SFA / CRM基礎講座①:導入の目的は優良顧客の発掘と育成

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SFA(営業支援システム) / CRM(顧客管理システム)を営業・販売現場に導入する際によく挙げられる課題としては「導入効果がわからない」「費用対効果が見えない」などがあるかと思います。

SFA / CRMは「顧客を管理する」というだけの認識でいてしまうと、導入後に「一体何のメリットがあるのか」といった点が不明確になりがちで、正しい情報入力などの業務が営業・販売現場に負担となり、運用に支障をきたすことになりかねません。SFA / CRMを導入するのは目的でなく手段ですから、なぜSFA / CRMを導入するのかといった点についてはしっかりと組織内で共有をしておく必要があります。

今回はSFA / CRM導入を検討している方向けに、明確にすべき「SFA / CRM導入の目的とゴール」について解説します。

この記事の目次

SFA / CRM導入の目的とゴールとは

なぜ優良顧客を発見することが大切なのか

SFA / CRM導入の目的とゴールを全社共通認識に

SFA / CRM導入の目的とゴールとは

なぜSFA / CRM導入するのでしょうか。その最大の目的は

優良顧客の発掘と育成

にあります。ですので、SFA / CRM導入のゴールは「優良顧客が明確となり、施策を実行に移すことができる」状態にすることであるといえるでしょう。

企業が営業・販売活動を行っていくにあたり、様々な顧客と接点をもちますが、そのすべて同じではありません。一回しかサービスを利用してくれない顧客もいれば、複数回利用してくれるリピーターとなる顧客もいます。顧客によって使ってくれる金額もまちまちでしょう。

そういった中で「自社にとっての優良顧客とは一体誰なのかを明確にしておくことは、非常に重要です。
扱う商品や業界によって異なりますが、企業にとっての優良顧客は一般的には下記のような基準で定義をします。

  1. 長期利用してくれる顧客
  2. 複数回に渡って利用をしてくれる顧客
  3. 大きな金額を使ってくれる顧客

たとえば、定額で通えるスポーツジムで考えた場合は、利用料は一定ですから1.長期間利用してくれる顧客が「優良顧客」となりますし、洋服を販売するアパレル洋品店の場合は2.3.の指標である何度も来店してくれて、なおかつ多くの金額を使ってくれる顧客が「優良顧客」となるでしょう。

基本的な考え方は、その顧客が商品やサービスに対して持っている消費する総額であるLTV(ライフタイムバリュー)が大きい場合に「優良顧客」ということになります。

 

なぜ優良顧客を発見することが大切なのか

営業・販売活動を行う中で、顧客から情報を入手して行くかと思います。購買頻度や購入金額、購入回数などの購買行動だけでなく、顧客に直接ヒアリングすることで顧客の属性情報(個人であれば性別や職業・年収など。法人であれば従業員数や売上高など)を得ることも可能です。SFA / CRMがあれば、そういった顧客データを蓄積していくことが可能です。

そういった顧客情報で最も重要なのは「予算の大きさ」です。顧客がそのサービスに使うことができる最大値を知ることができれば「誰が優良顧客なのか」もしくは「誰が優良顧客となりうるのか」という区分けができるようになるのです。

一方で、なぜ優良顧客を発見することが重要なのでしょうか。

それには

①多くの場合は優良顧客によって大半の売上が構成をされている
②新規の顧客を獲得するより、既存顧客との取引を拡大するほうが労力がかからない

という2つの理由があります。

 

①はパレートの法則が代表的な考え方です。

パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。
ウィキペディアより)

このパレートの法則は、ビジネスの現場においては「多くの場合において20%〜30%の優良顧客が売上の70〜80%を占めている」という現象を指します。

飲食店ではこういった顧客を常連客と呼んでいます。多くの飲食店ではこうした常連客が大半の売上を作っているわけです。企業としてはこういった常連客(=優良顧客)の動向をしっかり把握し、自社の商品やサービスから離れていかないように引き止めておく必要があります。

また②の理由ですが、一般的に既存顧客との取引を伸ばすより、顧客を新たに獲得するのは数倍の労力(手間と時間)がかかると言われています。営業活動ではついつい「新規のお客様を増やす」ということに注力しがちですが、限られた営業・販売のリソースを有効的に活用するためには、「より大きな取引をすることができる可能性がある”優良顧客”もしくは”優良になる可能性が高い顧客”は誰なのか」をしっかりと把握し、既存顧客にもしっかりとアプローチをしていく必要があります。

こういった優良顧客、もしくは優良顧客となりうる顧客は一体誰なのかを把握し、そこに対して効率的に営業・販売活動を行うためのツールがCRMなのです。

 

SFA / CRM導入の目的とゴールを全社共通認識に

このように「優良顧客を把握し、営業・販売を効率的に行うこと」は企業活動として非常に重要ですし、SFA / CRMはそれを実現するために必要不可欠なツールとなります。

SFA / CRMを単なる情報を蓄積するだけの箱と考えず、情報を活用して優良顧客を育成していくための施策を実行してこそ意味がありますから、全社の共通認識としてマーケティング活動を行いましょう。

 

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