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HOME MEDIA CRM / SFA 2024年4月8日

CRM / SFAは標準機能に合わせて設計すべき3つの理由

CRM / SFAの導入では、既存の業務フローに合わせて改修するより、製品に搭載済みの機能へ業務を寄せるほうが定着します。理由は、標準機能が多数の利用企業の課題から作られていること、UIの違和感は使ううちに消えること、追加開発が減り納期とコストが圧縮されることの3点です。標準に合わせないほうがよい例も整理しました。

CRM / SFAを導入するときは、既存の業務フローに合わせて製品を改修するより、製品に搭載済みの機能へ業務を寄せるほうが定着します。

理由は3つです。標準機能が多数の利用企業の課題から作られていること、UIの違和感は使ううちに消えること、追加開発が減って納期とコストが圧縮されること。 逆に改修を前提にすると、導入までは進んでも使われないシステムになりやすくなります。

トライエッジではCRM / SFAの設計・導入を行う際に「3つのS」を大切にしており、そのうちの一つが System(システム)です。これは、既存で組まれている機能・システムを最大限活用することを意識するという方針を指しています。この記事では、その理由と判断の基準を整理します。

なぜ改修を前提にすると失敗するのですか?

新たにCRM / SFAを導入する場合、これまで行ってきた業務をシステムに組み込んでいく必要があります。そこで今までのやり方を踏襲したいと思うのは自然なことです。ただ、そのために導入するシステムが持っている機能を活用せず、大幅に改修してしまうケースが多くあります。

開発や設計・導入がスムーズに進めばよいのですが、実際はシステムを導入する際に行き詰まったり、導入は何とかしたものの結局はほとんど使われない、といった問題が多く発生しているのが現状です。

何千万もの開発費用をかけて「営業管理やマーケティング管理・契約管理を行う基幹システム」を構築したのに、結局使われているのは従業員の勤怠管理だけだった、というケースは珍しいことではありません。

こうした事態を避けるには、「導入するシステムに既に搭載されている機能を最大限活用した設計」にすることが重要です。業務フローへの合わせ方そのものはSFA / CRMの導入にあたってどこまで業務フローに合わせるべきかでも扱っています。

理由1:標準機能がすでにベストプラクティスだから

CRM / SFAが事前に備えている機能は、さまざまな会社の事例や過去の成功例・失敗例をもとに作られています。私たちが扱っている「Zoho CRM」も、多数の利用企業で発生した”課題”や”改善”が反映され続けた結果が、現在の機能です。

つまり、最初からCRM / SFAはベストプラクティス(結果を得るのに最も効率のよい技法、手法、プロセス、活動などのこと)の状態にあるということです。

「うちの会社の営業手法は画期的であり、他社の事例よりも自社の運用フローのほうが成果が確実に出る」というケースは例外かもしれませんが、そのような会社は多くありません。

よほど特殊な事情でもない限り、CRM / SFAに組み込まれている機能や業務フローをまず踏襲することを前提として設計・運用を行ったほうが、成果は出やすくなります。

理由2:違和感はおおよそ3ヶ月で消えるから

多い要望の一例として、「これまで使っていたシステムとUI(システム上の見た目)が異なるので、どうしても違和感がある。既存システムと同じように改修をして欲しい」というものがあります。

人には「自分が行ってきたことを変えたくない」という心理が強く存在します。現状を変えることによって「何かを失うかもしれない」という不安が、「何かを得られるかもしれない」という期待を上回るためです。心理学ではこれを「現状維持バイアス」といいます。

ただ、人は一方で高い順応性を持っています。新しいものに対して最初は違和感を持っていても、接していくうちに自然と自分の中に取り込んでいけることがほとんどです。

支援の経験では、新たなCRM / SFAもおおよそ3ヶ月使い続けると、そうした意見は出なくなります。 「なんとなく違和感があるから」という理由だけで見た目を旧来のシステムに合わせる必要は、基本的にありません。UIを変えるために時間やお金をかけること自体が、その3ヶ月のための支出になります。

これは見た目だけの問題ではありません。「これまで行ってきた業務の流れを新システムでは一部変更しなければならない」「これまで出来ていたことが一部できなくなる」といったことが起きたとしても、それらが本当に業務に致命的な問題を起こす事柄なのかを吟味したうえで判断することが重要です。そしてそれらの多くが、「実はなくてもよかった」というケースです。

理由3:追加開発が減ってコストが下がるから

システムに合わせた設計をすることで、追加の開発工数が少なくなります。そうなれば納期までの期間が短くなり、結果的に導入コストが下がります。

また、一般的なCRM / SFAは簡単にカスタマイズができる機能を搭載しているケースが多く、運用を行う上で何らかの問題が起こったり軌道修正を行ったりする場合は、運用担当者がシステムの設定項目を変更するだけで対応できます。

つまり複雑な開発設計をしていなければ、社内の担当者が設定を変更するだけで問題を解決できるケースが多く、外部の開発会社に発注する必要がなくなります。 導入時の費用だけでなく、導入後の変更にかかる費用まで下がるということです。

「なくす」判断はどう下しますか?

