HubSpotの導入・運用支援会社はどう選ぶ? 依頼する前に確かめたい6つのこと
HubSpotの支援会社は、設定の速さより「最初に何を確かめるか」「導入後の運用を誰が持つか」で選びます。ゴールドパートナーのトライエッジが、契約前に確かめたい6つのことと、問い合わせのときに聞くとよい質問をまとめました。
HubSpot(ハブスポット)は、顧客の情報・メール配信・商談の進み具合を1か所で管理できる、海外製のツールです。機能が多いぶん、自社だけで使いこなすのは大変で、導入や運用を外の支援会社に頼む会社も少なくありません。
ところが、いざ支援会社を探すと、どこも「HubSpotの導入を支援します」と書いていて、違いがよく分かりません。この記事では、HubSpotのゴールドパートナー(2022年〜)として導入と運用を支援しているトライエッジが、依頼する前に確かめたい6つのことをまとめました。それぞれ「トライエッジの場合」も書いていますが、他の会社に頼む場合にも、そのまま使える確認点です。
結論:見るのは「設定の速さ」ではなく「最初と最後」
先に結論です。HubSpotの支援会社選びで差が出るのは、設定作業そのものではありません。
- 最初:いきなり設定に入らず、いまの営業の進め方とデータを確かめるところから始めるか
- 最後:導入が終わったあと、誰がどう運用していくかまで決めてくれるか
HubSpotの設定は、慣れた会社ならどこでもできます。失敗の多くは、この「最初」と「最後」が抜けたときに起きます。項目だけが増えて誰も入力しない、作った人がいなくなって誰も直せない、という状態です。
依頼する前に確かめたい6つのこと
1. いきなり設定に入らず、「棚卸し」から始めるか
HubSpotは、営業の進め方(商談がどの段階を通って受注に至るか)に合わせて作ります。この進め方を決めないまま設定に入ると、あとで作り直しになります。
問い合わせのときは、「最初の1〜2週間で何をしますか?」と聞いてみてください。画面の設定の話から始まる会社より、いまの営業の進め方や、Excelや他のツールに散らばっている顧客データの確認から始まる会社のほうが、あとで手戻りが少なくなります。
トライエッジの場合:最初の約1週間を「棚卸し」(初期費用10万円)にあてています。いまの営業の進め方と既存のデータを確かめて、何を作り直して何を残すかを決めます。すでにHubSpotをお使いの場合は、その設定の棚卸しから始めます。
2. 他のツールから移すとき、「持っていかないもの」を決めてくれるか
Salesforceなど他のツールから移す場合、いちばん難しいのはデータを移す作業ではありません。何を持っていかないかを決めることです。
長く使ってきたツールには、使われていない項目や、誰も説明できない自動処理がたまっています。それをそのまま持ち込むと、移したあとも同じ使いにくさが続きます。
トライエッジの場合:移行の案件では、捨てる判断が必要な箇所を一覧にして先にお渡しし、誰がいつまでに決めるかを設計の段階で決めています。データの移行は標準で1万件までです。
3. 導入が終わったあと、運用を誰が持つかまで決めてくれるか
HubSpotは、入れて終わりではありません。担当者の追加、新しいレポートの作成、入力ルールの見直しなど、毎月なにかしらの手入れが必要です。
ここを決めずに導入だけを頼むと、「作った人がいなくなって誰も直せない」状態になります。問い合わせのときは、「導入が終わったあと、誰が何をしますか?」と聞いてみてください。社内に担当者を置くのか、支援会社が運用まで続けるのか、の答えがはっきり返ってくるかが目安です。
トライエッジの場合:導入構築は3か月です(1か月目:設計、2か月目:構築とデータ移行、3か月目:管理者向けの説明と試運転)。4か月目からは運用支援に切り替わり、日々の設定変更、レポートの追加、新メンバーの権限設定、毎月の報告と定例の打ち合わせを続けます。
4. 費用が「月額」だけでなく「総額」で出てくるか
HubSpotの支援費用は、会社によって形がさまざまです。「月額◯万円から」だけを見て比べると、導入期間の長さや、HubSpot自体のライセンス費用を含むかどうかで、総額が大きく変わります。
比べるときは、最初の1年でいくらかかるかを、次の3つに分けて出してもらうのがおすすめです。
- 導入にかかる費用(何か月で、合計いくらか)
- 導入後の運用にかかる費用(月額と、最低何か月の契約か)
- HubSpot自体のライセンス費用(支援費用に含まれるかどうか)
トライエッジの場合:料金はすべてサイトで公開しています。初期の棚卸し10万円、導入構築が月額80万円×3か月(合計240万円)、4か月目からの運用支援が月額35万円(最低6か月)です。HubSpotのライセンス費用は含みません(2026年10月時点)。HubSpot自体の料金の考え方はHubSpotの料金体系と初年度総額の出し方にまとめています。
5. HubSpotの契約は、自社名義のままにできるか
支援会社によっては、HubSpotのライセンスを支援会社経由で契約する形をとることがあります。それ自体が悪いわけではありませんが、将来、支援会社を変えたくなったときにアカウントやデータがどうなるかは、先に確かめておくと安心です。
トライエッジの場合:ライセンスの再販は積極的には行っておらず、御社名義で直接契約していただくことをおすすめしています。契約の名義が御社にあるほうが、支援会社を変える判断を自由にしていただけるためです。アカウントの管理を代わりに行うことはお引き受けしています。
6. 自社に近い会社を支援した実績があるか
HubSpotの使い方は、業種や会社の大きさで大きく変わります。展示会で集めた名刺を商談につなげたい会社と、ウェブサイトからの問い合わせを増やしたい会社とでは、作るものがまったく違います。
支援会社のサイトで、自社に近い会社の事例があるか、そしてその事例に「何を作ったか」だけでなく「どう変わったか」が書いてあるかを見てください。
トライエッジの場合:HubSpotで支援した会社の例です。
- 住友商事マシネックス株式会社(協働ロボットの販売):HubSpotを導入し、案件化数が2〜3倍に
- ラピュタロボティクス株式会社(ロボット技術):HubSpotで10以上の施策を一元管理
- 株式会社滋賀レイクス(プロバスケットボールクラブ):HubSpotの導入と営業体制づくりで、営業目標を達成
パートナーの等級は、どう見ればいい?
