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HOME MEDIA BtoBマーケティング 2024年4月8日

BtoBマーケティング施策の一元管理:分散していると測れなくなるもの

施策ごとに担当者とファイルが分かれていると、同じ相手が別人として複数のリストに並びます。この状態では施策別の効果を比較できず、翌年の予算配分の根拠が作れません。オフラインとオンラインの施策一覧、分散が招く5つの問題、統合を4ステップで進める手順と、一元化できたかの確認方法を整理します。

BtoBマーケティングの施策が分散していると、施策別の効果を比較できなくなります。同じ相手が施策ごとに別人として複数のリストに並ぶためです。

この状態が続くと、翌年の予算配分の根拠が作れません。 展示会とWeb広告のどちらが受注につながったのかを、誰も答えられなくなります。

この記事では、BtoBで動かす施策の一覧を確認したうえで、分散していると何が起きるのか、そして統合をどの順番で進めるのかを整理します。

BtoBマーケティングの施策にはどんなものがあるか

BtoBのマーケティング施策には、さまざまな手法や種類があります。まず、具体的にどのような施策があるかをオフラインとオンラインに分けて確認します。

オフライン

  • 展示会
  • テレアポ
  • DM送付
  • チラシ
  • パンフレット
  • 紹介(顧客・パートナー企業・アドバイザーなど)
  • 書籍出版
  • マス広告(新聞、テレビCM、雑誌など)

オンライン

  • Webサイト
  • Web広告
  • ランディングページ
  • 資料ダウンロード
  • ウェビナー・セミナーの申し込み
  • メールマガジン
  • メールDM
  • コンテンツマーケティング
  • SNS運用

BtoBでは複数を並行して実施するのが一般的です。 そして施策が増えるたびに、担当者とファイルが分かれていきます。管理が分散し始めるのはこの時点です。

どの施策から着手するか、チャネルごとの向き不向きはリードジェネレーションとは?獲得手法の一覧とチャネル別の効果測定で扱っています。

分散していると何が起きるのか

複数の施策を実施しているものの、それらをバラバラに管理している企業は少なくありません。そこで起きる問題を5つ挙げます。

1. 業務の属人化

それぞれの施策を担当者だけで処理していると、担当者しか対応できない状況が生まれます。 退職や休暇の際に、その施策経由の顧客への対応が遅れます。システムやツールを使って施策を運用するスキルも、社内に蓄積されません。

2. アプローチの重複

各見込み客へのアプローチ方法や進捗の情報共有がなされていないと、複数の担当者や部門から、同じアプローチをしてしまう可能性があります。同じ内容の電話やメールを受ける相手は、自社の情報共有体制に不安を抱きます。工数的にも無駄です。

3. アプローチやフォローの抜け漏れ

データや情報が散在していると、重複とは逆に、アプローチやフォローをし損ねることもあります。一つのデータで対応が完了しても、別施策のデータの対象者は未対応、ということが起こります。

名刺情報、セミナー参加者リスト、メルマガ登録者、WebサイトやSNSで反応したリードなど、各施策のあとそのまま単独で管理していると、抜け漏れが発生しやすくなります。

4. 業務の煩雑化

データがあちこちにあると、該当データをその都度探し出さなければなりません。 複数のデータが見つかれば、同じ作業を繰り返すことになります。現在のマーケティング施策をこなす作業は緻密なものが多く、担当者の負担は大きくなります。

5. 新しい施策を回すリソースが残らない

担当者が煩雑な業務、重複による無駄、抜け漏れへの後追い対応に追われると、新たに有効と思われる施策案が持ち上がっても運用する余力は残りません。

最も影響が大きいのは「比較できなくなること」

上の5つは実務上の不便ですが、経営判断への影響が最も大きいのは別のところにあります。

同じ相手が施策ごとに別人として並ぶため、どの施策が実際に成果につながったかを比較できなくなることです。

たとえば、ある企業の担当者が展示会で名刺交換をし、その後Webから資料をダウンロードし、メールマガジンに登録したとします。3つの施策のリストにそれぞれ1件ずつ、合計3件として存在します。

この状態で受注が発生したとき、どの施策の成果として数えるべきかが決まりません。 3つとも成果に数えれば、合計は実際の受注数を超えます。1つだけ数えるなら、どれを選ぶかの基準が要ります。

基準がないまま各施策の担当者が自分の数字を報告すると、合算した数字が実態と合わなくなります。 翌年の予算配分の根拠として使えるものが、そこには残りません。

一元化はどの順番で進めるのか

ステップ1:いま動いている施策と、データの所在を一覧にする

施策名、担当者、データの保管場所(ファイル名やツール名)、獲得件数を並べます。この一覧を作ると、想定より多くの場所にデータがあることが分かります。

ステップ2:同じ人物を1件にまとめる基準を決める

メールアドレスを主キーにするのが一般的です。あわせて、同じ会社の別の担当者をどう扱うか(企業単位でまとめるのか、部署ごとに分けるのか)も決めます。この基準を決めずにデータを1箇所に集めると、重複したまま統合されます。

