Zoho CRMのWebフォーム上限を超えて運用する方法:1つのフォームを使い回す
Zoho CRMのWebフォームはタブごとに作成数の上限があり、スタンダードは5、プロフェッショナルは10フォームまでです。1つのフォームを使い回し、隠し項目の初期値でどのフォーム経由かを判別すれば上限を超えて運用できます。項目の統一、設置URLのワイルドカード指定、ソース形式での埋め込みまで解説します。
Zoho CRMのWebフォームは、1つのフォームを複数ページで使い回し、隠し項目の初期値でどのフォーム経由かを判別すれば、プランの上限を超えて運用できます。
必要な設定は4つです。フォームの項目を共通の基本項目に統一する/隠し項目を作って初期値を入れる/設置URLをアスタリスク(ワイルドカード)にする/埋め込みコードをソース形式で取得し、ページごとに初期値のHTMLを書き換える。 一部HTMLの編集が入るため、初回は30分ほど見ておいてください。
この記事では、プラン別の上限、成立させるための条件、設定手順、そしてこの方法が使えないケースを整理します。
Webフォームはプランごとに何個まで作れるか
| 無料 | スタンダード | プロフェッショナル | エンタープライズ | アルティメット | |
|---|---|---|---|---|---|
| Webフォーム(見込み客) | 1フォーム / タブ | 5フォーム / タブ | 10フォーム / タブ | 20フォーム / タブ | 100フォーム / タブ |
| Webフォーム(連絡先) | 1フォーム / タブ | 5フォーム / タブ | 10フォーム / タブ | 20フォーム / タブ | 100フォーム / タブ |
| Webフォーム(問い合わせ登録) | – | – | ✔ | ✔ | ✔ |
| 担当者へ通知 | – | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
BtoBで、
- 問い合わせフォーム
- ホワイトペーパー
- ウェビナー運営
を並行して回すと、スタンダードの5フォームやプロフェッショナルの10フォームはすぐに埋まります。 埋まるたびに過去のフォームを削除するか、プランを上げることになります。プラン変更で費用がどう変わるかはZoho CRMの料金と機能で確認できます。
以下は、プランを上げずにフォーム数を増やす方法です。
この方法が成立する条件
全体像
上限値以上のフォームを運用するには、次の構造を作ります。

条件1:フォームの項目を統一する
1つのWebフォームを使い回すため、フォームの項目をある程度統一する必要があります。 フォームごとに項目がばらばらだと、この方法は使えません。
統一する項目は、次のような一般的なものに留めます。
- 企業名
- URL
- 電話番号
- 氏名
条件2:隠し項目でフォームを判別する
Zoho CRMのWebフォームには、**隠し項目(Webサイト上では表示されない項目)**を設定できます。この隠し項目で、どのWebフォームなのかを判別できるようにします。
この隠し項目で設定する値をフォームによって変えることが、この方法のいちばん重要な部分です。
条件3:埋め込みはソース形式で行う
Zoho CRMのWebフォームは、
- ソース
- 組み込み
- iFrame
の3つの方法で埋め込めますが、この方法はソースでないと動作しません。 一部HTMLの知識が必要になります。
設定手順
ステップ1:Webフォームを作る
まずZoho CRMでWebフォームを作ります。ここで使う項目を他のフォームでも使うため、項目は必要最低限かつ、どのフォームでも使える基本的なものだけにします。

フォームそのものの作り方はZoho CRMでWEBフォームを作る方法にまとめています。
ステップ2:隠し項目と初期値を設定する
作成した項目を隠し項目にするには、[項目のプロパティ]から[オプション]の隠し項目にチェックを入れます。そのうえで初期値を設定します。
**この初期値が「どのフォームから来たかを判別する箇所」**になるので、どのWebフォームに使うのかを事前に決めておきます。

初期値はあとから追加することもできるため、1度Webフォームを作成したあとに別のWebフォームを増やしたい場合にも使えます。
ステップ3:設置URLにワイルドカードを指定する
項目設定が終わると、どのWebサイトにフォームを設置するのかを指定する画面に移ります。ここで[フォームを設置するURL]に「*」を入れます。
この「*」がワイルドカードで、どのURLにフォームが設置されていてもWebフォームが正しく動作するようになります。 逆にWebサイトのURLを指定すると、そのURLでしかフォームが動作しません。

ステップ4:埋め込みコードをソースで取得する
Webフォームが完成したら、埋め込み用のコードを取得します。組み込みオプションのコード形式は「ソース」を選びます。

ステップ5:フォームごとにHTMLを書き換える
Webサイトにフォームを埋め込んだら、HTMLを少し変更します。変更するのは隠し項目として設定した箇所です。
隠し項目の部分は、多くの**<option value>というタグで囲まれています。この中に1つ<option selected value>**があり、これがステップ2で[初期値]として設定した箇所です。
この<option selected value>の部分をフォームごとに変更することで、同じフォームをいくつものページに転用できます。

