(経営者向け)MAは自社に必要か?自動化の具体例と向く商材の条件
MA(マーケティングオートメーション)を入れる価値があるかは、商材の条件で判断できます。単価やLTVが高く、購入の決断に一定の期間を要するものが向きます。資料請求の御礼から1週間後のフォローまでを自動化する例、複雑な条件分岐の設定例、導入して使われなくなる2つの失敗パターンを解説します。
MA(マーケティングオートメーション)を入れる価値があるかどうかは、自社の商材の条件で判断できます。単価やLTVが高く、購入の決断に一定の期間を要するものであれば向きます。
逆に、自動化すべき業務がまだ存在しない場合は、導入しても使われません。 MAは既にあるデジタルマーケティング業務を自動化する道具だからです。
ここでは、専門的な用語をできるだけ使わずに、何が自動化できるのか、どんな商材に向くのか、そして導入が失敗する2つのパターンをご説明します。
マーケティングオートメーションとは何をするものか
マーケティングオートメーションとは、インターネットで行われているマーケティングの一部を自動化するものです。
シンプルな例として、こういったマーケティングの作業があったとします。
① お客様がホームページで資料を請求する問い合わせをしてくれる ② 問い合わせをしてくれたお客様にお礼のメールを送信する ③ お客様に資料を送信もしくは資料を郵送する ④ 一週間後に資料を見てくれたかどうか、状況をお伺いするメールを送信する
①についてはお客様が情報を入力し、②でお礼のメールを送ります。②については自動化できている企業が多いかと思います。
では、③と④についてはいかがでしょうか。
③の資料をお送りするのはいいとしても、④の一週間後に再度連絡をする、という業務を漏れなく行うのは、意外と難しいものです。
もちろん社員の方が一週間後にしっかりメールを送れば良いのですが、送信するのを忘れていたり、忙しくて手が回らず送れなかった、という場合もあるのではないでしょうか。
マーケティングオートメーションはこういった作業を自動化してくれるものです。 一度設定してしまえば、問い合わせが来たお客様に、漏れなく予定通りに④の作業を行うことができます。
なお、自動化できる範囲とできない範囲の線引きはMAツールとは?自動化できる範囲と、導入前に確認する3つの条件に整理しています。
もっと複雑なことも自動化できるのか
先程の例は最も簡単なものです。実際はこういった作業をもっと複雑に、そして正確に行うことができます。設定例を見てみましょう。
<マーケティングオートメーションの設定例> ① 資料請求をしてくれたお客様の中で、再びホームページを見に来てくれた方がいたら即座に営業に通知する ② お客様から収集した情報(個人なら年齢・地域・性別、法人なら業種・従業員数・地域 など)に応じて、異なった内容のメールを送る ③ 最初のお礼メールを開いてくれたら二週間後に第二弾のメールを送る。メールを開いてくれていなければ、3日後に同じメールを確認で送る ④ ホームページを見てくれている顧客の中で、10分以上閲覧してくれている人がいたら、その人限定にクーポンを発行する
このように、お客様に応じたインターネット上における対応を、事前に設定をしておくだけで自動的に正確に行うことが出来るのです。
お客様のインターネット上での動き(メールの開封・ホームページへの訪問 など)に応じてシステムが評価を行い、どのお客様が自分の会社の商品やサービスに興味をもっているのかをあぶり出します。 これはスコアリングという機能を使います。配点やしきい値の決め方はスコアリングとは?属性と行動の配点設計と、営業に渡すしきい値の決め方をご覧ください。
営業チームは、予め興味を持っていると分かっているお客様(スコアが高いお客様)を集中的にアプローチしていけばいいので、効率的な営業活動を行うことができるというわけです。
自社の商材はMAに向いているか
マーケティングオートメーションは、あらゆる業種や商材に適したツールではありません。 一般的に下記のような特長を持った商品やサービスと相性がよく、逆に言えばこれに該当しないと、あまり導入しても効果がないと言われています。
- 商品・サービスの単価、もしくはLTV(顧客生涯価値)が高額なもの(目安として10万円以上)
- 購入を決断するために一定の期間を要するもの
相性の良い商品・サービスとしては、下記のようなものがあります。
・健康食品や化粧品(特に継続利用するようなもの)購買者獲得 ・不動産の購入者獲得 ・人材派遣、人材紹介の登録スタッフ獲得 ・結婚式場の利用者獲得 ・求人広告の出稿企業獲得
こういったお客様を獲得する場合などには、マーケティングオートメーションが力を発揮するでしょう。
逆に、単価が低く、その場で購入が決まる商材の場合は、検討期間中に接点を保つ必要がないため、効果が出にくくなります。
導入が失敗する2つのパターン
マーケティングオートメーションは非常に便利なツールですが、導入はしたものの活用ができていないケースが非常に多いのも特長です。原因は大きく分けて2つありますので、導入を検討される際にはこの点に注意が必要です。
失敗パターン1:オートメーション化すべき業務がない
マーケティングオートメーションは、**「既に存在しているデジタルマーケティング業務を自動化する」**というものです。逆に言えば、自動化すべき業務がなければ導入する意味がありません。