ステップ3:獲得時点で流入元を記録するルールを作る

どの施策から来た相手かを、獲得の瞬間に記録します。あとから遡って付けることはできません。 ここが抜けると、統合しても比較には使えません。

ステップ4:情報を1箇所に集める

ここで初めてツールの出番です。順番を飛ばして先にツールを導入すると、分散した状態がそのまま移ります。

MAとCRMのどちらで管理するのか

受け皿はCRM、実行はMAという分担が基本です。

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティングの課題を解決できるツールです。導入によって解決できることは次のとおりです。

  • マーケティング関連のデータを一元管理できる
  • 施策の結果を自動でレポート化でき、分析がしやすい
  • リードに適切なタイミングでアプローチできる
  • 営業、マーケティング業務の自動化・効率化

MAで複数の施策を一元的に管理でき、顧客情報とアプローチの状況を一つの場所にまとめて、メンバー間でのリアルタイム共有が可能になります。業務の一部は自動化できるため、煩雑な業務の工数も削減できます。

ただし、MAだけでは受注までは追えません。 商談化した後と受注後の情報は、CRM側にしか残らないためです。施策の効果を受注まで追いたいなら、CRMが受け皿になっている必要があります。

導入の順番もCRMが先です。理由と、順番を逆にした場合に何が起きるかはCRMとMAの違いは「いつの顧客を見るか」、3つのシステムをつなぐ設計はMA・SFA・CRM連携とは?3つの役割の違いと、つなぐ順番で扱っています。製品ごとの料金はHubSpot Marketing Hubの料金と機能をご覧ください。

一元化できたかどうかの確認方法

次の3つの質問に、1つの画面から数分で答えられるかで判定します。

  1. 先月獲得した見込み客のうち、何件がどの施策から来たか
  2. 同じ会社から複数人が接触している件数はいくつか
  3. 獲得から30日以上フォローされていない件数はいくつか

3つとも即答できない場合、まだ分散しています。 特に2番と3番は、統合の効果が最も出やすい部分です。獲得後のフォローの設計はリードナーチャリングとは?手法の選び方と、4つの効果測定指標で扱っています。

まとめ

BtoBマーケティングの施策が分散していると、属人化、重複、抜け漏れ、煩雑化、リソース不足という5つの問題が起きます。そして最も影響が大きいのは、施策別の効果を比較できなくなり、翌年の予算配分の根拠が作れなくなることです。

一元化は4ステップで進めます。施策とデータの所在を一覧にし、同じ人物をまとめる基準を決め、獲得時点で流入元を記録するルールを作り、最後に1箇所へ集めます。ツールの導入は最後です。

トライエッジでは、マーケティング課題の抽出からプランの立案・導入・運用までを支援しています。ご相談はお問い合わせより承ります。

FAQよくあるご質問

Q. BtoBマーケティングの施策にはどんなものがありますか?

オフラインは展示会、テレアポ、DM送付、チラシ、パンフレット、紹介、書籍出版、マス広告です。オンラインはWebサイト、Web広告、ランディングページ、資料ダウンロード、ウェビナー申し込み、メールマガジン、メールDM、コンテンツマーケティング、SNS運用です。BtoBでは複数を並行して実施するのが一般的で、この時点で管理が分散し始めます。

Q. 施策の管理がバラバラだと何が問題ですか?

5つの問題が起きます。業務の属人化、同じ相手への重複アプローチ、フォローの抜け漏れ、業務の煩雑化、新しい施策を回すリソースの不足です。最も影響が大きいのは、同じ相手が施策ごとに別人として並ぶため、どの施策が実際に成果につながったかを比較できなくなることです。翌年の予算配分の根拠が作れなくなります。

Q. 施策の管理を一元化するにはどうすればよいですか?

4ステップです。1つ目に、いま動いている施策と、それぞれのデータがどこにあるかを一覧にします。2つ目に、同じ人物を1件にまとめる基準(メールアドレスを主キーにするなど)を決めます。3つ目に、獲得時点で流入元を必ず記録するルールを作ります。4つ目に、その情報を1箇所に集めます。順番を飛ばして先にツールを導入すると、分散した状態がそのまま移ります。

Q. 施策の管理はMAとCRMのどちらで行いますか?

受け皿はCRM、実行はMAという分担が基本です。MAは施策の実行と反応の記録が得意ですが、商談化した後と受注後の情報はCRM側にしか残りません。施策の効果を受注まで追いたい場合、CRMが受け皿になっている必要があります。導入の順番もCRMが先で、受け皿の設計を決めないままMAを繋ぐと同じ会社の担当者が別々のデータとして増え続けます。

Q. 一元化できたかどうかはどう確認しますか?

3つの質問に答えられるかで確認します。1つ目は、先月獲得した見込み客のうち何件がどの施策から来たか。2つ目は、同じ会社から複数人が接触している件数はいくつか。3つ目は、獲得から30日以上フォローされていない件数はいくつか。この3つが1つの画面から数分で出せない場合、まだ分散しています。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。

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