Zoho CRMのビューとレポートの違い:1つのタブか複数タブかで使い分ける
Zoho CRMのビューは1つのタブの中だけで一覧を絞り込む機能、レポートは複数のタブをまたいで一覧化と集計を行う機能です。ビューは一括更新と一括メール送信ができますが、レポートはできません。両者のできること・できないことと、レポートの作成手順、どちらで作るべきかの判断基準を画面付きで整理しました。
Zoho CRMのビューは1つのタブの中だけで一覧を絞り込む機能、レポートは複数のタブをまたいで一覧化と集計を行う機能です。 どちらも条件を指定してデータを一覧化する点は同じですが、扱える範囲が違います。
判断の基準は2つです。 1つのタブで済むならビュー、複数タブを組み合わせるならレポート。表示した一覧をまとめて更新したいならビュー、共有とエクスポートが目的ならレポートです。
この記事では両者のできること・できないことと、作成手順を整理します。
ビューは何ができて、何ができないのか
Zoho CRMの「ビュー」とは、各タブの情報を条件を指定して一覧化できる機能です。画面上部の各タブをクリックして表示される一覧画面の左上にあり、この部分から新たなビューの作成と、作成したビューの条件変更ができます。
下の画面は、取引先タブの「Demo」という名称のビューを表示させたものです。

タイトルの横にある「編集」というリンクから、一覧で表示させる情報の抽出条件や項目の並び順を指定できます。下の画面では、取引先タブの「取引先名」に「テスト」という言葉が含まれる企業を表示させる条件が設定されています。

ビューでできることは、条件指定をした一覧の表示だけではありません。 表示させた一覧の左端にチェックをつけることで、指定した項目の一括更新やタグ付けが行えます。連絡先タブでは一括メール送信も可能です。

できないことは、他のタブの情報を並べることです。 条件指定と一覧で表示できる情報の範囲は、基本的にそのタブ内の情報のみに限定されます。取引先タブのビューでは、商談タブや連絡先タブにある項目を同じ一覧上に表示させることはできません。
したがってビューは、各タブ内の情報の一覧表示と、その一覧に対する一括更新に使う機能と考えてください。
レポートは何ができて、何ができないのか
Zoho CRMの「レポート」とは、複数のタブの情報を条件指定して一覧化できる集計機能です。画面上部の「レポート」のタブをクリックし、画面右上の「レポートの作成」ボタンから作成します。

レポートの作成手順
ステップ1:集計対象のタブを選ぶ
「レポートの作成」ボタンを押した後、集計の対象とするタブを複数選択します。画面上部でメイン情報とするタブを選択し(画面では取引先)、次に同時に表示・集計したいサブ情報のタブを選択します(画面では商談にチェック)。選択後、「続ける」をクリックします。

ステップ2:表示形式を選ぶ
レポートの表示・集計形式を3つの中から選択します。一覧形式に加え、集計の行が挿入された「要約レポート」と、Excelのピボットテーブルのような「マトリクスレポート」を選べます。

ステップ3:項目とフィルターを設定する
レポートで一覧表示させたい項目を、それぞれのタブから選んで右側のボックスに追加します。追加後は各項目の並び替えができます。「フィルター」の部分では、表示・集計させる情報の条件を指定します。下の画面では、取引名に「テスト」という文字が含まれている企業の商談情報(商談名や案件の金額など)を表示させる設定です。

ステップ4:実行する
「実行」のボタンを押すと、設定した条件でレポートが表示されます。下の画面は一覧表示のレポートで、取引先タブの情報と合わせて商談タブの情報が並んでいます。

