マーケティングの4P「Place」とは?BtoBのチャネル設計と測り方
4PのPlace(流通)は、どのような場所や経路でターゲットに商品を届けるかを指す要素です。BtoBでは直接営業・代理店経由・オンライン経由の組み合わせ方でリード獲得の効率が変わります。3つのチャネルの向き不向き、併用時に決める3点、他の3Pとの連動、チャネル別に見る3指標を整理します。
マーケティングの4Pにおける「Place(プレイス)」とは、「どのような場所や経路でターゲットに商品を届けるか」を指す流通戦略の要素です。
Placeの設計を誤ると、良い商品やサービスを用意できていても、顧客が実際にアクセス・購入できる経路が整っておらず、機会損失につながります。
BtoB商材であれば、直接営業・代理店経由・オンライン経由など複数の販売チャネルをどう組み合わせるかによって、リード獲得の効率が大きく変わります。この記事では、3つのチャネルの向き不向き、併用するときに決めること、そしてチャネル別の効果の測り方を整理します。
Placeは何を決める要素か
4PのうちPlace(プレイス)とは「流通」という意味で、「どのような場所や経路でターゲットに商品を届けるか」を指します。
製品が顧客にとって魅力的で、かつ適正な価格であったとしても、購入することができなければ意味がありません。流通チャネルは、ネット通販の普及により、リアル店舗での取引が主流だった時代に比べて多様化してきました。店舗を持たなくても販売ができるようになったため、生産者が直接顧客と取引をするケースも増えています。
一つのチャネルで顧客にリーチできる製品もあれば、異なるチャネルを使って複数のアプローチで販売活動をするほうが効果的な製品もあります。製品やターゲットの特徴、競合環境などを総合的に鑑みて、もっとも効率的な流通チャネルを選び、場合によっては複数のチャネルを掛け合わせながら構築していく必要があります。
BtoBの3つのチャネルはどう違うのか
| チャネル | 向いている商材 | 上限になるもの | 顧客情報の残り方 |
|---|---|---|---|
| 直接営業 | 単価が高く、説明に時間がかかる | 営業の人数 | 自社に全て残る |
| 代理店・パートナー経由 | 導入形態が標準化されている | パートナーの稼働 | 自社に残りにくい |
| オンライン経由 | 課題が言語化されている相手が探している | コンテンツの量 | 自社に全て残る |
直接営業
自社の営業が直接商談を行うチャネルです。単価が高く、要件のすり合わせが必要な商材に向きます。 顧客の反応や検討の経緯がそのまま自社に蓄積されるため、次の提案の材料になります。
一方で、営業の人数が獲得件数の上限になります。人を増やさずに件数を伸ばすことはできません。
代理店・パートナー経由
パートナー企業を通じて販売するチャネルです。自社の営業では届かない地域や業界に広げられます。 導入の形態が標準化されている商材ほど、任せやすくなります。
注意点は、顧客の情報が自社に残りにくいことです。誰がどんな理由で選んだのかがパートナー側に留まると、製品改善の材料が入ってきません。
オンライン経由
Webサイトからの問い合わせ、資料請求、ウェビナー申し込みなどが該当します。件数が読めるようになる代わりに、立ち上がりに時間がかかります。 すぐに件数が必要な場合は、広告と組み合わせることになります。
各チャネルでの獲得手法の詳細はリードジェネレーションとは?獲得手法の一覧とチャネル別の効果測定で扱っています。
複数チャネルを併用するときに決めること
併用は効果的ですが、決めておかないと現場で衝突します。 決めるのは次の3つです。
1. 担当範囲の線引き
同じ企業に直販と代理店の両方が接触する状態を避けます。区切り方は、地域・業界・企業規模のいずれかが実務的です。 「先に接触したほうが担当」というルールは、判定できないため機能しません。
2. 重複接触を検知する仕組み
線引きをしても、企業名の表記ゆれや部署違いで重複は起きます。顧客データベース側で企業単位に情報をまとめておく必要があります。 ここが整っていないと、線引きのルールがあっても検知できません。
3. 価格の整合性
チャネルによって条件が違うと、顧客側で比較されたときに問題になります。差をつける場合は、その根拠を説明できる形にしてください。
他の3Pとどう連動するか
4Pは互いに連動しており、商品特性や価格帯に合わないチャネルを選ぶと成果が出にくくなります。
