SFA / CRMの基礎。今回は第二回目です。
前回の第一回では、「SFA / CRMを導入する際に何をゴールとするべきか」を解説いたしました。
その中で、SFA / CRM導入の目的は「優良顧客の発掘と育成」にあると定義しましたが、ここで重要となってくるのは、優良顧客の定義方法です。
今回はこういった優良顧客の定義付けの方法の一つである「予算の大きさ=ポテンシャルの高さ」についての考え方と、実際のビジネスにおけるデータ収集方法について説明いたします。
この記事の目次
1 顧客の定義:ポテンシャルの考え方2 顧客のポテンシャルの収集方法
2.1 BtoCビジネスのポテンシャルの収集方法
2.2 BtoBビジネスのポテンシャルの収集方法
3 顧客のポテンシャルの区分方法
4 ポテンシャル情報をSFA / CRMにしっかり蓄積させましょう
5 格安で導入できるCRMなら「Zoho CRM」
顧客の定義:ポテンシャルの考え方
優良顧客判別の重要な要素として挙げられるのが、前回の記事でも一部解説いたしましたが予算の大きさです。SFA / CRMの世界ではこれを「ポテンシャルの高さ」と呼ぶことが多いのですが、これは日本語訳をするとは「可能性」「潜在的な力」というような意味になります。この場合のポテンシャルの高さは顧客が使うことができる予算の大きさと言うことになります。
ポテンシャルの考え方ですが、自社が提供している商品やサービスに対して、ギリギリ最大限払うとしたらいくらまで使えるのか、と置き換えて考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば、ここに2人のサラリーマンがいたとします。名前をAさんとBさんとしましょう。
このAさんとBさんは、それぞれ同じ飲食店で5,000円の食事をしたとします。
食事をしてくれた飲食店にとってみれば、何も情報がなければAさんもBさんも顧客として区別はできません。どちらも同じお客様ということになります。
しかし、Aさんは一ヶ月間で外食に自由に使えるお金が10万円だとして、一方のBさんは1万円しか外食に使えないとしたらどうでしょうか。Aさんにとっては1ヵ月間で10万円使うことができるわけですから、最大で20回このお店に来る可能性がある、と考えることができます。もしお店のことを気にいってくれれば、足しげく通ってくれる常連さんになってくれるかもしれません。
一方でBさんは、外食に使える予算を1ヶ月で1万円しか予算を持っていないわけですから、このあと再びお店に来られたとしても、同じ月内であれば、あと1回しか来られないことになります。毎日のように足繁く通うのは、Bさんにとっては予算上ちょっと厳しいと言わざるを得ません。
したがって、この飲食店にとってAさんとBさんを比べた場合にポテンシャルの高い顧客と言うのは、この場合Aさんと言うことになります。Bさんに対してもまたお店に来てくれたらありがたいですが、Aさんに常連になってもらったほうが、お店の収益としてはより大きくなる可能性が高いと言えるでしょう。
お店で何らかのキャンペーンを企画して、ダイレクトメールなどを送りたい場合には、Aさんには必ず送り、Bさんに対してはダイレクトメールの予算が余った場合のみに送るなどすれば、より効率的に営業・販売活動を行うことができます。
顧客のポテンシャルの収集方法
顧客のポテンシャルを測ることができれば、営業・販売活動が効率的になると説明しましたが、そのポテンシャルを計測し、しっかりとSFA / CRMにその情報を蓄積して行くことが重要です。
BtoCの場合とBtoBの場合で、方法がそれぞれ異なりますので、分けて説明します。
BtoCビジネスのポテンシャルの収集方法
BtoCビジネスの場合、顧客のポテンシャルを直接ヒアリングして具体的に把握することは容易ではありません。来店する顧客一人一人に
「あなたが1ヶ月間で外食に使えるお金はいくらですか」
と聞ければ良いですが、現実的には難しいでしょうし、仮に聞けたとしても正直に答えてくれるかはわかりません。
そこで重要なのが会員化・データベース化になります。
飲食店に行くと、利用料の一部をポイントなどで還元する会員カードなどを作ることがあるかと思いますが、そういったカードを作る際に顧客にポテンシャルを把握するための質問をするのが良い方法です。
たとえば、会員カードを作成する際にアンケートを準備しておき、その中に「あなたが外食をする頻度は週に何回ですか?」「一回にどのくらいの飲食費を使いますか?」といった質問を入れておきます。
これらの質問の回答結果を、SFA / CRMに蓄積しておけば、それぞれの顧客の外食に対する予算をある程度推測できますから、普段から外食にお金を使っている人、つまりポテンシャルが高い顧客が誰なのかを見極めることが可能となるわけです。会員登録の際に、メールアドレスなどを聞いておけば、メールマガジンなどで後々ヒアリングすることもできるでしょう。
仮に1週間に外食する頻度が4回以上の人を「重要顧客」と定義し、その重要顧客に対しては重点的にお店からの案内を送るなどすれば、お店の会員全員に対してプロモーションを行うよりも、より効率的に顧客を獲得することができるはずです。
BtoBビジネスのポテンシャルの収集方法
BtoBビジネスの場合は、まずやるべきは営業活動の際に直接ヒアリングすることです。聞き方は色々ありますが、「御社のこの事業に使える年間予算はおいくらですか」と言った形で聞けば、必要な情報を収集できます。
また、BtoBビジネスだと、ヒアリングしなくてもある程度推測するという方法も取ることができます。企業によっては「売上高」「従業員数」「資本金」などを公開しており、商品やサービスの内容によっては、これらの情報がポテンシャル情報とほぼイコールになる場合も少なくありません。こういった場合は、直接ヒアリングする機会がなかったとしても、外部情報だけでポテンシャルを把握することができます。
顧客のポテンシャルの区分方法
ポテンシャルの高さを収集したら、次に行うことは顧客をポテンシャルの高さによって区分けするになります。顧客を
- 重要顧客
- 一般顧客
などに区分けするのです。
区分の仕方としておすすめなのは3つの区分に分ける方法です。たとえば上位10%を「重要顧客」とし、続く30%を「準重要顧客」・残りの60%を「一般顧客」などにします。
上位に行くほど割合が少なくなり、下位に行くほど大きくなるようないわゆる「ピラミッド型」にすることによって、営業・販売チームが重点的に力をいれやすくなります。
顧客の区分をもう少し細かくしたい場合もあるかと思いますが、ゼロベースで始める場合は、まずは3つ程度に収めてシンプルに運用をスタートし、分析をすすめる中でより細かくしていくことがおすすめです。
ポテンシャル情報をSFA / CRMにしっかり蓄積させましょう
このように「ポテンシャルを計測しSFA / CRMに蓄積していくこと」は、幅広い顧客の中から注力すべき層を明確にする上で、非常に重要になります。一方で、日々の営業活動・販売活動で、顧客のポテンシャルに関する情報を継続して収集していくことが求められます。
ポテンシャル情報を重要なものであると認識し、普段からしっかりと情報を蓄積していきましょう。
格安で導入できるCRMなら「Zoho CRM」
無料で使えるCRMの決定版、「Zoho CRM」で営業活動をもっと効率的し、より多くの顧客を獲得しませんか。
トライエッジでは、Zoho CRMの初期設計・運用後の支援サービスを提供しています。