マトリクスレポートの形式で、各商談の総額を完了予定の月ごとに表示・集計させると、下の画面のようになります。

できないことは、一覧からの一括更新です。 レポートで集計・表示した結果から、ビューのようにデータを一括して変更・更新することはできません。レポートは、集計した一覧情報を複数のメンバーへ共有する、またはエクスポートしてより複雑な分析用のデータとして使う、という位置づけになります。
どちらを使うべきか
| 判断する点 | ビュー | レポート |
|---|---|---|
| 扱えるタブ | 1つのタブ内のみ | 複数のタブを組み合わせられる |
| 一括更新・一括メール | できる(メールは連絡先タブのみ) | できない |
| 表示形式 | 一覧のみ | 一覧・要約・マトリクスから選べる |
| エクスポート | Zoho Sheetで表示し直してから行う | 表示された画面からそのまま行える |
| 向いている用途 | 毎日の作業で見る絞り込み、まとめて直す作業 | 定期的に集計して共有する数字、分析用データの書き出し |
エクスポートが前提なら、最初からレポートで作ってください。 ビューからのエクスポートは一度Zoho Sheetを経由する必要があり、手順が増えます。
つまずきやすい点
1. レポートで済むものをビューで作り続ける
ビューは作るのが簡単なぶん増えやすく、似た条件のものが並ぶと選ぶときに迷います。作る前に「毎日開くか、月に一度見るか」を決めてください。 毎日開くならビュー、月に一度ならレポートです。
2. 使われていないビューが放置される
一覧が増えすぎると、必要なビューを探す時間のほうが長くなります。使われていないビューは削除するか、共有範囲を絞って非公開にしてください。
3. 集計したいのにビューで無理をする
商談の金額を担当者別・月別に集計したいといった要件は、ビューでは対応できません。複数タブの組み合わせや集計が出てきた時点で、レポートに切り替えてください。 グラフとして常時見たい場合は、さらにアナリティクスのダッシュボードが向いています。手順はZoho CRMのダッシュボード設定手順にまとめています。
まとめ
ビューは1つのタブ内の一覧表示と一括更新、レポートは複数タブをまたいだ一覧化と集計です。この違いを押さえておけば、どちらで作るべきかは作業を始める前に決まります。
用途を分けずに使うと、不要な手順と工数が発生します。 毎日の絞り込みはビュー、定期的に共有する数字はレポート、という切り分けから始めてください。
トライエッジはゾーホージャパン社の認定パートナーとして、導入と運用の支援を行っています。Zoho CRMの機能と料金はZoho CRMの料金と機能、運用の定着の考え方はCRMの運用方法、支援内容はZoho 導入・運用支援をご覧ください。乗り換えや運用改善のご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. Zoho CRMのビューとは何ですか?
各タブの情報を、条件を指定して一覧化する機能です。画面上部の各タブをクリックして表示される一覧画面の左上にあり、そこから新しいビューの作成と、作成済みビューの条件変更ができます。タイトル横の編集というリンクから、抽出条件と項目の並び順を指定できます。日々の作業画面そのものを絞り込むための機能です。
Q. ビューでできることは一覧表示だけですか?
違います。条件指定した一覧の表示に加えて、一覧の左端にチェックを付けると、指定した項目の一括更新とタグ付けが行えます。連絡先タブでは一括メール送信もできます。ただし条件指定と表示の範囲は、基本的にそのタブ内の情報だけに限られます。取引先タブのビューに、商談タブや連絡先タブの項目を並べることはできません。
Q. レポートはどこから作成しますか?
5ステップです。画面上部のレポートタブをクリックする、右上のレポートの作成を押す、メインにするタブと同時に集計したいサブのタブを選んで続けるを押す、表示形式を表形式・要約レポート・マトリクスレポートから選ぶ、表示したい項目を右側のボックスへ追加してフィルターを設定し実行を押す、の順です。
Q. ビューとレポートはどう使い分ければよいですか?
判断の基準は2つです。1つ目は使うタブの数で、1つのタブの中だけで済むならビュー、複数のタブの情報を組み合わせるならレポートです。2つ目は一括更新の有無で、表示した一覧のデータをまとめて更新したり一括メールを送ったりするならビューを使います。レポートは集計結果の共有と分析用のエクスポートに向いています。
Q. 一覧をエクスポートしたい場合はどちらを使いますか?
レポートです。レポートは表示された画面からそのままエクスポートできますが、ビューの場合は一度Zoho Sheetで一覧を表示し直してからでないとエクスポートできません。エクスポートして加工することが前提なら、最初からレポートで作っておくほうが手順が減ります。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/向佐 望(CRMコンサルタント)。 2024年3月29日公開/2026年8月15日更新。