- Productとの関係:説明に時間がかかる商材をオンライン完結で売ろうとすると、検討の途中で離脱します
- Priceとの関係:単価の低い商材に直接営業をあてると、1件あたりの営業コストが利益を上回ります
- Promotionとの関係:認知の施策で集めた相手を受け止める経路が用意されていないと、集めた分だけ取りこぼします
4Pは一貫性のある形で設計する必要があります。 4つの要素を順に検討する進め方はBtoBマーケティング戦略の立て方:4つの順番と、組織に必要な2つの要素、自社が顧客からどの位置に見られているかの確認は知覚マップとは?2軸の選び方と作り方で扱っています。
チャネル別の効果はどう測るか
3つの指標を並べて見ます。
- チャネル別のリード獲得数
- 商談化率(獲得したうち何件が商談になったか)
- 受注単価(そのチャネル経由の平均受注金額)
1だけを見ると、件数は多いが商談にならないチャネルに予算を寄せてしまいます。 3まで見て初めて、どのチャネルを伸ばすかの判断ができます。
この3つをCRM/SFAで可視化するには、条件が1つあります。獲得の時点でどのチャネルから来たかを記録し、その情報が商談まで引き継がれることです。 あとから遡って付けることはできないため、記録のルールを先に決めてください。指標の設計そのものは法人営業のKPI設定:KGIから逆算する手順で扱っています。
まとめ
4PのPlaceは、どのような場所や経路でターゲットに商品を届けるかを決める要素です。BtoBでは直接営業、代理店・パートナー経由、オンライン経由の3つが代表的で、それぞれ上限になるものと顧客情報の残り方が違います。
複数を併用する場合は、担当範囲の線引き、重複接触の検知、価格の整合性の3つを先に決めてください。そして効果は獲得数だけでなく、商談化率と受注単価まで並べて判断します。
チャネル別の数字を追える状態にするCRM/SFAの設計はCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. マーケティングの4PにおけるPlaceとは何ですか?
「どのような場所や経路でターゲットに商品を届けるか」を指す流通戦略の要素です。販売チャネルと物流の設計が含まれます。製品が顧客にとって魅力的で、かつ適正な価格であったとしても、購入できる経路が整っていなければ機会損失につながります。BtoBでは直接営業、代理店・パートナー経由、オンライン経由の3つが代表的なチャネルになります。
Q. BtoBのPlaceにはどんな選択肢がありますか?
3つです。1つ目は直接営業で、単価が高く説明に時間がかかる商材に向きますが、営業の人数が上限になります。2つ目は代理店・パートナー経由で、自社では届かない地域や業界に広げられますが、顧客の情報が自社に残りにくくなります。3つ目はオンライン経由で、Webサイトからの問い合わせや資料請求が該当し、件数が読める代わりに立ち上がりに時間がかかります。
Q. 複数のチャネルを併用するとき、何を決めればよいですか?
3つです。1つ目は担当範囲の線引きで、同じ企業に直販と代理店の両方が接触しないよう、地域・業界・企業規模のいずれかで区切ります。2つ目は同じ企業への重複接触を検知する仕組みで、顧客データベース側で企業単位に情報をまとめておく必要があります。3つ目は価格の整合性で、チャネルによって条件が違うと顧客側で比較されたときに問題になります。
Q. Placeと他の3P(Product・Price・Promotion)はどう関係しますか?
4Pは互いに連動しており、商品特性や価格帯に合わないチャネルを選ぶと成果が出にくくなります。たとえば説明に時間がかかる高単価の商材をオンライン完結で売ろうとすると、検討途中で離脱します。逆に単価の低い商材に直接営業をあてると、1件あたりの営業コストが利益を上回ります。4Pは一貫性のある形で設計してください。
Q. チャネル別の効果はどう測ればよいですか?
3つの指標を並べます。1つ目はチャネル別のリード獲得数、2つ目は商談化率、3つ目は受注単価です。獲得数だけを見ると、件数は多いが商談にならないチャネルに予算を寄せてしまいます。この3つをCRM/SFAで可視化するには、獲得時点でどのチャネルから来たかを記録し、その情報が商談まで引き継がれる状態が必要です。
RELATEDBtoBマーケティングの新しい記事
出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。