東京商工リサーチとは?信用調査と企業データベースの特徴・料金
東京商工リサーチは1892年創業、国内2位の信用調査会社です。全国81ヶ所の拠点で企業を直接取材し、その情報をデータベース化してTSR REPORT・D&Bレポート・tsr-van2として提供しています。3つのサービスの違いと料金の目安、営業やマーケティングでの使いどころを整理します。
東京商工リサーチは、1892年創業・国内2位の信用調査会社です。全国81ヶ所の拠点で調査員が企業を直接取材し、その情報をデータベース化して外部に提供しています。
同社を「調査会社」とだけ捉えると、実像を取り違えます。信用調査は主力事業ですが、それを支えているのは全国・全業種の企業情報を蓄えたデータベースであり、そのデータベースを切り出した商品が複数用意されています。与信判断のための詳細レポートもあれば、企業の概要を1ページで確認できる低コストのオンラインサービスもあります。
1994年にはアメリカの信用調査会社Dun & Bradstreet(D&B)と業務提携し、国内の企業データと世界2億8,000万件以上の企業データをワンストップで提供できる体制を整えました。海外取引の与信確認まで1社で完結できる点が、同社の特徴のひとつです。
この記事では、東京商工リサーチという会社の概要と、代表的な3つのサービスの違い・料金の目安、営業やマーケティングでデータを使うときの考え方を整理します。
東京商工リサーチとは

株式会社東京商工リサーチは、企業を専門にした国内第2位の信用調査会社で、東京都千代田区を拠点に全国81ヶ所に事業所を構え、従業員は1,800名を超えます。
1892年(明治25年)に創業した業界最古の会社であり、信用・信頼・信念を社是に、着実に事業を伸ばしてきました。一方で、コンピュータ導入による企業情報のデータベース化に一早く着手するなど、時代のニーズに応える柔軟性も持ち合わせています。
1994年には、アメリカの信用調査会社であるDun & Bradstreet(通称D&B)と業務提携を開始。同社が持つ国内屈指の企業データと、D&Bが持つ世界2億8,000万件以上の企業データを、ワンストップで提供できる体制を確立しています。
そして創業125周年を迎えた今では、信用調査業界の約3割のシェアを占めるまでに成長しました。現在は信用調査の他にも、データベース事業・情報事業・出版事業など、さまざまな事業を展開しています。
なお、一般に「商工リサーチ」と略して呼ばれるのも同社のことです。TSRという略称も広く使われており、後述するサービス名にも冠されています。
3つのサービスの違い(TSR REPORT・D&Bレポート・tsr-van2)

東京商工リサーチのメイン事業は、全国・全業種の企業を対象にした信用調査ですが、それを支えているのはあらゆる企業情報を保有するデータベースです。
代表的な3つのサービスは、対象範囲・情報の深さ・料金がそれぞれ異なります。まず全体像を表で整理します。
| サービス | 対象 | 情報の深さ | 料金の目安(2024年3月時点) |
|---|---|---|---|
| TSR REPORT | 国内企業 | 調査員の直接取材による200項目超の詳細レポート | 新規調査 30,000円+付帯料〜/作成済 15,000円〜 |
| D&Bレポート | 海外企業(240ヶ国・2億8,000万件以上) | D&Bの信用格付を含む信用調査レポート | 公式サイト参照 |
| tsr-van2 | 国内企業・海外企業 | 企業概要を1ページに集約した簡易版 | 1社 1,200円〜/月額 3,000円〜 |
料金は変更される可能性があります。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
国内企業情報レポート「TSR REPORT」
TSR REPORTは国内企業を対象に、調査員が直接取材して作成した詳細レポートをチェックできるサービスです。
200項目を超える圧倒的な情報量で、企業の総合評価や業績・資金情報などが分かりやすくまとめられています。新規の取引可否や与信判断など、経営の意思決定における判断材料として活用できます。
新規の調査依頼であれば30,000円+付帯料から、既に作成済のレポートであれば15,000円から利用可能です(いずれも2024年3月時点)。
海外企業情報レポート「D&Bレポート」
D&Bレポートは海外企業を対象に、世界240ヶ国・2億8,000万件以上の企業情報の中から、信用調査レポートをチェックできるサービスです。
世界中で最も利用されている調査サービスであり、D&Bによる信用格付から企業評価情報まで、幅広く情報が網羅されています。
レポートはオンライン上で提供しており、ビジネス上のリスク回避や新規ビジネス開拓など、さまざまな用途に活用できます。
インターネット企業情報サービス「tsr-van2」
tsr-van2は国内企業と海外企業を対象に、いつでもどこでも最新の企業情報を取得できる低コストのオンラインサービスです。
TSR REPORTやD&Bレポートの詳細なレポートに比べ、企業の概要を1ページにコンパクトにまとめており、対象企業の全容を素早くつかむことができます。
企業情報の取得は1社1,200円から、月額の場合は3,000円から利用可能です(2024年3月時点)。
東京商工リサーチを使うときに押さえておきたいこと
詳細レポートは1件ごとに費用が発生するため、確認したい企業が増えるほどコストがかさみます。また、作成済みのレポートはあくまで作成された時点の情報であり、直近の業績変動が反映されているとは限りません。
そのため実務では、幅広く当たりをつける段階ではtsr-van2のような簡易サービスを使い、取引可否を判断する段階でTSR REPORTの新規調査を依頼する、といった使い分けが現実的です。海外企業が相手であれば、同じ窓口でD&Bレポートを取得できる点が効いてきます。
経営を支える「企業情報のプロフェッショナル」

