営業企画部 ―組織を成功に導く専門家集団とは―

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営業企画部がなぜ企業にとって重要な存在なのか、その基本的な概念と役割、そして具体的な機能を明らかにしていきます。

 

この記事の目次

はじめに

トライエッジの代表をしております、中野です。

みなさんの営業組織には「営業企画」と呼ばれるチームはありますか?

最近では「セールスオペレーション」という言い方をする場合もありますが、営業企画とはいわゆる営業チームを支援する組織で「営業戦略の企画立案」「営業係数の集約と発信」「営業組織のDX推進」などを担うチームです。

私は様々な会社のBtoBマーケティング支援や営業支援を行ってきましたが、思い返してみればいわゆるこの「営業企画」という組織が弱い会社さんが多かったように思います。

この営業企画というチーム・組織は、営業部門にとってブレーン・参謀組織ともいうべき重要な機能ですが、日本の営業組織においては「チーム自体がない」「現場の営業責任者がその役割を兼任している」というようなケースが多く、あまり重要視されていない傾向があります。

私が新卒で入った会社は、この「営業企画」という組織が大規模かつ機能的に動いており、2,000人を超える営業組織を高度に統括していました。

営業企画部は、会社のすべての顧客データ・営業活動データを即時に、そして正確に把握していました
データを正確に把握できると、成果を上げている営業担当者と伸び悩んでいる営業担当者がデータで一目瞭然となりますし、対策も即座に打つことができます

こういった基本的なデータを活用して営業組織の生産性を上げていくことは、昨今叫ばれている「営業DX」に置いては、必要不可欠と言えます。

このシリーズでは営業DXに不可欠な「営業企画」という部署はどういう組織なのか、そしてどのような役割を果たしていくべきなのかを5回シリーズに分けて解説していきます。

今回はその連載のプロローグ「営業企画」とはなにか、そしてその役割を解説していきます。

営業企画は必要なのか

まず営業企画部の役割とはなにか、を昨今話題のChatGPTに解説してもらいました。

営業企画部は、企業の営業活動における戦略的な計画立案や実行を担当する部署です。その主な役割は以下の通りです。

■戦略立案
営業企画部は、市場動向や競合状況を分析し、企業の営業戦略を策定します。これには、新規顧客獲得や既存顧客の維持・拡大などの具体的な目標の設定も含まれます。

■予算編成
営業企画部は、営業活動に必要な資源や予算を計画し、適切に配分します。これにより、営業目標の達成に向けた効率的な資金利用が可能となります。

■KPI設定とモニタリング
営業企画部は、営業成績を測定するための指標(Key Performance Indicators:KPI)を設定し、定期的にモニタリングします。これにより、営業活動の進捗状況や課題を把握し、必要に応じて修正を加えることができます。

■営業チームの支援
営業企画部は、営業チームに対して必要なトレーニングやツールの提供、さらには営業プロセスの改善など、様々な面で支援を行います。これにより、営業活動の効率性や成果の向上を図ります。
(ChatGPTより)

概ねこんな感じです。
戦略立案・売上目標の進捗管理・KPIの管理・営業チームの生産性向上、といったものになるでしょうか。

これはスポーツチームでいうとコーチのような役割だと考えるとわかりやすいと思います。
チームが勝利するために、メンバーを育成したり、戦術を考えたりするようなイメージです。

ですので、営業企画のミッションは「チームを勝利に導く」ことになります。
勝利とは「目標の達成」に他なりません。
営業組織が目標を達成すれば営業企画は役割を果たしたことになりますし、目標未達成なら役割を十分果たしていないことになります。

強い営業組織を作るために営業企画というチームは必要なのでしょうか。

企業風土や扱っている商材の特性によっても異なりますが、多くのBtoBビジネスをしている企業にとっては「Yesである」と私は考えています

営業担当者の人数が少ない組織であったとしても、営業企画の役割を担う人は必要です。

そして、営業企画が機能的に活動している営業組織は非常に強いです。

どんな人が営業企画に向いているのか

営業企画は重要な組織であると説明をしました。では、どのような人材が営業企画に向いているのでしょうか。

キーワードとなるのは「数字」「コミュニケーション」です。

まず「数字」です。営業企画は営業活動の状況を数値で見て課題を発見し、対策を講じていきます。数字を読めなければ分析が出来ませんし、課題も発見ができません。営業企画はまず「数字」に対してアレルギーを持っていない人であることが前提となります。

次に「コミュニケーション」です。営業企画は営業組織のみならず、社内のシステム部門や業務部門などとも緊密に連携をしていきます。こういった中で各組織の結節点となり、組織全体を動かしていく役割を担うのが営業企画です。
それぞれの施策に対して「なぜやる必要があるのか」をしっかりと説明をして、周囲の協力を得ながら進めていくためには「コミュニケーション力」は必要不可欠と言えます。

本シリーズついて

営業組織が目標達成を果たすために、営業企画は様々な役割を果たしていくことになります。
本シリーズでは営業企画の具体的な役割を事例などを活用しながら解説していきます。

 

<営業組織の舞台裏(全5回)>

次回の記事もお読みいただけたら幸いです。

また、営業企画について課題を感じている方は、下記問い合わせフォームよりぜひご相談ください。

 

中野三四郎

 

執筆者  株式会社トライエッジ代表 中野三四郎

 

人材派遣会社に新卒入社後、一貫してマーケティング部門に従事。営業戦略の立案、SFA/CRMの企画開発・運用、顧客分析などを行う。その後、M&Aコンサルファームやメーカーの営業企画などを経て、株式会社トライエッジを設立。【著書】「営業は仕組みで9割決まる」


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