SFA / CRMの基礎。今回は第四回目です。
前回の第三回では、「シェアオブウォレットの概念」を解説いたしました。
この記事の中で、SFA / CRM導入の成果を最大限にするためには「顧客が持つ予算」と「顧客との取引状況」の2軸で顧客を分類し、それぞれのカテゴリごとにマーケティングの施策を打つことが重要であると解説しました。
こういった施策を打つ際にやっておくべきは、現在の顧客との取引がどうなっているのかを分析し把握することです。全体の取引のうち、どの顧客の売上がどのくらいの割合を占めているのかを把握することは今後の施策を考える上で必要不可欠です。
今回は、その顧客データを分析する際によく使われる手法の1つである、「デシル分析」について解説します。
デシル分析とは
デシル分析とは、顧客の過去の購買データをもとに取引金額の高い順に10等分し、それぞれのカテゴリの購入比率や売上高構成比を算出する分析手法のことをいいます。
各グループの購入金額やその比率などを把握することによって、自社の注力すべきグループを明確にし、マーケティング施策に活かすことができます。
デシルとは、10分の1という意味のラテン語です。小学生のときに、「デシリットル」という質量の単位を使ったことがあるかと思いますが、そのデシルが語源となっています。
デシル分析を使った実際の分析方法
最初の手順としては、SFA / CRMなどに蓄積されている顧客データを一覧化し、それらを購買実績ごとに並び替えます。
次にそれらの顧客データを10等分し、最初のグループを「デシル1」、次のグループを「デシル2」と名付けます。グループを分けることができたら、それぞれのグループごとに購買実績を集計をします。集計する際に購買金額の合計と、各カテゴリの金額の全体に対する比率を計算しましょう。
実際に集計した例で考えてみましょう。
あるアパレル用品店があり、1,000人の顧客がいるとします。1,000人が過去一年間で購入した累計金額を元にデシル分析を行います。すると下記のようになったとします。
このアパレル洋品店の場合、上位10%のデシル1だけで全体の50%の売上をあげていることになります。また、次のデシル2を入れると、上位20%で全体の75%以上の売上を占めており、デシル1とデシル2は、かなり重要な顧客群であるといえるでしょう。
また、下位のカテゴリーの購入金額の割合はかなり低く、デシル6〜デシル10までを合計しても、全体の3%にしかなりません。このお店の場合、かなり常連客の売上が高いということがわかります。デシル1やデシル2のような常連客が自社から離反しないよう、このカテゴリーにはきめ細かく接客を行う必要があるかもしれません。
これらの各カテゴリの、購入頻度や平均購入金額などを付け加えると、それぞれのカテゴリの特徴がさらに見えてくるでしょう。顧客データの属性データ(BtoCなら年齢や地域、BtoBなら業種や従業員数)を付け加えて見てみるのもいいかもしれません。商材ごとにデシル分析をしてみても良いでしょう。
このように、デシル分析をすることで、自社の現時点での優良顧客が誰なのかを明確にすることができるとともに、その他のグループがどういった状況にあるのかを把握することで自社の課題を発掘することができます。
デシル分析は、顧客ごとの購入データさえあれば、ExcelやGoogle Spreadsheetのピボット機能などを使うことで簡単に行うことができますので、是非やってみてみましょう。
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