営業・マーケティング活動を行う上で、ターゲットの企業情報は非常に大きなテーマの一つです。
東京商工リサーチは企業情報を扱う専門企業として、経営や国際取引、与信判断や官公庁の各種統計などを支援する、縁の下の力持ちのような存在です。
企業情報に関する分野でお困りごとでしたら、歴史と実績を併せ持つ東京商工リサーチへの相談を検討してみてはいかがでしょうか。
データを入手したあとに必要になること
企業データベースを契約すると、次に必ず出てくるのが「入手したデータをどこに置き、誰がどう使うか」という問題です。取り込み先のCRMが整理されていないと、既存顧客と新規リストが二重に登録され、同じ会社に別の担当者から連絡が飛ぶといったことが起こります。
トライエッジでは、Zoho CRMなどのCRM導入・運用設計を通じて、外部データベースの取り込みから重複排除、アプローチ設計までを支援しています。データを買ったものの活用しきれていないという場合は、CRM導入・運用支援をご覧ください。社内でデータを扱える人を育てたい場合は、トレーニングも用意しています。
また、購入したリストへこちらから当たる方法とは別に、調べている相手のほうから見つけてもらう経路もあります。取引先や発注先を探す担当者がChatGPTやCopilotのようなAI検索で下調べをするようになったため、AIの回答に自社が引用されるかどうかが問い合わせの数に直結します。この観点での改善はAEO(AI検索最適化)として支援しています。
FAQよくあるご質問
Q. 東京商工リサーチとは何ですか?
東京商工リサーチは、企業の信用調査を専門とする調査会社です。1892年(明治25年)創業で、業界では最も歴史が古く、国内では第2位の規模とされています。東京都千代田区を拠点に全国81ヶ所の事業所を構え、従業員は1,800名を超えます。信用調査に加えて、データベース事業・情報事業・出版事業を展開しており、企業情報の提供者としての側面も大きい会社です。
Q. 「商工リサーチ」と「東京商工リサーチ」は同じ会社ですか?
一般に「商工リサーチ」と呼ばれているのは、株式会社東京商工リサーチのことを指す場合がほとんどです。略称としてTSR(Tokyo Shoko Research)も使われ、同社のレポート名やサービス名にもTSRが付いています。信用調査業界では約3割のシェアを占めており、企業の与信判断や官公庁の各種統計の基礎データとしても利用されています。
Q. TSR REPORTとは何ですか?料金はいくらですか?
TSR REPORTは、国内企業を対象に、調査員が直接取材して作成した詳細レポートを閲覧できるサービスです。200項目を超える情報量で、企業の総合評価や業績・資金情報がまとめられています。料金は新規の調査依頼が30,000円+付帯料から、すでに作成済みのレポートが15,000円から(いずれも2024年3月時点)。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
Q. D&Bレポートとは何ですか?
D&Bレポートは、海外企業を対象とした信用調査レポートです。東京商工リサーチは1994年にアメリカの信用調査会社Dun & Bradstreet(D&B)と業務提携しており、世界240ヶ国・2億8,000万件以上の企業情報からレポートを取得できます。D&Bによる信用格付から企業評価情報まで網羅されており、レポートはオンラインで提供されます。海外との新規取引時のリスク確認に使われます。
Q. tsr-van2とは何ですか?TSR REPORTとの違いは?
tsr-van2は、国内企業と海外企業の最新の企業情報をオンラインで取得できるサービスです。TSR REPORTやD&Bレポートが調査員の取材に基づく詳細レポートであるのに対し、tsr-van2は企業の概要を1ページにまとめた簡易版で、対象企業の全容を素早くつかむ用途に向いています。料金は1社1,200円から、月額の場合は3,000円から(2024年3月時点)です。
Q. 東京商工リサーチの調査を使うときの注意点(デメリット)は何ですか?
費用と情報の時点に注意が必要です。新規の調査依頼は1件30,000円+付帯料からと、件数が増えるほどコストがかさみます。また、すでに作成済みのレポートは作成された時点の情報であるため、直近の業績変動が反映されていない場合があります。多数の企業をざっと確認したい場合は、詳細レポートではなくtsr-van2のような簡易サービスと使い分けるのが現実的です。
Q. 東京商工リサーチのデータは営業リストやマーケティングに使えますか?
使えます。同社は与信判断だけでなく、営業・マーケティング向けのデータ提供にも力を入れており、官公庁の各種統計の基礎データとしても採用されています。ただし、データを入手しただけでは成果にはつながりません。自社のCRMに取り込んで既存顧客と突き合わせ、重複を排除したうえで、誰にいつどの順番でアプローチするかを設計するところまで運用に落とし込む必要があります。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/森本 貴行(CRM/営業戦略)。 2024年3月29日公開/2026年8月14日更新。