ChatGPTに自社のことを聞いたら、間違った説明をされました。どうすればいいですか?
結論は、AIの回答を完全に直すことを保証する方法はない、です。学習データの区切り(カットオフ)や古いページ、外部サイトの情報、似た名前の会社との混同が原因になります。公式ページを1つに絞り、事実をサイト内外で揃え、古いページを整理し、構造化データを入れることが、今できる現実的な対処法です。
ズッキーニ
TRIEDGEのAI社員。富山県出身。Webサイトの更新やAEO対策の実務を担当しています。会話の端々に、ときどき富山弁が出ます。
チャイ
TRIEDGEのマスコット犬(チワワ)。専門用語なしで聞き直す係です。
チャイ
こんにちは、チャイです。この前、お客さんが「ChatGPTに自分の会社のことを聞いたら、もう終わったサービスの説明をされた」って困ってたんですよ。これって直せるものなんですかね?
ズッキーニ
それはよくある相談やちゃ。結論から言うと、AIの回答を「必ずこう直る」と保証する方法はないんだよ。ただ、間違われにくくするためにできることはいくつかあるから、今日はそれを順番に説明するね。
チャイ
あ…そうなんですね。魔法みたいに一発で直せるわけじゃないんですね。じゃあ、そもそもなんで間違えるんですか?
ズッキーニ
原因から、うちでもやっている対処法まで、順番に見ていこうね。
なぜAIは会社のことを間違えて説明するのか
原因は1つではなく、主に4つ考えられます。
- 学習データの区切り(カットオフ)より後の変更を知らない:AIモデルは、ある時点までのデータをもとに作られています。それより後に起きた社名変更・住所移転・サービス終了などは、そもそも知らない可能性があります
- すでに消したはずの古いページの情報を拾っている:自社サイトをリニューアルしても、古いページがネット上のどこかに残っていたり、検索エンジン側に古い情報が残っていたりすると、AIがそちらを参照してしまうことがあります
- 自社が管理していない第三者のページの情報を使っている:ニュース記事、口コミサイト、古い企業情報データベースなど、自社の外にあるページの情報がもとになっている場合があります
- 似た名前の別の会社と混同している:社名やサービス名が他社と似ていると、AIが情報を取り違えて説明してしまうことがあります
学習データの「区切り(カットオフ)」って何ですか
AIモデルは、ある時点までに集められたデータをもとに学習して作られています。その「ある時点」のことを、学習データのカットオフと呼びます。カットオフより後に起きた出来事は、そのモデルにとっては「まだ知らないこと」です。
会社に関する情報で言えば、社名の変更、代表者の交代、住所の移転、サービスの終了や新規開始などが該当します。カットオフの時期はAIごとに異なり、また同じAIでもモデルが新しくなるたびに更新されていきます。つまり、「前に聞いたときは正しかったのに、今聞いたら古い」ということも起こりえます。
何をすればいいか:チェックリスト
原因が複数あるぶん、対処も1つでは終わりません。できることを順番に見ていきます。
(a) 会社の情報をまとめた「公式ページ」を1つ作り、最新に保つ
自社サイトの中に、会社の基本情報(社名・設立・所在地・代表者・事業内容など)をまとめた、これが公式だと言えるページを1つ用意します。すでに会社概要ページがあるなら、それを唯一の正解として、変更があるたびに真っ先に更新する運用にしてください。情報が複数のページに分散していると、どれが最新か分からなくなります。
(b) 自社サイト・ディレクトリ・プレスリリースで事実を揃える
Web上には、自社サイト以外にも会社の情報が載っている場所がいくつもあります。企業情報のディレクトリサイト、過去のプレスリリース、取材記事などです。これらの間で社名の表記・住所・電話番号・事業内容がバラバラだと、AIがどれを信じればいいか分からなくなります。古い情報が載ったままの外部ページを見つけたら、可能な範囲で更新や削除を依頼することも有効です。
(c) 古いページは消す・リダイレクトする
サービスを終了したページや、リニューアル前の古い会社概要ページが自社サイトに残ったままだと、そちらの情報をAIが拾ってしまう可能性があります。使わなくなったページは削除するか、最新のページへリダイレクト(自動的に転送する設定)してください。
(d) 構造化データ(Organization)を入れる
構造化データとは、ページの内容をHTMLの中に決まった形式で書き添え、検索エンジンやAIに正確に伝えるための仕組みです。会社の基本情報を表す型として「Organization」が用意されており、Google・schema.org(構造化データの語彙を定めた団体)の両方で仕様が公開されています。社名・URL・ロゴ・住所・連絡先などを記述しておくことで、機械が会社の情報を読み取りやすくなります。ただし、これを入れれば必ずAIの回答が直る、という保証があるわけではありません。
(e) AIベンダーのフィードバック機能を使う(用意されている場合)
AIによっては、回答に対して「よくない」といった評価を送るボタンなど、フィードバックの仕組みを用意している場合があります。ただし、こうした機能の有無や送り方は各社の仕様変更で変わりやすいところです。利用する場合は、そのAIを提供する会社の公式ヘルプページで、最新の手順を確認してから行ってください。報告した内容がその後の回答に反映される保証はありません。
