HubSpotの記事、AI向けの設定ってちゃんと入ってますか?
HubSpotの記事に、AIが読み取りやすい案内(構造化データ)を入れる手順を6ステップで解説します。貼り付ける場所の探し方、コピペで使えるテンプレート、失敗しやすい5つの箇所、公開後の確認方法まで、AEO支援を行う認定パートナーがまとめました。(専門用語が多い内容ですが、1つずつ解説していきます)
ズッキーニ
TRIEDGEのAI社員。富山県出身です。Webサイトの更新やAEO対策の実務を担当しています。ときどき富山弁が顔を出します。
チャイ
TRIEDGEのマスコット犬(チワワ)。専門用語なしで聞き直す係です。
チャイ
こんにちは、チャイです。ねえズッキーニ、HubSpotってAI向けの設定、入れられるんですか? WordPress(他の会社が作ってるサイト作成の仕組み)なら追加の部品(プラグイン)を入れるだけで済むって聞いたことあるんですけど……。
ズッキーニ
入れられるよ。記事ごとの「設定 > 詳細設定 > ヘッドHTML」に、AI向けの案内コード(JSON-LDっていうんやけど)を直接貼り付けるのが最も確実なんだ。テンプレートの改修も、追加ツールの導入も要らないよ。慣れれば1記事5分程度で終わる。「HubSpotでは入れられない」って諦めちゃう例をよく見かけるけど、入れられるの。場所を知らないだけなんだ。
チャイ
実際にどうやるのか、教えてください!
ズッキーニ
うちが自社の記事に実際に実装してきた手順を、そのまま見せるね。
Q. なぜAI検索でFAQ構造化データが効くのですか?
チャイ
そもそも、なんでその設定が必要なんですか?
ズッキーニ
AIが「答えの単位」を切り出せるようになるからだよ。ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviews、Microsoft Copilotは、ページを読み込んで「質問と、それに対応する答え」を探すの。本文に「よくある質問」と書いて質問と答えを並べるだけでも読者には伝わるんやけど、機械から見ると他の段落と区別がつかないんだ。
ズッキーニ
FAQ構造化データは、どこが質問で、どれが対応する答えなのかを確定させるものなの。引用されるかどうかは、AIがそのページから答えの単位を取り出せるかどうかで決まるんだ。うちが自社サイトを調査した2026年8月上旬の時点では、サイト全体の約530ページのうちFAQ構造化データを持つページは60ページ、全体の11%にとどまってたよ。実装済みのつもりでも実際には入ってない、っていう状態は珍しくないの。まず現状を確認することをおすすめするよ。
Q. 実装の手順を教えてください
ステップ1:記事のFAQを5問決める
ここが実質的な作業の中心です。実装作業そのものは難しくありません。
- 質問は読者が実際に使う言葉で書く。 「本機能の制限事項について」ではなく「無料版だと何ができないの?」
- 答えを一般論にしない。 手順・数値・条件など、読者がそのまま使える情報を必ず1つ以上入れる
- 5問前後が目安。 3問未満では構造化する意味が薄く、10問を超えると1問あたりの密度が落ちます
- 本文に書いていない内容をFAQだけに書かない。 構造化データの内容はページ上に表示されている必要があります
ステップ2:本文にFAQセクションを表示させる
構造化データは「ページに書いてあることの機械可読な写し」です。先に本文へFAQセクションを実装してください。
コードだけを入れて本文にFAQが無い状態は、Googleのルール違反にあたり、Google側から検索順位を下げられる対象になり得ます。ここを飛ばすと、検索結果の見た目が良くなる特典(リッチリザルト)も表示されません。
ブログエディタで記事末尾(まとめの直前)にH2見出し「よくあるご質問」を置き、質問を太字、答えを本文段落として書きます。
ステップ3:JSON-LDを組み立てる
後述のテンプレートに、ステップ1で決めた5問を流し込みます。つまずきやすいのは次の3点です。
"@type": "Question"のnameに質問文、acceptedAnswerのtextに答えを入れる- 答えの中で改行したい場合は
<br>を使う。生の改行コードはJSONとして壊れます - 答えの文中に引用符がある場合は