HubSpotは、支援会社(パートナー)に等級を付けています。等級は、その会社がHubSpotの支援を続けて手がけているかの目安になり、HubSpot公式のパートナー一覧で会社名・等級・お客様のレビューを確かめられます。
ただし、等級そのものが成果を約束するわけではありません。トライエッジもゴールドパートナーですが、実務上の意味は「製品の仕様変更や新機能の情報が早く入ること」と「日常的にHubSpotを構築している裏づけになること」の2つだと考えています。等級は候補を絞るときの参考にとどめ、最後は上の6つで比べてください。
問い合わせのときに聞くとよい質問
最初の打ち合わせで、次のように聞いてみてください。答え方で、その会社の進め方がよく分かります。
- 最初の1〜2週間で、何をしますか?
- いまのツールから移すとき、持っていかないものはどう決めますか?
- 導入が終わったあと、誰が何をしますか? 社内には何人くらい担当者が必要ですか?
- 最初の1年の総額はいくらですか? HubSpotのライセンス費用は含まれますか?
- HubSpotの契約は、こちらの名義になりますか? 支援をやめるとき、アカウントはどうなりますか?
- うちに近い業種・規模の会社を支援したことはありますか? そのとき、何が変わりましたか?
HubSpotに限らず、CRM(顧客管理のしくみ)の支援会社全般の選び方は、CRM運用支援会社の選び方:7つの評価基準と、確認したい10の質問にまとめています。
HubSpotとZoho、どちらにするかから迷っている場合
まだツールを決めていない場合は、ツール選びから相談できる支援会社を選ぶのも一つの手です。トライエッジはHubSpotのゴールドパートナーに加えて、Zohoの認定パートナー(2017年〜)でもあるため、どちらかを売り込む立場ではなく、御社の営業の進め方と、社内で運用を持つ人がいるかどうかから一緒に決められます。
また、HubSpotで記事やページを運用している場合は、ChatGPTなどのAIに自社の名前が出てくるようにする対策(AEO)も、同じHubSpotの延長で進められます。詳しくはHubSpotを使っている会社は、AEO対策で何ができますか?をご覧ください。
まとめ
- HubSpotの支援会社選びで差が出るのは、設定作業ではなく「最初(棚卸し)」と「最後(導入後の運用)」
- 費用は月額ではなく、最初の1年の総額で比べる。HubSpotのライセンス費用を含むかも確かめる
- 契約の名義と、支援をやめるときのアカウントの扱いを先に確かめる
- パートナーの等級は参考にとどめ、自社に近い事例と、問い合わせのときの答え方で比べる
トライエッジのHubSpot支援の進め方と料金は、HubSpot導入・運用支援のページにまとめています。
FAQよくあるご質問
Q. HubSpotの導入支援会社は、何を基準に選べばよいですか?
設定作業の速さよりも、①いきなり設定に入らず、いまの営業の進め方とデータの確認から始めるか、②導入後の運用を誰が持つかまで決めてくれるか、③費用が月額だけでなく総額で出てくるか、の3つを先に確かめるのがおすすめです。ここが曖昧なまま始めると、項目だけ増えて誰も入力しない状態になりやすいためです。
Q. HubSpotのパートナー等級(ゴールドなど)は、選ぶ基準になりますか?
参考にはなりますが、等級だけで選ぶのはおすすめしません。等級は、その会社がHubSpotの支援を継続して手がけている目安にはなります。ただし、自社の業種や規模に合う進め方をしてくれるかは、等級からは分かりません。等級はHubSpot公式のパートナー一覧で確かめられます。
Q. HubSpotのライセンスは、支援会社経由で買ったほうがよいですか?
トライエッジでは、ライセンスは御社名義で直接契約していただくことをおすすめしています。契約の名義が御社にあれば、将来支援会社を変えるときも、データや設定をそのまま引き継げるためです。支援会社経由で契約する場合は、解約や乗り換えのときにアカウントがどうなるかを先に確かめてください。
Q. すでにHubSpotを使っていても、運用だけ頼めますか?
多くの支援会社で頼めます。ただし、設定が合っていないまま運用だけを引き取ると、同じ問題が続きます。トライエッジでは、まず今の設定の棚卸しから始め、作り直したほうが早い箇所があれば、その理由と工数を先にお出ししています。
Q. HubSpotの導入には、どのくらいの期間と費用がかかりますか?
会社によって大きく違うため、総額と期間を必ず確かめてください。参考までに、トライエッジの場合は、初期の棚卸し10万円(約1週間)のあと、導入構築が月額80万円×3か月(合計240万円)、4か月目からの運用支援が月額35万円です(HubSpotのライセンス費用は含みません。2026年10月時点)。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2026年10月28日公開。