ステップ6:初期値ごとに返信メールを分ける
最後に、ステップ2で設定した[初期値]に合わせてワークフローで返信メールを作成すれば、登録された顧客への一次対応まで自動で完了します。ワークフローの作り方はZoho CRMのワークフロー設定にまとめています。
向いている場合・向いていない場合
向いている場合
- ホワイトペーパーやウェビナーの申し込みなど、聞く項目が同じフォームを大量に置きたい
- サイトのHTMLを自分たちで編集できる
- フォーム経由の判別ができれば、あとはワークフローで分岐させたい
向いていない場合
- ページごとに聞く項目が変わる(項目を統一できない時点で成立しません)
- サイトのHTMLを編集できない、または編集を依頼するたびに時間がかかる
- フォームの数がまだ上限に達しておらず、プラン内で足りている
フォーム数が上限に届いていないうちは、この方法を使う必要はありません。 HTMLの書き換えという手間が毎回発生するため、上限に達してから検討するほうが結果的に速く済みます。
つまずきやすい点
1. 初期値の書き換えを忘れる
ページに埋め込んだあとHTMLの初期値を直し忘れると、すべての問い合わせが同じ経路として記録されます。フォームを設置したら、テスト送信して隠し項目の値がZoho CRMに正しく入るかを毎回確認してください。
2. 設置URLを具体的に指定してしまう
「*」ではなく特定のURLを入れると、そのページでしかフォームが動作しません。使い回しが前提なので、ここは必ずワイルドカードにします。
3. 組み込みやiFrameで貼ってしまう
HTMLを書き換える前提の方法のため、ソース以外では動きません。埋め込み形式は取得時に選ぶので、コードを取る段階で間違えないようにしてください。
まとめ
Zoho CRMのWebフォームは、タブごとにスタンダード5・プロフェッショナル10といった上限があります。1つのフォームを使い回し、隠し項目の初期値でフォームを判別すれば、この上限を超えて運用できます。
条件は、項目を共通の基本項目に統一すること、設置URLをワイルドカードにすること、埋め込みをソース形式にすることの3つです。初期値に合わせてワークフローで返信メールを分ければ、一次対応まで自動化できます。
Zoho CRMの機能と料金はZoho CRMの料金と機能、Zohoの導入・運用支援はZoho 導入・運用支援、CRM全般の設計はCRM構築・運用をご覧ください。設定でお困りの場合はお問い合わせからご相談ください。
FAQよくあるご質問
Q. Zoho CRMのWebフォームは何個まで作れますか?
タブごとの上限は、無料プランが1フォーム、スタンダードが5フォーム、プロフェッショナルが10フォーム、エンタープライズが20フォーム、アルティメットが100フォームです。見込み客と連絡先でそれぞれこの数まで作れます。問い合わせ登録のWebフォームはプロフェッショナル以上で利用できます。
Q. 上限を超えてフォームを増やすにはどうしますか?
1つのWebフォームを複数ページで使い回し、隠し項目の初期値でどのフォーム経由かを判別します。手順は4つです。1つ目にフォームの項目を共通の基本項目だけに統一する。2つ目に隠し項目を作り初期値を設定する。3つ目に設置URLをアスタリスク(ワイルドカード)にする。4つ目に埋め込みコードをソース形式で取得し、ページごとに初期値のHTMLを書き換えます。
Q. どの項目をフォームに置けばよいですか?
企業名・URL・電話番号・氏名など、どのページでも共通して聞ける一般的な項目だけに絞ってください。1つのフォームを使い回す方法なので、ページごとに項目が変わると成立しません。ページ固有の質問を入れたい場合は、この方法ではなく別のフォームを作る判断になります。
Q. 埋め込みは組み込みやiFrameでもよいですか?
ソースを選んでください。Zoho CRMのWebフォームはソース・組み込み・iFrameの3つの方法で埋め込めますが、この方法はページごとにHTMLの初期値を書き換える前提のため、ソース以外では動作しません。HTMLを編集するので、一部HTMLの知識が必要になります。
Q. 設置URLはなぜワイルドカードにするのですか?
1つのフォームを複数のページで使うためです。フォームを設置するURLの欄にアスタリスクを入れると、どのURLに設置してもフォームが正しく動作します。逆に特定のURLを指定すると、そのURLでしかフォームが動かず、使い回しができなくなります。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/向佐 望(CRMコンサルタント)。 2024年3月29日公開/2026年8月14日更新。