができます。
下記の機能を組み合わせることで、Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)は自動化と効率化を実現し、マーケティングおよびセールスの業務プロセスを向上させます。
見込み客管理の自動化
見込み客の動きを自動的に追跡し、スコアリングやグレーディングを行います。見込み客が特定の活動を行った場合、自動的に適切なアクションやフォローアップをトリガーします。これにより、セールスチームはより質の高い見込み客に焦点を当てることができます。
ナーチャリングキャンペーン
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を使用してナーチャリングキャンペーンを設計し、見込み客が段階的に進むプロセスを自動的に管理します。見込み客が準備ができると、セールスに通知が送られ、スムーズな引き継ぎが実現されます。
メールマーケティングの自動化
メールの配信や追跡を自動化します。トリガーや条件に基づいて特定のメッセージを送信し、見込み客の行動に合わせて自動的にフォローアップメールを配信することが可能です。
Salesforceとの連携
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)はSalesforceとシームレスに統合されています。この連携により、見込み客や取引情報の双方向同期が行われ、セールスとマーケティングチームは同じ情報を共有できます。セールスが見込み客に対するアクションを起こすと、それがPardotにも反映され、逆も然りです。
他ツールとの統合
Pardotは他のツールやプラットフォームとも連携可能です。例えば、CRMツールやウェブ会議ツールとの統合を通じて、情報の一元管理が実現され、業務の効率化が促進されます。
BtoBマーケティングにおけるMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)の最適な活用方法
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)は、BtoBマーケティングにおいて大きな進化をもたらしています。見込み客の管理やナーチャリングの自動化により、顧客との効果的なやり取りが可能になっています。
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)を有効に活用するためには、マネージャーは全体像を理解し、データを駆使した戦略の進化を図る必要があります。新しい技術を導入し、従来の手法を見直すことで、組織全体での円滑な連携を築き上げることが不可欠です。
その一方で、チームメンバーの入力しやすさも重要です。新しい機能や戦略を導入するプロセスが複雑だと、チームメンバーが効果的に活用することが難しくなります。各メンバーが使いやすい状態でデータの入力が徹底されることで、正しい分析を行い、効果的なマーケティング戦略の策定を実践していきましょう。
なお、株式会社トライエッジでは、HubSpotやZohoを用いたSFA/CRM/MAの導入/運用支援を行っています。システム導入が目標となる通常のサービスとは異なり、導入後の運用からお客様の成果が出るまでを支援する伴走型のサポートです。
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