「これまでできていたことができなくなる」という声が出たときの判断手順を示します。

  1. その操作を月に何回行っているかを数える(回数が分からないものは、たいてい使われていません)
  2. 代替手段があるかを確認する(別画面や標準レポートで同じことができる場合が多くあります)
  3. なくなった場合に誰が困るかを特定する(「誰か困るかもしれない」は理由になりません)

この3点を確認せずに改修へ進むと、使われない機能に開発費を払うことになります。

標準機能に合わせないほうがよい場合

一方で、標準機能では代替できないものもあります。

個別対応を検討すべき場合

  • 独自の価格計算ロジックが競争力の源泉になっている
  • 法令や業界規制で定められた特殊な帳票が必要
  • 基幹システムとのデータ連携が業務の前提になっている

標準機能に合わせるべき場合

  • 「前のシステムと見た目が違う」という理由
  • 「この項目の並び順が違う」という理由
  • 「今までこの順番でやっていた」という理由

判断の基準は、その業務が売上や法令遵守に直結しているかどうかです。 慣れの問題であれば標準機能に合わせてください。

導入全体の進め方はCRM導入の流れの記事、CRMとSFAのどちらの使い方を主にするかはCRMとSFAの違いの記事、導入後の運用の型はCRM運用の記事で扱っています。

まとめ

CRM / SFAを導入する際には、既に組み込まれている機能がどのようなもので、それらがどんな働きをするのか、そして自分たちがどのような業務フローで何を実現したいのかを把握し、最初は違和感があってもまず使ってみることをおすすめします。

改修すべきかどうかは、慣れの問題か事業の中核かで分けてください。慣れの問題であれば、おおよそ3ヶ月で解消します。

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FAQよくあるご質問

Q. CRM / SFAは自社の業務フローに合わせて改修すべきですか?

特殊な事情がない限り、標準機能に業務を寄せるほうが定着します。理由は3つです。1つ目は、標準機能が多数の利用企業で発生した課題と改善をもとに作られていること。2つ目は、UIや操作の違和感は使い続けるうちに消えること。3つ目は、追加開発が減ることで納期が短くなり導入コストが下がることです。改修を前提にすると、導入したのに使われないシステムになりやすくなります。

Q. 既存システムと見た目が違うという要望にはどう対応すればよいですか?

見た目だけを理由にした改修は、基本的に行わないでください。人には現状維持バイアスがあり、新しいものには最初必ず違和感が出ます。一方で順応性も高く、支援の経験ではおおよそ3ヶ月使えばそうした意見は出なくなります。UIを旧システムに合わせるための時間と費用は、その3ヶ月のために支払っていることになります。

Q. これまでできていたことができなくなる場合はどうしますか?

その機能が本当に業務に致命的な問題を起こすかを、1つずつ吟味してください。判断の手順は3つです。1つ目に、その操作を月に何回行っているかを数える。2つ目に、代替手段があるかを確認する。3つ目に、なくなった場合に誰が困るかを特定する。この3つを確認すると、多くは実はなくても回るものだったと分かります。

Q. 標準機能に合わせるとコストはどう変わりますか?

追加の開発工数が減るため、納期までの期間が短くなり、導入コストが下がります。加えて、一般的なCRM / SFAは設定画面からのカスタマイズ機能を備えているため、運用中に軌道修正が必要になっても、社内の担当者が設定を変えるだけで対応できるケースが多くなります。複雑な開発をしていなければ、外部の開発会社へ都度発注する必要がなくなります。

Q. 標準機能に合わせないほうがよいのはどんな場合ですか?

業務そのものが競争力の源泉になっている場合です。たとえば独自の価格計算ロジックや、法令で定められた特殊な帳票が必要な場合は、標準機能では代替できません。判断の基準は、その業務が売上や法令遵守に直結しているかどうかです。慣れの問題であれば標準機能に合わせ、事業の中核であれば個別対応を検討してください。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/森本 貴行(CRM/営業戦略)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。

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