まずはツールを導入しよう、という流れで進めると、結果的に成果を上げられず、運用に失敗するケースが目立ちます。あくまで手段ですので、まずは何を目的とするのかを明確にし、どういった業務を自動化させるのかを固めてから導入を検討しましょう。
たとえば、マーケティングオートメーションはEメールを活用する場面が多いのですが、これまでの顧客情報(特にメールアドレス)が蓄積されていなければメールを送ることはできません。こういった場合は、顧客情報を蓄積させることを優先させましょう。
また、顧客に対してメールなどを送信したことがなければ、まずは月に一回でいいので、何らかの情報を発信することからスタートしたほうがいいでしょう。
- 既に確立されたマーケティング業務があり、一定の成果が出ている
- マーケティング業務の量が多い、もしくは重要度が高い
といった場合に導入していきましょう。顧客情報の受け皿を先に作る順番の考え方はCRMとMAの違いは「いつの顧客を見るか」:導入する順番と使い分けで扱っています。
失敗パターン2:社内に運用を行える人材がいない
導入したものの活用できないパターンとして次に多いのが、社内に運用担当者を準備できない、もしくは運用担当者が他の業務に忙しく、運用に十分時間を割けない、というケースです。
マーケティングオートメーションは、「初期設定」も重要ですが「継続的にシステムを改善」していくほうがより重要です。こういった領域に知識があり、一定の業務時間を割くための担当者が必須となります。
ツール自体はそこまで複雑ではないのですが、最初は操作を習得するための一定の時間を要します。導入を検討される場合は、社内担当者をしっかりと準備するもしくは運用そのものを外部に委託するなどを検討したほうが良いでしょう。
送る中身をどう設計するかはリードナーチャリングとは?手法の選び方と、4つの効果測定指標にまとめています。
まとめ
MAを入れる価値があるかどうかは、単価やLTVが高いか、購入の決断に期間を要するか、という2つの条件で判断してください。
そして、自動化すべき業務が既にあること、運用する担当者を置けることが前提になります。この2つが揃っていない段階では、まず顧客情報の蓄積と、月一回の情報発信から始めるほうが確実です。
株式会社トライエッジ(Zoho社認定パートナー)では、Zoho CampaignsやZoho SalesIQといったZohoのマーケティング関連ツールの導入・運用支援・運用代行を行っております。料金は改定されることがあるため、最新の金額は各製品の公式サイトでご確認ください。
社内に運用担当者がいないという場合でも、運用を代行することができます。支援の内容はCRM構築・運用をご覧のうえ、お問い合わせよりご相談ください。
FAQよくあるご質問
Q. マーケティングオートメーションとは、結局何をするものですか?
インターネットで行われているマーケティングの一部を自動化するものです。たとえば、資料請求があったらお礼のメールを送り、資料を届け、その1週間後に状況を伺うメールを送る、という一連の流れがあるとします。この最後の1週間後の連絡は、忘れたり忙しかったりで抜けやすい作業です。一度設定すれば、漏れなく予定通りに実行されます。
Q. どんな商材がMAに向いていますか?
2つの条件を満たすものです。1つ目は、商品・サービスの単価もしくはLTV(顧客生涯価値)が高いこと。目安として10万円以上が1つの線になります。2つ目は、購入を決断するために一定の期間を要することです。継続利用する健康食品や化粧品、不動産、人材派遣や人材紹介の登録スタッフ獲得、結婚式場、求人広告の出稿企業獲得などが該当します。
Q. 簡単な自動化のほかに、どんなことができますか?
条件による出し分けができます。たとえば、資料請求後に再びサイトを見に来た人がいたら即座に営業へ通知する、収集した属性(法人なら業種・従業員数・地域など)に応じて異なる内容のメールを送る、最初のメールを開封したら2週間後に第2弾を送り、開封していなければ3日後に同じメールを再送する、といった設定です。
Q. MAを導入しても活用できない原因は何ですか?
大きく2つです。1つ目は、そもそも自動化すべき業務が存在しないこと。MAは既にあるデジタルマーケティング業務を自動化する道具なので、自動化する対象が無ければ意味がありません。2つ目は、社内に運用担当者を準備できない、または担当者が他業務で忙しく運用に時間を割けないことです。
Q. まだ顧客のメールアドレスが溜まっていない場合はどうしますか?
先に顧客情報を蓄積することを優先してください。MAはEメールを活用する場面が多く、メールアドレスが無ければ何も送れません。あわせて、これまで顧客にメールを送ったことがなければ、まずは月に一回でよいので何らかの情報を発信することから始めます。既に一定の成果が出ているマーケティング業務があり、その量が多い状態になってから導入するのが順序です。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/森本 貴行(CRM/営業戦略)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。