\"とエスケープする
ステップ4:記事のヘッドHTMLに貼り付ける
- HubSpotにログインし、マーケティング > ウェブサイト > ブログを開く
- 対象の記事を開く(スラッグで検索すると早いです)
- 右上の設定をクリック
- 詳細設定タブを開く
- ヘッドHTMLの入力欄に、
<script type="application/ld+json">タグごと貼り付ける - 保存し、記事を更新する
既にヘッドHTMLに何か入っている場合は、消さずに追記してください。 アクセス解析用の計測コード(トラッキングコード)や、重複ページを1つにまとめる指定(canonical)が入っていることがあります。逆に、以前に入れた古いFAQPageが残っている場合は、必ず削除してから貼り直します。同じページに同じ型の構造化データ(スキーマ)が2つあると、どちらが正なのか判断できません。
ステップ5:リッチリザルトテストで検証する
2026年9月追記:Googleは2026年5月にFAQのリッチリザルト(検索結果に質問と回答を折りたたんで表示する機能)を終了し、関連する説明ページも削除しました。経緯と「それでもFAQPageを入れる意味」はよくある質問の構造化データは、表示されなくなっても入れる意味がありますか?にまとめています。リッチリザルトテストやSearch ConsoleでFAQPageが検出・計上されない場合は、schema.orgの検証ツール(Schema Markup Validator)でコードの書き方が正しいかを確認してください。
Google公式の無料チェックツール「リッチリザルトテスト」(貼り付けたコードが正しく読めているかを確認してくれるツールです)に記事URLを入力し、FAQPageが検出されていることとエラーが0件であることを確認します。
よく出るのは「ページに表示されていないコンテンツが含まれています」という警告です。これはステップ2を飛ばした場合に出ます。本文にFAQを表示させれば解消します。
ステップ6:Search Consoleで数日後に再確認する
リッチリザルトテストが見ているのは「今この瞬間のHTMLが正しいか」だけです。実際にGoogleが認識したかどうかは、Google公式の無料ツール「Search Console」(自社サイトが検索エンジンにどう見えているかを確認できるツールです)の「拡張 > よくある質問」レポートで数日から2週間後に確認します。ここに記事が計上されて、はじめて実装完了です。
コピペ用テンプレート
【 】 の部分を書き換えて使ってください。質問を増減する場合は { "@type": "Question" ... } のブロックごとコピーし、最後のブロックの後ろにだけカンマを付けない点に注意します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "【質問1】",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "【答え1】"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "【質問2】",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "【答え2】"
}
}
]
}
</script>
手順を解説する記事にはHowToを使う
「〜する方法」という操作手順の記事には、FAQPageよりHowToが適します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "HowTo",
"name": "【記事タイトル】",
"description": "【記事の概要を1〜2文で】",
"step": [
{
"@type": "HowToStep",
"name": "【ステップ1の見出し】",
"text": "【ステップ1の説明】"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "【ステップ2の見出し】",
"text": "【ステップ2の説明】"
}
]
}
</script>
Q. 実装でつまずきやすいのはどこですか?
チャイ
やってみて、よく失敗するところってありますか?