トライエッジ自身がやっていること
当社では、AI向けの案内ファイル「llms.txt」(AIが読みやすいように会社情報をまとめたテキストファイル)を自社サイトに公開しています。その中には、誤解されやすい点についての訂正も書き添えています。たとえば、当社が提供する「AI検索可視化」というサービスについて、「AI検索可視化は、AEO基盤のオプションであり、単独では提供していません」という一文を入れています。これは、AIや読み手が「単独で契約できるサービスだ」と誤解しないよう、事実をその場で明示しておくための工夫です。
このように、自社の情報のうち誤解されやすい部分は、あらかじめ「そうではない」と明記しておくというのも、できる対策の1つです。
できないこと・保証できないこと
正直にお伝えしておくと、AIの回答を直接書き換えたり、「次からは正しく答えて」と確実に反映させたりする方法はありません。ここまで挙げた対策は、いずれも「AIが正しい情報にたどり着きやすくする」ためのものであり、特定の質問に対する回答を狙って修正する手段ではありません。
同じ理由で、「これをやれば◯日後に直る」といった期間の見通しも立てられません。AIの学習やデータの更新タイミングは、各AIベンダー側の事情によるものであり、こちら側からコントロールできないためです。
まとめ
ChatGPTなどのAIが会社について間違った説明をする原因は、学習データの区切り(カットオフ)、古いページの情報、第三者のページの情報、似た名前の会社との混同の4つが考えられます。
やれることは、(a) 会社の公式ページを1つにまとめて最新に保つ、(b) 自社サイト・ディレクトリ・プレスリリースで事実を揃える、(c) 古いページを削除・リダイレクトする、(d) 構造化データ(Organization)を入れる、(e) 用意されていればAIベンダーのフィードバック機能を使う、の5つです。ただし、これらはいずれも「間違われにくくする」ための対策であり、AIの回答を必ず直せると保証するものではありません。
チャイ
なるほどです。じゃあ、そのお客さんには「絶対直ります」とは言えないってことですかね?
ズッキーニ
そうやちゃ。「必ず直ります」とは言えないけど、「間違われにくくするためにできることはある」とは自信を持って言えるよ。公式ページを1つに絞って、事実を揃えて、古い情報を片付ける。地道だけど、それが今できる一番の近道だと思うよ。
AEO対策の全体像はAEO対策とは?SEOとの違い・メリット・始め方、AI向けの案内ファイルについてはAI向けの案内ファイル(llms.txt)は置いたほうがよいか、AIクローラーとrobots.txtの関係はAIに自社サイトを読ませない設定にすると、AIの回答に出てこなくなるかをご覧ください。現状の把握は無料AEO診断から始められます。ご相談はお問い合わせより承ります。
FAQよくあるご質問
Q. ChatGPTに自社のことを聞いたら、間違った説明をされました。なぜですか?
考えられる原因は主に4つです。学習データに「いつまでの情報か」という区切り(カットオフ)があり、それより後の変更を知らないこと。すでに消したはずの古いページの情報を拾っていること。自社が管理していない第三者のページ(ニュース記事や口コミサイトなど)の情報を使っていること。そして、似た名前の別の会社と混同していることです。
Q. 学習データの「カットオフ(区切り)」とは何ですか?
AIモデルが学習に使ったデータが、ある時点までのものに限られていることです。会社名の変更、住所の移転、サービスの終了といった、その後の出来事をAIは知りません。カットオフの時期はAIごとに異なり、モデルが更新されるたびに新しくなっていきます。
Q. 会社の情報をAIに正しく理解してもらうには、何をすればいいですか?
まず、会社の基本情報をまとめた「これが公式」と言えるページを1つ用意し、常に最新の状態に保つことです。そのうえで、自社サイト・Web上のディレクトリ(企業情報サイトなど)・プレスリリースといった、外部に出ている情報の間で会社名・住所・事業内容などの事実を揃えます。すでに古くなった情報が残っているページは、削除するか、新しいページへリダイレクト(転送)してください。
Q. 構造化データ(Organization)を入れると、AIの回答は直りますか?
直ると保証されたものではありませんが、会社の情報を機械が読み取りやすい形で示す手段にはなります。構造化データとは、ページの内容をHTMLの中に決まった形式で書き添え、検索エンジンやAIに正確に伝えるための仕組みです。会社の基本情報を表す「Organization」という型が、Googleとschema.org(構造化データの語彙を定めた団体)の両方で用意されています。
Q. AIの回答が間違っていたとき、AI会社に直接報告できますか?
AIによっては、回答に対して「よくない」といった評価やフィードバックを送る機能を用意している場合があります。ただし、こうした機能の有無や手順は各社の仕様変更で変わりやすいため、利用する際は必ずそのAIの公式ヘルプページで最新の手順を確認してください。報告したからといって、その後の回答が必ず修正される保証はありません。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2026年9月25日公開。