業界別マーケティングオートメーション(MA)活用例〜人材派遣会社〜

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マーケティングオートメーション(MA)をどう活用したらいいか困っている企業担当者の方も多いかもしれません。マーケティングオートメーションは、正しい方法で運用すれば集客に絶大な効果を発揮します。しかし、扱うにはある程度の知識や経験が必要です。また、業界や企業規模によってその活用法も異なります。今回は人材派遣会社におけるマーケティングオートメーション(MA)の活用方法についてまとめました。

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人材派遣業界を取り巻く環境変化〜優秀な就業スタッフの確保〜

日本における人材派遣業は1980年代にスタートしました。1980年当時、人材派遣自体職業安定法で禁止されていました。しかし、必要な時期に必要な労働力とスキルを求める企業側と、スキルを生かしながら働く場所・時間・仕事を選びたい労働者側双方のニーズに対応する制度として、1985年に派遣法が制定されました。

雇用者全体の割合では派遣社員は全体の2.5%ですが、いまや多くの企業で人材派遣スタッフが導入されています。その業界規模は6兆4,995億円にものぼり、一大産業になっていると言えるでしょう。
一般社団法人人材派遣協会調べ / 2017年)

ただし、将来の人材派遣業界に関しては先行き不透明な部分もあります。日本の労働市場は少子高齢化が進み、労働者人口が減少していくため、人材派遣業界では売り手優位の状況が続くと予想されるからです。

今後想定される人材派遣業界の課題は、働ける優秀な人材・スタッフの派遣会社間での争奪戦激化です。すでに多くの派遣会社では、就業スタッフ確保に多くのお金・労力をかけています。今後、マーケットの中で生き残っていけるのは、優秀なスタッフを継続して確保できる派遣会社なのかもしれません。

 

スタッフ確保に有用!人材派遣業界におけるマーケティングオートメーション

すでにいくつかの人材派遣会社では、マーケティングオートメーションを活用しています。

マーケティングオートメーションでは、氏名・連絡先などの個人情報が判明しているユーザーはもちろん、ホームページ上を訪問する匿名のユーザーにおいてもウェブサイト上の動きを可視化・数値化できます。ユーザーにフィットしたメッセージを自動的に送ったり、特定のページを見た訪問者にバナーで派遣登録を促したり、特定の仕事を紹介したりするなど、パーソナライズした情報の提供が可能です。

人材派遣会社では、ユーザーが

  • 応募
  • 派遣登録
  • 仕事紹介
  • 就業
  • 契約終了
  • 再就業

とステップをたどるうちスタッフが漸減してしまうのが課題です。100人の応募があっても人材派遣会社に登録に来るのは50人、実際に仕事紹介をするのは30人…となるパターンが多く発生します。もしこのステップにおいて少しでも離脱数を抑えられれば、人材派遣会社がスタッフを確保するための一助となるでしょう。

人材派遣業界におけるマーケティングオートメーションの有用性は、各ステップのユーザーに適したメッセージを送信し、次のステップに進める割合を高めることにあります。

すなわち、応募100人のうち登録50人だった派遣会社が、マーケティングオートメーションを使えば登録70人に高められる可能性があるわけです。

現在の人材派遣会社は、就業できるスタッフ1名を確保するために少なくとも数万、多くて数十万のコストをかけていると言われています。毎月100人の応募から40人が就業に至る派遣会社の場合、20%の改善で就業スタッフが48人となり、8人増えます。1人あたり10万円の広告経費がかかっていたらこれだけで月間80万円の成果が出るわけです。

人材派遣業界におけるマーケティングオートメーションの期待効果の考え方

人材派遣業界におけるマーケティングオートメーションの期待効果の考え方

人材派遣会社の規模にもよりますが、応募から就業までのステップをマーケティングオートメーションで改善することによって、上記のような規模の効果が見込むことができます。

また、マーケティングオートメーションは、広告と比較しても各社で特色を出しやすく、企業からのメッセージ訴求を行いやすいという特徴があります。求人広告であれば、どうしても広告費用を多く費やした企業が勝ちやすく、資本力のある大手企業が優位となりがちです。しかし、マーケティングオートメーションでの工夫は企画力や企業の特徴をどのように打ち出すか、の戦いになるため、中堅企業にとっても、他社と比較しての強みを打ち出しやすく、差別化しやすい非常に有効なツールとなりえます。

 

人材派遣会社はマーケティングオートメーションで顧客の状況ごとにメッセージを

マーケティングオートメーションを活用するには、事前にどのような状況の人にどのようなメッセージを打ち出すかを明確にしておく必要があります。

それぞれのステップ(応募から再就業まで)においても、顧客の状況が大きく異なります。マーケティングオートメーションを行う際には、顧客が今いるステップを明確にし、それぞれにあわせたメッセージを届ける必要があります。

  1. エントリー後、登録会の申し込みをしていないスタッフ
  2. 過去に登録をして、現在働いていないスタッフ

たとえば1.と2.では状況が大きく異なります。もし1.と2.のスタッフに同じメッセージを配信したら、「自分のことではないな」→「無駄な情報を提供してくる企業」と認識され、登録解除されてしまうかもしれません。

それでは、どのようにメッセージを打ち出していけばよいのでしょうか?

 

人材派遣業界におけるマーケティングオートメーション事例

ここからは事例をご紹介します。前述の1.2.で考えてみましょう。

エントリー後、登録会の申し込みをしていないスタッフ

Webなどでのエントリー後連絡がつかず、登録に至るまでにスタッフを逃してしまうケースがあります。そのような場合に有効なマーケティングオートメーションの事例です。

マーケティングオートメーション設定例
  1. トリガー:エントリー後登録していないスタッフかつ最後にコミュニケーションを取ってから3日経過
  2. プロセス:メールを配信して登録促進の連絡。メール未開封の場合はメールまたははSMSでメッセージを再配信。
  3. アクション:スタッフがメールを開封したら担当コーディネーターに通知。コーディネーターから、個別にスタッフへ電話で連絡。
マーケティングオートメーションのシナリオ事例01マーケティングオートメーションのシナリオ事例01

 

過去に登録をして、現在働いていないスタッフ

一度自社に派遣登録したものの現在就業していないスタッフは、どの人材派遣会社にも多くいます。定期的に情報を発信すると、このような人たちにも再び就業してもらえるかもしれません。スタッフが興味を持ったタイミングをマーケティングオートメーションで把握し、的確なアプローチを試みてください。

マーケティングオートメーション設定例
  1. トリガー:最終就業日から3ヶ月以上が経過し、現在仕事提示を受けていない状態になる。
  2. プロセス:メールを配信して、最新の仕事情報を配信。メールが未開封の場合は、SMSでメッセージを配信。
  3. アクション:スタッフがメールを開封してウェブサイトを閲覧。ウェブサイトで3ページ以上移動した場合、担当コーディネーターに通知。コーディネーターから、個別にスタッフへ電話で連絡する。
マーケティングオートメーションのシナリオ事例02

マーケティングオートメーションのシナリオ事例02

 

トライエッジ(認定パートナー)の人材派遣業界向けマーケティングオートメーション支援

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