メルマガのクリック率が10倍になった年始メールの中身
トライエッジが年始のご挨拶メルマガにおみくじを仕込んだところ、クリック率が通常の1〜3パーセントから34パーセントへ跳ね上がりました。一方で開封率は38パーセントと普段と大差ありません。本文を数行に絞りURLを4種類用意した仕掛けの中身と、この結果から読み取れる再現できる条件を整理します。
トライエッジが年始のご挨拶メルマガにおみくじを仕込んだところ、クリック率が通常の1〜3パーセントから34パーセントになりました。約10倍です。
一方で開封率は38パーセント。 通常の30〜38パーセントと比べて、大きな差はありませんでした。配信に使ったリストは通常のメルマガと同じものです。
変わったのはクリック率だけです。 何をしたのか、そしてこの結果から何が言えるのかを整理します。
年始メルマガは、なぜ開かれないのか
年末年始には、多くの企業からご挨拶のメールが届きます。そして、その大半は開封されないまま処理されます。
年明けに届くメルマガの内容は、どこも似ています。
- 代表の新年の抱負
- 今年掲げる目標
- 前年の感謝と今年の挨拶
- 社員の初詣の様子
その企業の知り合いやファンであれば、年賀状を見るような感覚で開くかもしれません。しかし関わりのない相手にとっては、開くメリットが見当たりません。
年始は、目新しいニュースがなくてもメール配信ができる格好の機会です。だからこそ、同じ日に同じような内容が大量に届きます。
何を仕込んだのか
やったことは3つです。

まず、年賀状にも使った写真を雑誌の表紙風に加工した画像を入れました。当時オフィスを構えていた築地の築地本願寺の前でメンバーがイノシシの被り物をして撮った写真です。合成ではありません。
そのうえで、次の3点を実施しました。
1. 本文を数行に絞った
挨拶、今年の展望、抱負といった内容は本文には書かず、リンク先のページに置きました。 メールを開いただけでは中身が分からない状態です。
2. リンク先の一番下におみくじを置いた
読み進めた先に、初詣でもおなじみのおみくじを用意しました。

3. URLを4種類用意した
文面はすべて同じにして、リンクだけを4つ置きました。
件名は**「◆運試しおみくじ付!◆年始のご挨拶【株式会社トライエッジ】」**とし、この工夫が一目で分かるようにしています。
結果の数字
| 指標 | 通常のメルマガ | おみくじメール |
|---|---|---|
| 開封率 | 30〜38パーセント | 38パーセント |
| クリック率 | 1〜3パーセント | 34パーセント |
開封率は、平均値より高いものの、普段のメルマガと大差ありませんでした。
クリック率は34パーセント。通常の10倍です。
4つのURLに差はあったか
大きな差は出ませんでした。 わずかに一番上のURLが最もクリックされ、2番目、3番目、4番目と下に行くにつれて少しずつ減っています。
文面が同じであれば、掲載する位置による差は小さいという結果です。 複数のリンクを並べる場合、上に置いたものがやや有利になる程度と考えてください。
この結果から何が言えるか
開封率とクリック率は、別の要因で動きます。
件名で伝えたのは「おみくじが付いている」という事実だけです。年始の挨拶メールという時点で開くかどうかを判断している読者にとって、この情報では開封の理由が変わらなかったと考えられます。
効いたのは、開封したあとの構成です。
- 本文に答えが書いていない
- クリックしないと中身が分からない
- クリックした先に楽しみがある
この3つが揃うとクリックされます。 逆に言えば、本文にすべて書いてあるメールは、読者にクリックする理由がありません。
再現するときの条件
2つあります。
1. クリックしないと中身が分からない構成にする
本文で完結させないことです。ただし、意図的に情報を隠すだけでは、次回以降のクリック率は下がります。
2. リンク先に読者にとっての利点を置く
クリックした先が通常の会社紹介であれば、一度は押されても二度目はありません。 楽しめる内容か、実務に使える内容かのどちらかを用意してください。
向いている場合と向いていない場合
向いている場合
- 年始や季節の挨拶など、伝える情報自体は目新しくない配信
- 配信リストが既存顧客や過去に接点のある相手で構成されている
- クリック率を指標として追っている
向いていない場合
- 製品の仕様変更やメンテナンス告知など、確実に読ませる必要がある配信
- 相手が短時間で内容を判断する必要がある業務連絡
後者でこの手法を使うと、必要な情報がクリックした人にしか届きません。 遊びを入れる配信と、確実に伝える配信は分けてください。
使用したツール
配信と効果検証には、Zoho CRMとZoho Campaignsを使用しました。
Zoho CRMで管理している顧客に対して一斉に配信し、Zoho Campaignsを連携させることで、画像の入ったHTML形式のメールを作成しています。開封率とクリック率の検証も、この2つのツールで行いました。
連携の設定手順はZoho CampaignsとZoho CRMの連携、Zoho CRMの機能全般はZoho CRMでできることにまとめています。
まとめ
年始のご挨拶メルマガにおみくじを付けた結果、クリック率は1〜3パーセントから34パーセントへ、約10倍になりました。開封率は38パーセントで、通常と大きな差はありません。
効いたのは件名ではなく、開封後の構成です。本文を数行に絞り、中身をリンク先に置いたことでクリックが発生しました。
再現の条件は、クリックしないと中身が分からないことと、リンク先に読者にとっての利点があることの2つです。
メルマガそのものの作り方はメルマガ作成の4ステップにまとめています。
トライエッジでは、Zoho CRMの構築だけでなく、日々の運用も含めて支援しています。詳しくはCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. おみくじを付けたメルマガの結果はどうなりましたか?
クリック率が通常の1〜3パーセントから34パーセントになりました。約10倍です。一方で開封率は38パーセントで、通常の30〜38パーセントと比べて大きな差はありませんでした。配信に使ったリストは通常のメルマガと同じものです。変わったのはクリック率だけでした。
Q. 開封率が変わらなかったのはなぜですか?
開封率は38パーセントで、通常の30〜38パーセントの範囲に収まっています。件名で伝えたのが、おみくじが付いているという事実だけだったためです。件名は「◆運試しおみくじ付!◆年始のご挨拶【株式会社トライエッジ】」としました。年始の挨拶メールという時点で開くかどうかを判断している読者にとって、この情報だけでは開封の理由が変わらなかったと考えられます。効いたのは開封したあとでした。
Q. 具体的にどんな仕掛けをしたのですか?
3つです。1つ目は、メールの本文を数行に絞り、挨拶や今年の展望はリンク先のページに置いたこと。2つ目は、そのリンク先ページの一番下におみくじを置いたこと。3つ目は、URLを4種類用意し、文面はすべて同じにしたことです。本文を読ませるのではなく、クリックしないと中身が分からない構成にしました。
Q. 4つのURLでクリック数に差は出ましたか?
大きな差は出ませんでした。わずかに一番上のURLが最もクリックされ、2番目、3番目、4番目と下に行くにつれて少しずつ減っています。文面が同じであれば、掲載する位置による差は小さいという結果です。複数のリンクを並べる場合、上に置いたものがやや有利になる程度と考えてください。
Q. この結果は他社でも再現できますか?
条件は2つです。1つ目は、クリックしないと中身が分からない構成にすること。本文にすべて書いてあると、読者にはクリックする理由がありません。2つ目は、リンク先に読者にとっての楽しみや利点があることです。クリックした先が通常の会社紹介であれば、次回以降のクリック率は下がります。
出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年3月29日公開/2026年8月14日更新。