ズッキーニ
自社の記事で実装を進めるなかで、繰り返し発生したのは次の5つだよ。
1. 本文にFAQが無いままJSON-LDだけ入れる 最も多いミスです。ガイドライン違反であり、リッチリザルトも表示されません。
2. 古いスキーマを消さずに追記する 同一ページに同じ型が2つあると、処理そのものが放棄されます。貼り替える際は既存を先に削除します。
3. JSONの文法エラー 末尾の余分なカンマ、閉じ忘れの波括弧、エスケープしていない引用符。この3つでほぼ全てです。貼り付け前にリッチリザルトテストのコード入力モードで検証すると手戻りがありません。
4. FAQの答えが一般論で終わっている 「状況によって異なります」「ご相談ください」だけの答えは、実装としては正しくても引用される価値がありません。実装の正しさと、引用のされやすさは別の話です。
5. 全記事で同じFAQを使い回す 同じ質問と答えが複数ページに存在すると、どのページを引用すべきか判断できず、結果としてどのページも選ばれません。
Q. あわせてやっておくべきことはありますか?
メタディスクリプション(検索結果で記事タイトルの下に表示される、内容紹介の短い文章です)の見直しをおすすめします。構造化データを触るのと同じ設定画面で編集できるため、まとめて対応するほうが効率的です。
文字数は140〜160字が目安です。これより短いと情報が足りず、長いと途中で切られます。記事の結論が最初の1文に入っているかどうかも確認してください。
まとめ
ズッキーニ
というわけで、HubSpotでのFAQ構造化データの実装は、記事の「設定 > 詳細設定 > ヘッドHTML」にコードを貼るだけ。 技術的な難所は無いよ。難しいのは実装じゃなくて、引用される価値のあるFAQを5問書くことのほう。テンプレートは用意したから、あとは自社の読者が本当に知りたい質問を5つ選べるかどうかにかかってるよ。
チャイ
まずはうちの記事、設定入ってるか確認してみますね! 今日も絶好調ですよ!
自社の記事を優先順位をつけて改善した具体的な進め方は自社の記事150本をAEO対応した記録、成果が出るまでの時間の見立てはAEO対策の効果は4〜9ヶ月目に谷が来るにまとめています。HubSpotの導入・運用についてはHubSpot導入支援、AI検索対策の全体像についてはAEO対策をご覧ください。用語の定義は用語集に、自社サイトの現状把握は無料AEO診断で対応しています。
FAQよくあるご質問
Q. HubSpotの無料版でも構造化データは入れられますか?
ブログ機能が使えるプラン(Marketing Hub Starter以上、またはContent Hub)であれば、記事ごとの「設定 > 詳細設定 > ヘッドHTML」から入れられます。無料のCRMのみの契約ではブログ機能そのものが使えないため、この方法は使えません。
Q. テンプレート側にまとめて入れることはできますか?
技術的には可能ですが推奨しません。FAQの内容は記事ごとに異なるべきもので、テンプレートに共通のFAQPageを入れると全記事が同じ質問と答えを持つことになり、どの記事を引用すべきかAIが判断できなくなります。テンプレートに入れるべきなのは、OrganizationやBreadcrumbListなどサイト全体で共通の情報を持つスキーマです。
Q. 構造化データを入れれば、AIに引用されるようになりますか?
構造化データは必要条件であって十分条件ではありません。引用されるかどうかは記事の中身が「答えとして使えるか」で決まり、構造化データはそれを機械が誤解なく読み取れる形にするものです。中身が一般論のままでは、正しく実装しても引用は増えません。
Q. FAQPageとHowToは両方入れてもいいですか?
記事の性質に応じてどちらか一方を選んでください。操作手順を解説する記事にはHowTo、概念の説明や比較を扱う記事にはFAQPageが適します。両方の実装も技術的には可能ですが、どちらを主として扱うかが不安定になるため、明確な理由がない限り避けたほうが無難です。
Q. 記事数が多く、手作業で入れるのが現実的ではありません。
全記事に一律で入れる必要はありません。流入と商談への貢献が見込める記事から優先順位をつけ、上位の数十本に絞って着手するのが現実的です。トライエッジは自社の記事約150本を対象に優先度を3段階に分け、上位から順に対応しました。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/濱津 舞(AEO/CRM・MA 導入・運用)。 2026年8月18日公開/2026年9月25日更新。